2022年09月01日
高精度銃。
高精度銃はハンターの永遠の憧れです。
かつては1項の手法が正道と言われて来ました。
1.精密リロード弾。
銃を撃つと反動があり、反動の始まりは、弾が動き始めた時からとなります。反動は銃身を真直ぐ後ろに押しますが、かなり下方に位置するストックで支える為、その結果として銃は跳ね上ろうとします。銃身先端部は取残され、過渡的に曲がり、その後それを戻そうとして振動します。
振動は基本的に正弦波ですから、上下の両端には比較的長目の安定時間があり、この間に弾が銃口を出れば、安定飛行します。
それで火薬の量を微調整して、弾速を微妙に変え、安定時間に銃口から弾が出る様にする、これが精密リロードの考え方になります。この考え方は正解です。しかし火薬の種類や弾頭の種類を固定しても、膨大なテスト期間が必要になります。
火薬と言うのは下記の様に不思議な特製ですが、その条件下で弾頭の動き始めを一定に揃える事が秘訣と言えます。弾頭の動き始めが僅かに遅れますと、火薬は暴走的に燃焼、燃焼圧力が急速に高くなり、高い圧力で加速するので、最終的には弾速は速くなり、その反対に弾頭が早目に動けば低下します。そんな特性を一定にしようとするのですから、弾頭の重さだけではなく、弾頭直径を揃え、薬莢の銘柄を揃え、使用回数を揃えなければ、弾速一定は達成されません。
弾速が変われば、振動安定期に弾を出す事は絶望的になり、サボットスラグ弾のリロードは装弾の全長を揃えながら、口巻硬さを揃える事がプラ薬莢が故に非常に難しいのです。装弾メーカーの日邦工業を見学した事がありましたが、装弾の弾速は最終的に口巻硬さで調整しておりました。
精密リロードは精密射撃のStd的な考えとなり良く普及しましたが、これで本当に効果が出せた人は甚だ僅かだったと思います。確かに世界記録は驚異的結果が出ていますが、ベンチレスト射撃協会HPではバーミンター100mは平均7㎜程度で優勝です。
ケンさんの150m市販弾ベスト記録は8㎜、100m補正値は5.3㎜です。
一方ベンチレストシューターは6.5㎜PPC口径、ストールパンダ銃、40倍スコープ、ベンチレスト射撃、超精密ハンドロード、そこまで超拘っても、類似以下と言える結果しか得られないのです。理論的には違っていないと言え、精密ハンドロードは精密射撃カスタム業界の陰謀だった様に思えます。
因みにケンさんが行った精密リロードは、激安弾には勝てましたが、安売りの市販弾には勝てずでした。最終的には後述の酷評激安市販弾で実戦大記録を立てられたのですから、ケンさんの説の方が正しいと言えます。
元々実戦に高精度は不要なのですが、有るか無いか分からない程度の命中精度やパワーの差をハンドロードで求め、代償として手作業による不良率が3桁高いリロード弾は、しばしば肝心の時に発砲不能に陥り、実に割に合わない愚かな選択と言えました。
2.銃身の長さを微調整する。

こちらは銃身の先端にネジを切り、マズルブレーキ等を取付け、弾の側は特定の市販弾で一定にしておき、銃身長を微調整して、振動数を変え、振動の安定時期に銃口から弾が出る様にすると言う考えです。
BOSSと言うシステムであり、ブローニング系のライフル(含むオート)に希望装備 或いは標準装備されていました。特注すればどのメーカーのライフルにも付けられます。
ボスシステムは精密ハンドロード同様、原理的には完璧なのですが、殆ど普及せずでした。
ボスはやがて立ち消えました。その理由は大きな効果が出なかった為と言えますが、ボスや精密ハンドロードは、射撃場でも実戦でも、殆ど効果を出せず、似た様な勝負だった様です。
3.市販銃と市販弾でワンホールを達成。
精密ハンドロードに限界を感じたケンさんは1998年頃から市販弾の使用を開始しました。
当初はラプア製の高精度市販弾を使いました。
2000年、ケンさんは北海道にて自元暴走青年にぶつけられ、交通事故で死に損ないましたが、愛銃H&Kも骨折しました。ケンさん復帰は2002年、新しいストックに換えたH&Kの初射撃の日でした。
当初はワンホールだとは気が付かず、2発目以降は弾着不明と思いましたが、標的を回収すると、5発が驚きの8㎜のワンホールでした。
念願だったワンホールはこうして突然に達成されました。
8㎜ワンホールはベンチレストでは有効ですが、中心から8㎝ずれており、これでは実戦で15㎝の急所から外れてしまいます。それで実戦向けワンホールは次の12㎜を公表値としています。


