2024年06月06日
ヒグマ捕獲名人、その3.


原子一男:北海道旭川市在住、1955年生れ「クマ撃ち」歴49年(2024年現在)、
原子(弟)(名前は失念):北海道旭川市在住、1961年生れ「クマ撃ち」歴43年、(2024年現在)兄弟でハンティングの腕前は一流、特に兄の狩猟技術は2007年の後述の事故まで超1流でした 。
捕獲数はネットからは不明ながら、同じ旭川猟友会の同年代の2名に聞きましたが、2007年時点ですでに70頭以上、弟は兄に比べれば半分以下と言われていますが、それでも2019年現在で30頭位だそうで、その後3年間に毎年少なくとも1頭の追加があると思われます。
弟さんは普段は林業に従事され、ハラコゾンメルと言う地元ハンター達に愛用されている登坂に強い雪山用のスキーも制作されています。
そのゾンメルスキーに貼るアザラシ皮(シール)は根室漁協定置網に迷込み溺死した物であり、彼はそれを購入、ケンさんもその皮剥ぎを手伝った事があります。
以下はその「クマ撃ち」ベテラン猟師原子(弟)さんに話を聞いた話です。
原子(兄)さんは、は2007年ヒグマに襲われながらも仕留め、瀕死の重傷で意識不明の重体、両腕が折られ顎も半分取られ、意識朦朧ながら銃を持って車に乗り、20㎞位先の交番で保護されました。
当日朝猟に行って小さいクマを2頭獲った後、昼からまたその近くで足跡を見付けました。でもその熊は見付からず、山の方に背中を向けて歩いていたら、背後の笹からクマが襲い掛かって来ました。
一応命中させましたが、襲撃を阻止する事は出来ませんでした。
翌年の春にその場所から50m位の所に骨になったクマの死体が見付かったそうです。
ヒグマに脳のギリギリまでを齧られ、アゴも半分失い死に掛けましたが、病院で頭蓋骨を外し中を消毒、また頭蓋骨を戻したそうです。
写真は2007年、北海道猟友会の原子兄氏が害獣駆除で450㎏を捕獲した時の物です。
この年の秋に事故に会われました。体力抜群で事故当時52歳、ヒグマ捕獲 経験数も十分あり過ぎヒグマと言う物をやや嘗めていたのかも知れません。本事故以後、このスーパー能力は失われました。
彼曰く、「エゾ鹿なんぞ蚊を叩く様な物」であると、言う話を聞いた事があります。
体力抜群の彼は積雪期にエゾ鹿の新しい足跡を見付けると、ゾンメルスキーで追跡、鹿を深雪に追い込み、動けなくなった群れを丸ごと捕獲するそうです。
「究極の狩猟」国内最大の猛獣「ヒグマ」とはどんな動物なのか? そして「知られざる「ヒグマ撃ち」の世界とは? 原子兄さんは現在も現役ハンタ―、先頃もクマが出て、猟友会として 出動駆除しています。兄さんがそれでも「クマ撃ち」辞めない理由、弟さん」に聞いてみました。
昔(1970年代以前)、親父がやっていた様な時代は、「ヒグマ撃ち」がお金になったからだと 思いますが、今はお金にはなりません。
兄の事は分かりませんが、僕が狩猟が好きなのは、ただ撃ちたいからではなく、山を歩き獲物を獲る事が好きなんです。獲ったら必ずその肉を食べていましたから、まあ楽しんで食べる事でしょうか。
自分が獲った物を食べられると言う事は嬉しい事だと思います。
家族も獲物を取って戻ると、「美味いね」食べますから、楽しみにもしていると思います。
店に並んでいる市販肉とは内容が違い、狩猟で獲る熊とか鹿とか鴨とか、店に出ていない物
ばかりです。獲物がそんなにない時代には、ウサギとかスズメも獲り、狩猟が生活の一部でした。
僕が狩猟を始めたきっかけは、親がハンターで兄もやっており、自分も好きだったので始めました。
「銃を撃ってみたい」という気持ちもありましたし、山を歩くのも好きだったです。初めて狩りの現場に行ったのは、中学生で13~14歳位、その頃から「やってみたいな」と思っていました。
猟銃の所有許可が出るのは20歳からなので、その年齢を待って狩猟免許を取り、その冬から狩りに出ました。最初は鴨を撃っていました。
初めてクマを獲ったのは22歳でしょうか。1人で獲りました。その年齢でクマを獲った人は、まずいないと思います。僕の場合、小さい頃から親父や兄が獲っているのも見ており、凄腕の兄に一緒に付いて行って手伝ったりもしていました。
それで自分で猟をやる様になってからも、極く自然に山を歩いて見付けたから獲ったと言う感じでした。そもそもクマを獲る猟師はおっかないから余りいないです。
普段は林業で、狩猟期間の3~4カ月も、「ヒグマ撃ち」だけをやっている訳ではなく、エゾ鹿撃ちをしていて、ヒグマの足跡を見付け、獲れそうなら獲ると言う感じです。
何でも撃つ一般的なハンターと言えますが、「ヒグマ撃ち」は仕留め損ねると襲い掛かって来る事があり、特別だと思います。
一般的にヒグマに対しての恐怖感は大きくベテラン猟師でも 「おっかないからヒグマだけはやらない」と言う人も多いです。「ヒグマ撃ち」で今の所は危険な目にあった事はありません。
