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2012年07月07日

ライフル銃の口径。

日本で所持出来るのは口径6.0~10.5mmまでです。狩猟用は7~8mmがメインです。
マグナムかStd口径かどちらが良いは一概に言えませんが、私はStd口径の代表である308ウィンチェスターを使っています。(銃はサコー75バーミンター改です。)

この銃(サコー75バーミンター改308)で倒したエゾ鹿(Max150kg)は軽く500頭以上、エゾ鹿以上の大物としては北海道のヒグマ3頭(推定150~250kg)、クドゥ(380kg)、オリックス(推定240kg)、赤鹿(220kg)、エルク(320kg)、デカ黒猪(230kg)、各1頭の経験があります。


結果として次の様になりました。
ライフル銃の口径。
ヒグマ:(推定250kg前後):50m先を走行中、2発目で倒れましたが心臓に命中した最初の弾で十分倒れたと思います。他のやや小さ目に共に50mから1発で即死でした。

ライフル銃の口径。
クドゥ:(380kg):300m遠射1発、ショルダーに命中、50mで倒れていました。

ライフル銃の口径。
オリックス:(推定240kg):100mでショルダー2発命中、50mで倒れていました。

ライフル銃の口径。
赤鹿 :(220kg):300m遠射、胴体前部に2発命中、100m歩かれ倒れそうな所を100mから3発目で止めました。

ライフル銃の口径。
エルク:(320kg):50mからスナップショット、ショルダー命中、即死でした。

ライフル銃の口径。
デカ黒猪:(230kg):150mからショルダーに命中、即死でした。

結果としてクドゥ(380kg)とオリックス(推定240kg)と赤鹿(220kg)に多少の不満が残ります。又エゾ鹿の大物にも命中個所は不明ですが時々は逃げられています。

クドゥとオリックスは共にかなり良い場所に命中していましたからマグナム弾がもし同じ場所にヒットしたらと言う前提ではその場で倒れるか、或いはもう少し短い距離で倒れたかも知れません。しかし北海道のエゾ鹿の70cm級に対して300ウィンチェスターマグナムで胴体に命中しながらも未回収になったかなり多数を実際に見ております。

こうして見ると308で少なくとも400kg位まではかなり通用するのではと言うのが筆者の考えです。



  マグナム口径とStd口径の獲物を倒す総合性能は同等。
ハンティングスクールを通してエゾ鹿の実戦を多数見てのお話ですが、現象を全て解析している訳ではありませんからあくまで個人的なフィーリングです。
マグナムとStd口径の被弾状況は解体して見ると血糊の範囲はStd口径が直径25cm程度、これに対してマグナムは直径50cm程度と2倍近く広範囲になります。これは被弾ショックがその範囲まで及んでいる事を示します。

だから被弾ショックの血糊の範囲に急所があれば倒れるのかと言うとそうではない様です。
目視レベルの被弾が急所から多少ずれた場合に付きましては結果としてどちらの弾で撃ってもあまり変わらないとしか言えません。
急所の場所によって多少違いますが、一口に言って直径10cmに命中するとStd口径でもクリーンキルとなり、もう一方で直径30cmに命中しなければ未回収になります。

これがマグナムになると希望的に見て直径で数cm程度のクリーンキルゾーンが増えるかなと感じています。そしていずれ倒れる範囲である直径30cmに命中した時はほんの少しですが倒れるまでの距離が短いかなと言う気がします。

一方で悲観的に見るとクリーンキル範囲の直径10cmもいずれ倒れる直径30cmの場合も含めて両者の弾の威力は実戦では誤差範囲の様な気もします。

  遠射性能も結局は同等。
100~200mの実用距離でマグナム口径はStd口径に比べて一般的に数cm命中率が低下しますから希望的に見て倒れる確率はチャラかなと言う気がします。
遠射実用距離もStdの300mに対してせいぜい350mと言った所でしょう。
命中率に付きましては先にも申しました様にStd口径に分がありますから遠射性能もチャラになるかと言う感じです。

象とか犀にまでこの考えが及ぶかどうかは分かりませんが、象撃ちの伝説の名人の1人の愛銃は30-06だったと言う記録がありますから象に対しても満更でもなさそうです。
また国立公園のレンジャーが持っているのはG3やFALですが308のFMJでガンガン撃って象の駆除をしています。大物象とて良い所(体の大きさからすればかなり小さなスペースと思われますが)に正しくヒットすれば1発でひっくり返ると言う気がします。

  射撃時に不安要素があると命中率は低下。
多くの方がエゾ鹿猟にはマグナムを使い、エゾ鹿に308はパワー不足と言いますが、私は自分自身の実績等からそうは思いません。しかし一方で射撃にはかなりデリケートな部分がありますのでほんの僅かでも不安要素があると途端に命中率が激減してしまいます。
その為には俺の鉄砲+腕は十分当たる、そして当たれば絶対に倒れると言った信念的な心を持っていなければなりません。

私が思うにはヒットした場合に僅かですがマグナムにも利点があり、一方でやや当て難いと言う欠点があり、パンチと言う長所を命中率低下が抹殺していると思います。
従って銃と弾を良く探求し命中率の不利を克服したならば強力パンチと言うメリットだけが残ります。

また失中と言うのは僅かな精度上の至らなさ、技量不足による着弾の僅かなずれ、弾薬のパワー不足等々が主原因になる事は非常に稀です。
失中とは主に精神的に何か大きな手順のミス等々があってカスリもしない事の方が遥かに多いのが現実です。そう言う事であればお守り的に俺のマグナム弾は当たれば必ずコケルと信じるならばこれは失中を防止出来る側の要素に成り得ると思います。

また撃たなければ捕獲はありませんが撃てば確率はそれほど高くはありませんがラッキーショットと言うのもあり得ます。その時に少しでも倒れる確率があるいは速く倒れる様にとマグナムと言うのも良いのかも知れません。




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Posted by little-ken  at 17:34 │銃と弾