成功の理由は元々H&Kが高精度であった為もありますが、約2年間実射ナシのドライファイアーのお陰で、反動によるフリンチングが完全に抜けた事でした。
これだけの精度があれば、300mでも胴体位にはヒットしても良さそうに思いますが、落差不安が克服されておらず、300mはヒットした試しがありませんでした。

オートを選んだ理由は走るエゾ鹿に命中させる為であり、最終的には5発5中が目標でした。
最初に使ったラプアのメガと言う高精度が評判の狩猟用市販弾は意外と安く120円/発でした。
H&Kオートでワンホールを出せたのは全くの想定外でした。射撃方法は後述サコーも同様ですが、単に無レストのテーブル撃ち、スコープは狩猟仕様3~9ズームの4倍、市販銃に市販弾、従来的に言えば、とてもワンホールが狙える筈のない条件でしたが、ワンホール崩れは複数回に及びました。
後刻に原因を考えれば、元々H&Kが高精度であった為もありますが、約2年間実射ナシのドライファイアーのお陰で、反動によるフリンチングが完全に抜けた事でした。これだけの精度があれば、300mでも胴体位にはヒットしても良さそうに思いますが、落差不安が克服されておらず、300mはヒットした試しがありませんでした。実戦とは僅かな不安があれば、無情にもたったそれだけの理由で完全失中となりました。

それで300m遠射達成の為に銃をサコー75バーミンターに換えました。その頃はユーロ対円が高くなり、ラプアが200円/発になり、練習用FMJ弾をウインチェスター製120円/発換えました。
狩猟時は弾頭を銅弾バーンズトリプルⅩの50円/発に挿げ替え、合計170円/発でした。
H&Kと同等以上のワンホールが出る筈でしたが、弾の精度が劣るのか、ワンホールは1度もなく、ベストは次ページ写真のワンホール崩れの19㎜でした。
サコーでは念願の300m遠射を当然の様に達成、外し様がないと感じる程でした。一方ランニング射撃性能はオートより大幅に劣り、5発5中は 絶対に不可能だろうと思っていたのですが、間もなくすんなり達成、それも5日間に3度も達成してしまい、これには驚きました。
しかもH&K時の射程は僅か50m、1頭捕獲には5発強でした。50mにも拘らず、H&Kでは急所を捉えられず、捕獲は3発被弾のショットガン効果でした。5発中の2発は胴体にヒットせずでした。所がサコーの射程は何と落差無視射撃の限界である200mまで延長され、3~4倍の距離ながら5発5中達成時の50頭捕獲に対し、70%の確率で初弾が急所を捉え、1.4発/頭でしたから驚きの向上でした。

まもなくウインチェスター練習弾は販売店在庫が切れ、やむなく酷評のロシア製の激安弾80円/発を使ってみる事にしました。 この弾を誉める人は誰もいませんでしたが、使ってみると巷の酷評より遥かにマシで、使える弾であると判断しました。

