2025年02月27日
エゾ鹿のボウハンティング。その2:アメリカの現状と射程距離の変化。
2.日本とアメリカの比較。
アメリカは従来鹿に依る農林業への被害は少なかったのですが、昨今はハンターの減少もあり、鹿が増殖し過ぎ、狩猟期間等が延長される傾向となって来ました。
アメリカにもボウやショットガンオンリーと言う、狩猟制度があります。
半矢が多いバックショットは禁止、サボットスラグはフルライフル銃身です。
日本に輸入するとそれではライフル銃になってしまい、ライフル長を50%未満に加工しています。
ライフル銃をノーライフルに加工しただけの、非ライフル銃も極初期には存在しましたが、ライフル弾の撃てる銃はライフル銃と言う項目が追加され、該当銃は410番散弾銃に強制加工されました。
また1時期は44マグナム弾を2倍に伸ばした444マーリンライフル弾のライフル銃をハーフライフルに加工した銃が、北海道を中心に流行しましたが、これも同様のノーライフルに加工されました。
444マーリンのハーフライフルも同じ扱いとなりましたが、強制ではなく、そのまま運用も可能で、名義変更不可と言われていましたが、それもなし崩され1時期プレミアムとなりましたが、リロード資材の入手困難から意味のない銃になりつつあります。ノーライフルとなった410番は実用性ゼロでした。
アメリカの総人口は3.3億人、ハンター数は1300万人、捕獲された鹿は600万頭、ハンター1人当たりで0.46頭/年。対する日本は総人口1.2億人、ハンター数15万人、人口比で見るとアメリカの3%程度しかハンターはいませんが、捕獲された鹿の数は15万頭、ハンター1人当たりで概ね1頭/年です。
日本はアメリカより2倍以上の鹿捕獲がある事になります。
北海道だけで見ますと、人口500万人、ハンター数北海道7000人+外来1000人=8000人、狩猟で捕獲されるエゾ鹿は8万頭/年、ハンター1人当たり10頭となりました。
本州から行けば10頭獲れる訳ではありませんが、日本の5倍、アメリカの22倍になり、鹿猟の捕獲可能性が桁違いに高い事が判ります。
アメリカのボウ愛好者は全米ボウ愛好協会によりますと、会員2200万人、ボウハンティングをする率は55%だそうです。
ボウ会員外ハンターもたくさんおり、ハンター数も捕獲数等も不明ですが、言える事は銃に依るハンティングより、出会い率も捕獲率も圧倒的に高く、高人気なのだそうです。
3.野生動物の射程距離変化。
ならば北海道のエゾ鹿猟に於けるボウハンティングは可能か? 銃猟可能地域では難しいと言えますが、銃猟禁止区域や保護区であれば、可能性は十分と思われます。
エゾ鹿の被害は留まる所を知らずに増え続けており、昨今は年に14~15万頭程が捕獲されますが、法律による銃の発砲制限から、法を大幅に改善しない限り、大幅に捕獲を増す事は難しい現状にあります。
3-1.撃たれればドンドン遠くなる射程距離。
どの動物でもそうですが、1度撃たれればその距離にはいなくなり、当分同じ手は喰いません。
ノーライフル銃身から丸弾を撃っていた1990年以前は、命中しない30m以遠を誰も撃たず、エゾ鹿は50mから居ました。
やがてライフル銃の普及で100m弱まで撃つ人が増え、昨今ではエゾ鹿は150m前後に居ます。その理由は150m実戦能力を持つハンターが少ないからです。
アフリカ猟で最も高人気なクドウの場合ですと、5才未満は保護ですが、5才でデビューとなり、50~100mの勝負を受けます。
これが命中すればそれで終わりとなりますが、生き残れば次からは150m以遠に生息します。一般ハンターの射撃能力は100m程度までですから、150m以遠は撃つ人は多少は少なくなりますが、しかし150mはまだまだ撃ち頃の距離ですから、撃つ人もかなりいます。
これを生き延びれば、次は250m前後にいる様になります。250mを撃つ人が激減、獲物は大きく育ちますが、大物になれば少数派の大物狙いハンターが未回収リスク覚悟でこれに挑戦します。生き延びれば次は350mクラスに生息する様になります。
300m超えは一般のライフル銃限界を超え、これを撃つハンターは超激減します。
するとクドウは更に大きく限界付近まで成長し、やがて寿命で自然死します。
ケンさんがナミビアで「380mの待ってたホイ」射撃で捕獲したナミビアの歴代25位のクドウもそんな年齢でした。

