2019年01月02日

究極のライフル銃を求めて。

連射ロマン遠射ロマン : この2つには誰もが憧れます。
1発で倒し切れなかった大物を連射でカバーする、或いは複数を同時に捕獲する、一方で遥か彼方の獲物を確実に倒したい、筆者もその両方が出来る究極の銃を求めて、オートとボルトの間を2往復しました。

特にH&Kオート時にはボルト銃並に良く当たると言う謳い文句に嘘はなく、精度的には150mで12mmを達成し、究極の銃はH&Kかと思いました。
ランニング射撃も実用化出来ましたが、射撃の安定性や安全性はボルトに大きく及ばず、300m遠射は未達成、最終的にサコー75バーミンター改に落ち着きました。

ボルトにすればランニング射撃性能はオートに大きく及ばない事を覚悟していましたが、本当に意外な事にボルトの方が圧倒的に優れていました。H&K時代に概ねランニング射撃を究めたつもりでしたが、その時の実用射程は100m程度、命中率は5発強で1頭捕獲でした。
これがサコーボルトに替えたその初年度中に、射程距離は2倍の200mを楽勝で達成、しかも距離が2倍になったにも拘らず、命中率は約2倍の2.7発で1頭に向上したのですから本当に驚きました。

驚きはこれに留まらず、間もなく念願だった5発5中も難なく達成、そしてこの時にオート時代より連射が速い事に気が付きました。筆者は発射と同時に銃を肩から降ろし、装填しながらの再スナップスイング射撃です。この連射のお蔭で以後の筆者は撃漏らしが殆んど無くなりました。
数年後、全依託で540m射撃が2発連続で決まり、更に少し後に半依託でも380mを達成出来ました。こうして連射も遠射も出来る と言う、長い間求めて来た 究極の銃 に、筆者は辿り着きました。



以下は筆者の愛銃の履歴です。参考にして無駄な出費を抑えて下さい。

1990~1993年
究極のライフル銃を求めて。
レミントン742、ガスオペレートセミオート5連銃、口径30-06、着脱式4発マガジン。
多くのハンターが連射ロマンに憧れ本銃を購入、1時期のベストセラー銃でしたが、命中率&回転性能共々お世辞にも良い銃でとは言えない銃でした。
またオープンサイトの銃は使い物にならない事も改めてよく分りました。
本銃は本州鹿第1号捕獲以前に購入した未熟な失敗策でした。捕獲も僅か3頭に留まります。

1993~1998年
究極のライフル銃を求めて。
ルガー77、ボルトアクションスコープ専用銃、口径308、固定マガジン5発。
当時デビューしたばかりのスコープ専用銃のステンレスモデルで、軽量タイプを選択しましたが、これは完全に間違いであり、軽量が故に命中精度が低く実用射程は150mでした。本銃では約15頭を捕獲しました。操作性も3ポジションのボルトハンドルとセーフティーは非常に良好、1050頭中の最大角長88cmの捕獲、初の300m遠射の成功等々、筆者にライフル銃とは何かを教えてくれました。
またストックをスコープ専用とすればスナップショットが十分に可能である処か、得意側に出来る事が分かりました。この時に重銃身モデルをもし選択しておれば、再びオートに迷う事は無かったのかも知れません。

1998~2006年
究極のライフル銃を求めて。
H&K SL7、口径308、着脱5発マガジン、セミオート銃。
ライフリングはポリゴナルライフル、ローラーロッキングボルトのディレードブローバックと言う斬新な機構の銃であり、本当にボルト銃並に当たり、150mで5発のテーブル撃ちが12mm、究極の銃の様に思えました。

実戦90日と3000発を要し、走る鹿用のスイング射法を確立、実用射程Max.100m、命中率5発強で1頭、本銃により約350頭を捕獲、内100頭以上が走る鹿でした。ランニング射撃を究めたかに見えましたが、実はそうではなく、且つ300mは決まらず、究極の銃は本銃ではありませんでした。

2005年
究極のライフル銃を求めて。
レミントン700、口径308、固定マガジン5発。
H&Kオートの限界を感じ、再びボルトを検討しようと本銃を1年のみ試験運用しました。
本銃による捕獲は50頭程度、結果は良好であり、ボルト銃の安定性能を再認識し、十分なメリットがある事は分りました。しかし、レミントン700は装填時にジャムを起こし易いと言う、欠陥がある事が分かり、実際に購入したのは次項のサコー75となりました。

2006~2018年
究極のライフル銃を求めて。
サコー75 バーミンター改、口径308、着脱マガジン5発。
グルーピングは150mで18mmと12mmだったH&Kに僅かに及びませんが、射撃安定性も操作性も 抜群でした。3ポジションのボルトやボルトオプナーを装備した安全装置等々安全性もバッチリでした。

本銃は銃身5cm、ストック2cmをカットし、ストックを再成型&軽量化し重量バランスを整えました。
永年憧れていた300mの遠射も導入したその年に複数達成出来て驚きました。その他にもランニング射撃 5発5中等々、永年のテーマ(後述参照)は本銃によって全てが一気に達成され、本銃による捕獲は合計で 約750頭、内300頭以上が走る鹿でした。 
永年求めていた究極の銃 は本銃だったのです。


本銃によって達成された記録 : 肩に着く前に撃つスナップショット、150mアバウト照準早撃ち、 市販安売り弾によりグルーピング半委託150mで5発が18mm、エゾ鹿1000頭達成、走る鹿の5発5中の  達成、ヒグマ6戦6勝、半依託遠射記録380m、全依託遠射記録540m、射撃距離は15~540mでした。

最大角長137cmのクドウ、最大重量940kgのエランド、最多捕獲は朝夕5頭ずつ5日連続の合計50頭でした。筆者はずっと射撃と狩猟を究める事を目指して来ましたが、2016年にはこれ以上を望めない事をハッキリ悟り、ライフル銃を2018年に卒業しました。
本銃はエアーソフトガンのアクションを組み込み、現在は不動のディスプレーモデルとなっています。


付け加えますと、セミオートのメリットは1つもありませんでした。
筆者はH&Kオートを概ね使いこなせる様になったと言えますが、すぐその後で使ったサコー75改に比べますと、全ての項目で一つも勝てませんでした。
最も得意とする筈の連射でも命中率、射程距離、連射速度の全てに於いても勝てなかったのです。

また最もダメだった銃はオープンサイトのオートでした。
視野は広くても照準器に指向性が無い為、素早く銃を目標に向ける事はスコープより遥かに難度が高かったのです。対極のスコープ銃は視野が狭く移動目標や森の中の目標を捉え難いと考えられていましたが、ストックのチューニングとスナップショットの特訓をすれば、移動目標はむしろ得意側になれる事を立証出来ました。

また筆者の口径は当初から308と決めており、マグナムとの比較は検討しませんでした。
それは予想通りを超える酷い物でした。初期のスクールの生徒はマグナム愛用者が多かったのですが、マグナムが故に有利に働いた事は唯の1度も見た事がありません。
良く当たるのか? 遠射が効くのか? 倒れ易いのか? 応えは全てにノーでした。

銃は重く長く使い辛い、弾も高く、当て難い、そして当たっても誤差範囲の効果しか得られない、これがマグナムでした。勿論30-06如きで308より優位になれる項目がある筈もありません。以前はマグナムを使っている=本格派と見られていましたが、今はマグナムを見ると解かっていない人に見られると思います。





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Posted by little-ken  at 21:23 │銃と弾