5発ワンホールは出せずでしたが、ベスト記録3発は上写真の11㎜が記録されました。品質は余り揃っているとは言えませんが、悪くても5㎝前後に収まり、10㎝を超える事は皆無でした。
直径5㎝に均一に散らばるとすれば、3発が11㎜で揃う確率は1万発以上に1回ですから、その高精度の実力は一応あったと言う事になります。問題はエゾ鹿実戦時の弾頭重量でした。
ロシア弾には145grのFMJが付いていますが、バーンズ銅弾頭は150grと130grしかありません。
試験運用50発の結果、130grは貫通せず倒れ方が不満、150grは良いのですが、数発に1回ボルトが重くなりました。迷っていると初期型バーンズ弾頭に140grがある事が分かりました。
初期型銅弾は命中率が悪く、貫通するだけで倒れないと、甚だ酷評でした。しかしロシア弾も使い物にならない酷評弾でしたが、実際は使えました。バーンズ初期型も意外と使えるかも知れません。
試験運用50発の結果、精度はロシア弾ノーマルFMJより微少良好、即倒率は概ね100%、ボルトも 重くならず、それで売れ残りの全てを20円/個で買い占めました。弾本体は80円/発ですから合計では100円/発、今までで1番安い弾となりました。結果的に言えば、捕獲記録はエゾ鹿1051頭、ヒグマ6頭ですが、その半分以上を激安悪評コンビ弾で捕獲、貢献度はNO.1でした。
4.やって見て分かった事。
多くのハンターが精度とパワーを上げる為の、精密リロードに費やした涙ぐましい努力は、全てが 陰謀に踊らされた無駄な行為でした。射撃で最も必要なのは、ショットガンもライフルも発射には 反動を伴わないと体を騙す事であり、それにはなるべく実射をしない事でした。
実戦は異常興奮状態で銃を取り扱う事が特徴ですが、必要な事はその特殊な環境には慣れる事が必要でした。実戦に必要な事はどんなに焦っていても、所定の安全確認や銃の操作がきちんと 行える様な特訓を積み上げる事でした。
同様に射手より遥かにデカいエゾ鹿にも、迫力負けする事なく、条件反射的速やかにショルダーの急所を撃ち抜き、且つ倒れたら即座にもう1発を胴体に撃ち込む事でした。
それには発砲準備から始まる、一連の動作をしぶとく練習する事が非常に重要な事になります。
これがスムーズに行かなれば焦りの心が生じ、当たる射撃もかすりもしなくなりました。
また足が地に付かない迫力負けでは、頭の中は真っ白、全ての練習が無駄になってしまい、失中や未回収を繰り返しました。ケンさんもこの迫力負けの乗り越えには1番苦労しましたが、克服後に 振り返れば、308のナミビアポイント撃ちはどんな大物鹿も完璧に即倒が可能であり、つまり精神的に至らなかっただけ、と言う事がハッキリ分かりました。
実戦とはそう言う物でした。僅かな不安や雑念があると、その射撃は命中率の低下ではなく、全くかすりもしなくなってしまうほど酷い物に激変しました。最も典型的な物に残弾の不安がありました。手持ち弾の余裕が少なくなるだけで、途端にかすりもしなくなりました。
そうならない様にするには、そうした雑念や不安を皆無にするイメージトレーニングを積む事でした。
イメージトレーニングは非常に重要ですが、その条件設定には実戦経験を十分積む必要があり、その設定がずれていれば、全く役に立たないのです。まずは暗中模索ながら、なるべく多くの実戦を体験する必要があります。行動を起こさなければ全てが始まらないのです。
一端分かり始めれば、複次連鎖的に色々な物事が分かって来ます。
するとある日、気が付けば、永年の希望が突然に達成されている、世の中そんな物なのですが、 その多くは振り返りますと、僅か1~3年と意外と短期間だった事に気が付きます。
つまりはゴールが余りにも遠くに見え、憧れるだけで恐れてしまい、本格的チャレンジをしなかった、或いは途中で投げ出してしまった事が、不達成要因の99%だったのです。諦めずに続ければ、全てのチャレンジャーが、それほど遠くない時期に、勝利の日を達成出来たのです。


