2024年04月22日

50年間で分かった事、その1。

ライフリングの発明は射程が数倍になりました。ライフルスコープも取付高を利用し微少上向き発射のお陰で、射程が2倍になり、2つの組合せはライフルの長射程の実用性を著しく向上させましたが、 スコープは「視野が狭くスナップショットは不得意」でした。所がスコープ専用銃のアイデアと銃を指向、肩に着く前に撃つと言う新射撃方法の組合せにより、「不得意項目は得意項目」に換わりました。

更にこの流れの延長は遠くを走る鹿さえもイージーターゲットとなり、これも「得意項目に換えました。」それらは過去の大発明に匹敵する素晴らしい発明と言えました。一方従来からその方面の常識と  されていたライフル銃のバイブルがありました。「パワーと精度は狩猟成果に正比例、高額で強力な銃程、よく当たり、良く倒れる」と言う物でした。実際は以降の説明の様に「真っ赤な嘘」でした。

  ライフル銃のバイブルは嘘だった
銃身は真直ぐですが、ストックは肩に着ける為に下方に曲がっています。銃には反動があり、過渡的には反動で銃身が下に曲がり、それを戻そうとする為に銃身が振動を起こします。

振動は基本的に正弦波ですから、上下には安定期があり、この安定時期に弾が出れば、安定飛行すると言うのがライフル銃のバイブル的な考えでした。これ自体は間違ってはいないだろうと思います。

その為には2つの方法がありました。1つ目は火薬の量を微調整して弾速を変え、銃身の振動安定期に弾を通過させると言う物であり、これが王道とされていました。
50年間で分かった事、その1。
自分の銃に合う弾を作る為に、火薬量を微調整した弾を多数作り、試射を繰り返し、モアパワーとモア精度を兼ねたベストポイントを求めると言う物でした。
50年間で分かった事、その1。
 ベンチレスト射撃大会と言う物もあり、ベスト記録は100mで5発が1.08㎜であり、300mで9.82㎜射撃結果は、当然ワンホールの素晴らしい射撃となりました。

またパワー面では最大Stdカートリッジの20%増しに迫り、こう言うベストな弾を持ってエゾ鹿猟に行き、エゾ鹿の超大物を倒す事が彼らの目標と言えました。  

2つ目は弾薬側の条件を固定しておき、銃身先端に反動軽減を兼ねたマズルブレーキを装着、その取付位置を微調整する事で、銃身振動定数を調整し、その安定期に弾を通過させると言う考え方でした。
50年間で分かった事、その1。50年間で分かった事、その1。
ブローニング系とウインチェスター系の銃に1時期Bossシステムとして設定がありました。
理論は間違っていないとは言え、効果が無かった為か、比較的短期に立消えとなりました。

王道と言われた1つ目の火薬微調整手法も、同様に効果はかなり疑問でした。

ケンさんも試しにやって見ましたが、実験計測のプロであるケンさんがやっても安売り市販弾超えの精度の物が作れず、以後は市販弾をそのまま使いました。この時「ライフル銃のバイブル」に1回目の疑問を持ちました。

バイブルでは「市販銃と市販弾薬ではワンホール射撃は出せる可能性が無い」と言われておりました。確かのベンチレスト競技では凄いと言える結果が出ていますが、それはベンチレスト競技に特化した重装備の専用銃から出た結果でした。その特別な装備とは次の様な物でした。
50年間で分かった事、その1。ストールパンダ6㎜PPC

   1.ベンチレスト専用銃+超極太銃身。 
   2.特別製の軽いトリガー。
   3.高倍率50~80倍のスコープ。 
   4.銃の前後ともレストに載せた全依託射撃。

   等々の実戦狩猟には決して使えない装備の数々でした。

ケンさんは1997年から根室でエゾ鹿猟をする様になりましたが、走る鹿が多く、これに命中させてやろうと思いました。弾の飛行精度は静止目標に向け発射した時と変わりない筈です。

照準合わせには至難が伴うであろうが、少なくとも比較的近くの50m、100m位までなら、何か手法があるだろうと思い、取り敢えず下記の手法に辿り着きました。
50年間で分かった事、その1。
それでH&K SL7と言う高精度が謳い文句の自動銃を1998年に購入しました。そして3シーズンに 2000~3000発を走る鹿に向け発射、実用距離50mながら、5発強で1頭捕獲の「スイングショット」の入口に到達しました。当時はそれで「ランニングショット」を克服したつもりになっていました。

「高精度ワンホール射撃」も「ランニング射撃」も「遠射」も全て反動を恐れる「フリンチングが大きく絡んでいる」事にはすでに気が付いていました。

そんな時、交通事故に巻込れ、2年間弱実射が出来ませんでした。
そして1年強は弾を入れないドライファイアを繰り返しました。
50年間で分かった事、その1。50年間で分かった事、その1。
その結果、射撃には反動を伴わないと体を騙す事が出来、2002年射撃再開したその日に、150mテーブル撃ち5発が精度だけで言えば5発で9㎜が出ました。
的の中心寄りでも12㎜と言うワンホール射撃が達成されてしまいました。

銃はH&Kオート、もちろん市販ドノーマル銃、スコープは最も安売りのタスコ固定4倍、弾薬は比較的高精度の安売り市販弾と言われたラプア狩猟弾、射法は普通のテーブル撃ちでした。市販銃と市販弾でワンホール射撃が達成されたのは事実でした。

上位ベンチレストには至りませんが、「ライフル銃のバイブル」に2回目の疑問を持ちました。
50年間で分かった事、その1。
その後300m遠射を達成する為に銃をサコー75改に換えました。
50年間で分かった事、その1。50年間で分かった事、その1。50年間で分かった事、その1。
150m射撃は弾を安売り弾にグレードを下げた為、5発1ホールは出せず、ベスト18㎜のワンホール崩れでしたが、この時も3発なら10.0㎜、以後も3発なら13㎜・11㎜ワンホール直前が出ました。

この時「ライフル銃のバイブル」に3回目の疑問を持ちました。3回続くと言う事は最早動かし難い新しい事実が立証されたと言えました。

ライフル銃のバイブルは全て嘘だった」だから「安売り弾の精度を超える弾を作れなかった」のであり、市販銃と市販弾で「ワンホール級射撃が可能」だったのです。

ランフル銃の最も中心的な考えが嘘だったのですから、以後も続々その立証が続きます。





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Posted by little-ken  at 17:19 │ハンティング銃と弾射撃