3‐2.撃たなければドンドン近くなる射程距離。
上記は撃てば、射程が伸びる事例ですが、その反対側もあり得る訳で、誰も撃たなければ、公園の鹿並に30m前後まで逃げなくなります。
撃たれたと言う認識が少ないボウハンティングであれば、撃たれた群れでも1週間もすればまた戻って来ます。
エゾ鹿の場合は概ね6日サイクルの季節的移動をしますから、1週間でもっと確実に新しい群れに更新され、より対処し易くなります。
エゾ鹿は概ね6日サイクルの悪天候明けに山から降りて来ます。
その初日に出る様な場所はある程度特定出来ます。
以後も少しずつ移動しながら、下って行きます。
そんな状態ですから、その様な場所で銃を使うハンターが来ない所であれば、ボウハンティングが可能と言えます。
1週間後にはまた新しい鹿が来てくれますから、そんな待ち屋を7個ほど用意しておけば、常時ボウハンターを受け入れる事が可能となります。
そしてこの手法は駆除に於いても有効と言えます。従来は保護区や銃禁地区に入られれば特別駆除以外はどうしようもなかったのですが、そのエリア内でもボウハンティングであれば、有効射程が30mと著しく短い事、音が殆どしない事、それらの理由から駆除は実行可能です。
そう言う様な構造ですから、銃で追われ続け利口になった鹿に出会うには特別なセンスが必要で、10人に1人もいませんが、ボウハンティングガイドは鹿に出会う為の特別なセンスを必要としません。
北海道には保護区がたくさんあります。それなりの設定理由はあり、それはそれで良いと思いますが、しかしそこがしばしばエゾ鹿の生息地にもなっています。
また市街地に近い所を初めとする銃猟禁止地域もたくさんあり、そこもエゾ鹿のサンクチュアリになってしまいます。鹿の被害を少しでも減らすと言う時に、その様な場所がある事が不思議です。
アメリカは従来鹿に依る農林業への被害は少なかったのですが、昨今はハンターの減少もあり、鹿が増殖し過ぎ、狩猟期間等が延長される傾向となって来ました。
アメリカにもボウやショットガンオンリーと言う、狩猟制度があります。
半矢が多いバックショットは禁止、サボットスラグはフルライフル銃身です。
日本に輸入するとそれではライフル銃になってしまい、ライフル長を50%未満に加工しています。
ライフル銃をノーライフルに加工しただけの、非ライフル銃も極初期には存在しましたが、ライフル弾の撃てる銃はライフル銃と言う項目が追加され、該当銃は410番散弾銃に強制加工されました。
また1時期は44マグナム弾を2倍に伸ばした444マーリンライフル弾のライフル銃をハーフライフルに加工した銃が、北海道を中心に流行しましたが、これも同様のノーライフルに加工されました。
444マーリンのハーフライフルも同じ扱いとなりましたが、強制ではなく、そのまま運用も可能で、名義変更不可と言われていましたが、それもなし崩され1時期プレミアムとなりましたが、リロード資材の入手困難から意味のない銃になりつつあります。ノーライフルとなった410番は実用性ゼロでした。
アメリカの総人口は3.3億人、ハンター数は1300万人、捕獲された鹿は600万頭、ハンター1人当たりで0.46頭/年。対する日本は総人口1.2億人、ハンター数15万人、人口比で見るとアメリカの3%程度しかハンターはいませんが、捕獲された鹿の数は15万頭、ハンター1人当たりで概ね1頭/年です。
日本はアメリカより2倍以上の鹿捕獲がある事になります。
北海道だけで見ますと、人口500万人、ハンター数北海道7000人+外来1000人=8000人、狩猟で捕獲されるエゾ鹿は8万頭/年、ハンター1人当たり10頭となりました。
本州から行けば10頭獲れる訳ではありませんが、日本の5倍、アメリカの22倍になり、鹿猟の捕獲可能性が桁違いに高い事が判ります。
アメリカのボウ愛好者は全米ボウ愛好協会によりますと、会員2200万人、ボウハンティングをする率は55%だそうです。
ボウ会員外ハンターもたくさんおり、ハンター数も捕獲数等も不明ですが、言える事は銃に依るハンティングより、出会い率も捕獲率も圧倒的に高く、高人気なのだそうです。
3.野生動物の射程距離変化。
ならば北海道のエゾ鹿猟に於けるボウハンティングは可能か? 銃猟可能地域では難しいと言えますが、銃猟禁止区域や保護区であれば、可能性は十分と思われます。