角長80㎝を超えるビッグトロフィー級との対戦程、心が躍る勝負はありません。
300m先の大型エゾ鹿が即倒する、ライフル銃の遠射は爽快と言えます。
ショットガン連射による複数撃墜も心が躍りますが、それより遥かに大きな100kgを超えるエゾ鹿 大物をライフル銃の連射でバッタバッタと即倒させる、残念ながらケンさんも、ビッグトロフィー級の 超大物クラスの複数捕獲はありませんが、これ程までに心が躍るシーンは他にありません。
かつては1項の手法が正道と言われて来ました。
1.精密リロード弾。
銃を撃つと反動があり、反動の始まりは、弾が動き始めた時からとなります。反動は銃身を真直ぐ後ろに押しますが、かなり下方に位置するストックで支える為、その結果として銃は跳ね上ろうとします。銃身先端部は取残され、過渡的に曲がり、その後それを戻そうとして振動します。
振動は基本的に正弦波ですから、上下の両端には比較的長目の安定時間があり、この間に弾が銃口を出れば、安定飛行します。
それで火薬の量を微調整して、弾速を微妙に変え、安定時間に銃口から弾が出る様にする、これが精密リロードの考え方になります。この考え方は正解です。しかし火薬の種類や弾頭の種類を固定しても、膨大なテスト期間が必要になります。
火薬と言うのは下記の様に不思議な特製ですが、その条件下で弾頭の動き始めを一定に揃える事が秘訣と言えます。弾頭の動き始めが僅かに遅れますと、火薬は暴走的に燃焼、燃焼圧力が急速に高くなり、高い圧力で加速するので、最終的には弾速は速くなり、その反対に弾頭が早目に動けば低下します。そんな特性を一定にしようとするのですから、弾頭の重さだけではなく、弾頭直径を揃え、薬莢の銘柄を揃え、使用回数を揃えなければ、弾速一定は達成されません。
弾速が変われば、振動安定期に弾を出す事は絶望的になり、サボットスラグ弾のリロードは装弾の全長を揃えながら、口巻硬さを揃える事がプラ薬莢が故に非常に難しいのです。装弾メーカーの日邦工業を見学した事がありましたが、装弾の弾速は最終的に口巻硬さで調整しておりました。
精密リロードは精密射撃のStd的な考えとなり良く普及しましたが、これで本当に効果が出せた人は甚だ僅かだったと思います。確かに世界記録は驚異的結果が出ていますが、ベンチレスト射撃協会HPではバーミンター100mは平均7㎜程度で優勝です。
ケンさんの150m市販弾ベスト記録は8㎜、100m補正値は5.3㎜です。
一方ベンチレストシューターは6.5㎜PPC口径、ストールパンダ銃、40倍スコープ、ベンチレスト射撃、超精密ハンドロード、そこまで超拘っても、類似以下と言える結果しか得られないのです。理論的には違っていないと言え、精密ハンドロードは精密射撃カスタム業界の陰謀だった様に思えます。
因みにケンさんが行った精密リロードは、激安弾には勝てましたが、安売りの市販弾には勝てずでした。最終的には後述の酷評激安市販弾で実戦大記録を立てられたのですから、ケンさんの説の方が正しいと言えます。
元々実戦に高精度は不要なのですが、有るか無いか分からない程度の命中精度やパワーの差をハンドロードで求め、代償として手作業による不良率が3桁高いリロード弾は、しばしば肝心の時に発砲不能に陥り、実に割に合わない愚かな選択と言えました。
2.銃身の長さを微調整する。


こちらは銃身の先端にネジを切り、マズルブレーキ等を取付け、弾の側は特定の市販弾で一定にしておき、銃身長を微調整して、振動数を変え、振動の安定時期に銃口から弾が出る様にすると言う考えです。
BOSSと言うシステムであり、ブローニング系のライフル(含むオート)に希望装備 或いは標準装備されていました。特注すればどのメーカーのライフルにも付けられます。
ボスシステムは精密ハンドロード同様、原理的には完璧なのですが、殆ど普及せずでした。
ボスはやがて立ち消えました。その理由は大きな効果が出なかった為と言えますが、ボスや精密ハンドロードは、射撃場でも実戦でも、殆ど効果を出せず、似た様な勝負だった様です。
3.市販銃と市販弾でワンホールを達成。
精密ハンドロードに限界を感じたケンさんは1998年頃から市販弾の使用を開始しました。
当初はラプア製の高精度市販弾を使いました。
2000年、ケンさんは北海道にて自元暴走青年にぶつけられ、交通事故で死に損ないましたが、愛銃H&Kも骨折しました。ケンさん復帰は2002年、新しいストックに換えたH&Kの初射撃の日でした。
当初はワンホールだとは気が付かず、2発目以降は弾着不明と思いましたが、標的を回収すると、5発が驚きの8㎜のワンホールでした。
念願だったワンホールはこうして突然に達成されました。
8㎜ワンホールはベンチレストでは有効ですが、中心から8㎝ずれており、これでは実戦で15㎝の急所から外れてしまいます。それで実戦向けワンホールは次の12㎜を公表値としています。


成功の理由は元々H&Kが高精度であった為もありますが、約2年間実射ナシのドライファイアーのお陰で、反動によるフリンチングが完全に抜けた事でした。
これだけの精度があれば、300mでも胴体位にはヒットしても良さそうに思いますが、落差不安が克服されておらず、300mはヒットした試しがありませんでした。