こちら側から危ないなと思えば逆から行ったり、笹が生い茂って視界がない様な所では、特に気を付けながら歩いています。
何時もどうやったら上手い具合に獲れるか考えながら、「襲われても撃てる倒せる」を考え、ヒグマ場合は頭脳戦です。
ヒグマは音にも敏感ですが、臭いにはもっと敏感です。山の中で風が廻っている様な所に人が入ると、その臭いで気付いて逃げられてしまいます。
頭も、耳も、鼻も良く。何かがおかしいと思ったら、立上がり鼻を空に向けて臭いをかいだりしてすぐに逃げてしまいます。「ヒグマ撃ち」は凄く難しいです。
今(2019年)まで仕留めたのは30頭駆除で獲る事はなく、殆どが狩猟なので、それ程多くはありません。昭和時代は害獣駆除として、クマが繁殖する春に「春クマ駆除」と言うのをやっていたんですが、クマの頭数自体も減り、平成の1990年になって廃止になりました。
最近はかなり生息数が増え、家畜を含めた農産物や人的被害があった時には駆除が行われています。
愛用のライフル銃はボルトアクションのサコーM85フィンライト、30-06口径のフィンランドの銃です。自動式を使っていた事もありましたが、ボルト式に換えました。
弾自体が結構高いので全部自分で作っています。ヒグマ撃ちの装備に特別な物はありません。
山に入る時はリュックサックに、ロープと大きいビニール袋とペットシートの60㎝×90㎝を10枚位持って歩いています。鹿を獲った後、解体して肉にして持って帰る時にこれに包むのです。
クマの肉の味は何と表現すればいいんでしょうかね……熊の味がします。
いわゆる市販の牛や豚肉とは全く味が違います。やっぱりちょっと獣の香りはします。
肉は赤身なんですが、秋口になると脂が載って来て中々旨いです。臭いんじゃないかと思われがちですけれど、上手に解体すれば臭みはありません。解体が下手な人がやると、クマの体の外側の体臭が肉に付いてしまい、血抜き不十分であれば臭みが出てしまいます。
肉はちょっと硬目です。特に大きいクマだと筋肉質で、そのまま焼いて食べる事はしません。圧力鍋で煮て一度柔らかくして、それからすき焼きみたいにして食べます。
ヒグマを見付けた時は「止まれ!」って思います。止まらなかったら走っていても撃ちますが、殆ど止まってくれるので、照準を予め合わせておき、こっちを見た瞬間に撃ちます。
鹿もそうですが、熊も殆ど頭しか撃ちません。頭が見える所で止まった瞬間に撃つ。
頭しか撃たないのは1発で殺さないと暴れるからです。近い時は10m位で撃つ事もあります。
そうすると殆ど一発で倒れます。
今年獲ったのは30m位の距離の1頭と、20m位の距離の1頭です。
クマは動きが速いので、その距離で撃ち損じたら大変です。
熊は主食ではありませんが、エゾ鹿を追掛け捕まえて食べています。速くないと捕まえる事が出来ず、熊は鹿より速いのです。僕の様な猟師はやたらに撃ちません。
自分が獲るのは自分達が食べる分だけ。1~2頭獲ったら、それ以上は何頭いても撃ちません。それ以上獲っても処理が大変なだけです。
世の中には動物を保護する視点しか持たない人も多くいます。
街中に出て来たり、農作物を食べてしまうクマの駆除に付いても、「かわいそう」と言う人もいる様ですが、北海道札幌市の住宅街にヒグマが出没し、住民を恐怖に陥れました。
もし自分の家の近くにクマが出て来たら……と想像して欲しいと思います。
真昼間に家の前までクマが来るのです。「黙ってじっとしていたら襲っては来ない」と思ってるかも知れませんけれど、そんな事は有り得ません。
これまで仕留めたクマで一番大きいのは400㎏超えです。大きさで言えば、軽自動車位です。凄く大きいです。
冬で穴に入っていたんですが、穴の近くにおり、もう1人頼んで出て来るのをしばらく待って出て来た所を2人で頭をドンと撃って、それで終わりです。
獲ったクマは翌朝3人で行って解体して、雪の上を引っ張るプラスチックのソリ、3台に乗せて持って帰りました。一日掛かりで戻ったら夕方の6時、真っ暗になっていました。
北海道でも今は冬眠しないヒグマも増えました。ハンターが減りエゾ鹿が凄く増えているから、それを餌にするクマも増えているのだと思います。
1年中食べ物に困らないので山奥にいるクマは大きくなるし、増えてしまうんです。
エゾ鹿ボウハンティングの可能性。その3:ボウハンティングは高効率。
エゾ鹿のボウハンティング。その2:アメリカの現状と射程距離の変化。
エゾ鹿ボウハンティングの可能性。その1:ハーフライフル。
皆さんに伝えたい事。その14と15:ライフルと散弾の特殊効果。
皆さんに伝えたい事。その12と13:エゾ鹿の習性、ナンバーランキングのオス。
皆さんに伝えたい事。その11,難しいエゾ鹿猟。
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