エゾ鹿の被害は留まる所を知らずに増え続けており、昨今は年に14~15万頭程が捕獲されますが、法律による銃の発砲制限から、法を大幅に改善しない限り、大幅に捕獲を増す事は難しい現状にあります。
3-1.撃たれればドンドン遠くなる射程距離。
どの動物でもそうですが、1度撃たれればその距離にはいなくなり、当分同じ手は喰いません。
ノーライフル銃身から丸弾を撃っていた1990年以前は、命中しない30m以遠を誰も撃たず、エゾ鹿は50mから居ました。
やがてライフル銃の普及で100m弱まで撃つ人が増え、昨今ではエゾ鹿は150m前後に居ます。その理由は150m実戦能力を持つハンターが少ないからです。
アフリカ猟で最も高人気なクドウの場合ですと、5才未満は保護ですが、5才でデビューとなり、50~100mの勝負を受けます。
これが命中すればそれで終わりとなりますが、生き残れば次からは150m以遠に生息します。一般ハンターの射撃能力は100m程度までですから、150m以遠は撃つ人は多少は少なくなりますが、しかし150mはまだまだ撃ち頃の距離ですから、撃つ人もかなりいます。
これを生き延びれば、次は250m前後にいる様になります。250mを撃つ人が激減、獲物は大きく育ちますが、大物になれば少数派の大物狙いハンターが未回収リスク覚悟でこれに挑戦します。生き延びれば次は350mクラスに生息する様になります。
300m超えは一般のライフル銃限界を超え、これを撃つハンターは超激減します。
するとクドウは更に大きく限界付近まで成長し、やがて寿命で自然死します。
ケンさんがナミビアで「380mの待ってたホイ」射撃で捕獲したナミビアの歴代25位のクドウもそんな年齢でした。

3‐2.撃たなければドンドン近くなる射程距離。
上記は撃てば、射程が伸びる事例ですが、その反対側もあり得る訳で、誰も撃たなければ、公園の鹿並に30m前後まで逃げなくなります。
撃たれたと言う認識が少ないボウハンティングであれば、撃たれた群れでも1週間もすればまた戻って来ます。
エゾ鹿の場合は概ね6日サイクルの季節的移動をしますから、1週間でもっと確実に新しい群れに更新され、より対処し易くなります。
エゾ鹿は概ね6日サイクルの悪天候明けに山から降りて来ます。
その初日に出る様な場所はある程度特定出来ます。
以後も少しずつ移動しながら、下って行きます。
そんな状態ですから、その様な場所で銃を使うハンターが来ない所であれば、ボウハンティングが可能と言えます。
1週間後にはまた新しい鹿が来てくれますから、そんな待ち屋を7個ほど用意しておけば、常時ボウハンターを受け入れる事が可能となります。
そしてこの手法は駆除に於いても有効と言えます。従来は保護区や銃禁地区に入られれば特別駆除以外はどうしようもなかったのですが、そのエリア内でもボウハンティングであれば、有効射程が30mと著しく短い事、音が殆どしない事、それらの理由から駆除は実行可能です。
そう言う様な構造ですから、銃で追われ続け利口になった鹿に出会うには特別なセンスが必要で、10人に1人もいませんが、ボウハンティングガイドは鹿に出会う為の特別なセンスを必要としません。
北海道には保護区がたくさんあります。それなりの設定理由はあり、それはそれで良いと思いますが、しかしそこがしばしばエゾ鹿の生息地にもなっています。
また市街地に近い所を初めとする銃猟禁止地域もたくさんあり、そこもエゾ鹿のサンクチュアリになってしまいます。鹿の被害を少しでも減らすと言う時に、その様な場所がある事が不思議です。
沖縄の鹿。
エゾ鹿ボウハンティングの可能性。その3:ボウハンティングは高効率。
エゾ鹿ボウハンティングの可能性。その1:ハーフライフル。
皆さんに伝えたい事。その14と15:ライフルと散弾の特殊効果。
皆さんに伝えたい事。その12と13:エゾ鹿の習性、ナンバーランキングのオス。
皆さんに伝えたい事。その11,難しいエゾ鹿猟。
エゾ鹿ボウハンティングの可能性。その3:ボウハンティングは高効率。
エゾ鹿ボウハンティングの可能性。その1:ハーフライフル。
皆さんに伝えたい事。その14と15:ライフルと散弾の特殊効果。
皆さんに伝えたい事。その12と13:エゾ鹿の習性、ナンバーランキングのオス。
皆さんに伝えたい事。その11,難しいエゾ鹿猟。
Posted by little-ken
at 15:08
│ハンティング