オートを選んだ理由は走るエゾ鹿に命中させる為であり、最終的には5発5中が目標でした。
最初に使ったラプアのメガと言う高精度が評判の狩猟用市販弾は意外と安く120円/発でした。
H&Kオートでワンホールを出せたのは全くの想定外でした。射撃方法は後述サコーも同様ですが、単に無レストのテーブル撃ち、スコープは狩猟仕様3~9ズームの4倍、市販銃に市販弾、従来的に言えば、とてもワンホールが狙える筈のない条件でしたが、ワンホール崩れは複数回に及びました。
後刻に原因を考えれば、元々H&Kが高精度であった為もありますが、約2年間実射ナシのドライファイアーのお陰で、反動によるフリンチングが完全に抜けた事でした。これだけの精度があれば、300mでも胴体位にはヒットしても良さそうに思いますが、落差不安が克服されておらず、300mはヒットした試しがありませんでした。実戦とは僅かな不安があれば、無情にもたったそれだけの理由で完全失中となりました。
それで300m遠射達成の為に銃をサコー75バーミンターに換えました。その頃はユーロ対円が高くなり、ラプアが200円/発になり、練習用FMJ弾をウインチェスター製120円/発換えました。
狩猟時は弾頭を銅弾バーンズトリプルⅩの50円/発に挿げ替え、合計170円/発でした。
H&Kと同等以上のワンホールが出る筈でしたが、弾の精度が劣るのか、ワンホールは1度もなく、ベストは次ページ写真のワンホール崩れの19㎜でした。
サコーでは念願の300m遠射を当然の様に達成、外し様がないと感じる程でした。一方ランニング射撃性能はオートより大幅に劣り、5発5中は 絶対に不可能だろうと思っていたのですが、間もなくすんなり達成、それも5日間に3度も達成してしまい、これには驚きました。
しかもH&K時の射程は僅か50m、1頭捕獲には5発強でした。50mにも拘らず、H&Kでは急所を捉えられず、捕獲は3発被弾のショットガン効果でした。5発中の2発は胴体にヒットせずでした。所がサコーの射程は何と落差無視射撃の限界である200mまで延長され、3~4倍の距離ながら5発5中達成時の50頭捕獲に対し、70%の確率で初弾が急所を捉え、1.4発/頭でしたから驚きの向上でした。

まもなくウインチェスター練習弾は販売店在庫が切れ、やむなく酷評のロシア製の激安弾80円/発を使ってみる事にしました。 この弾を誉める人は誰もいませんでしたが、使ってみると巷の酷評より遥かにマシで、使える弾であると判断しました。
5発ワンホールは出せずでしたが、ベスト記録3発は上写真の11㎜が記録されました。品質は余り揃っているとは言えませんが、悪くても5㎝前後に収まり、10㎝を超える事は皆無でした。
直径5㎝に均一に散らばるとすれば、3発が11㎜で揃う確率は1万発以上に1回ですから、その高精度の実力は一応あったと言う事になります。問題はエゾ鹿実戦時の弾頭重量でした。
ロシア弾には145grのFMJが付いていますが、バーンズ銅弾頭は150grと130grしかありません。
試験運用50発の結果、130grは貫通せず倒れ方が不満、150grは良いのですが、数発に1回ボルトが重くなりました。迷っていると初期型バーンズ弾頭に140grがある事が分かりました。
初期型銅弾は命中率が悪く、貫通するだけで倒れないと、甚だ酷評でした。しかしロシア弾も使い物にならない酷評弾でしたが、実際は使えました。バーンズ初期型も意外と使えるかも知れません。
試験運用50発の結果、精度はロシア弾ノーマルFMJより微少良好、即倒率は概ね100%、ボルトも 重くならず、それで売れ残りの全てを20円/個で買い占めました。弾本体は80円/発ですから合計では100円/発、今までで1番安い弾となりました。結果的に言えば、捕獲記録はエゾ鹿1051頭、ヒグマ6頭ですが、その半分以上を激安悪評コンビ弾で捕獲、貢献度はNO.1でした。
4.やって見て分かった事。
多くのハンターが精度とパワーを上げる為の、精密リロードに費やした涙ぐましい努力は、全てが 陰謀に踊らされた無駄な行為でした。射撃で最も必要なのは、ショットガンもライフルも発射には 反動を伴わないと体を騙す事であり、それにはなるべく実射をしない事でした。
実戦は異常興奮状態で銃を取り扱う事が特徴ですが、必要な事はその特殊な環境には慣れる事が必要でした。実戦に必要な事はどんなに焦っていても、所定の安全確認や銃の操作がきちんと 行える様な特訓を積み上げる事でした。
同様に射手より遥かにデカいエゾ鹿にも、迫力負けする事なく、条件反射的速やかにショルダーの急所を撃ち抜き、且つ倒れたら即座にもう1発を胴体に撃ち込む事でした。
それには発砲準備から始まる、一連の動作をしぶとく練習する事が非常に重要な事になります。
これがスムーズに行かなれば焦りの心が生じ、当たる射撃もかすりもしなくなりました。
また足が地に付かない迫力負けでは、頭の中は真っ白、全ての練習が無駄になってしまい、失中や未回収を繰り返しました。ケンさんもこの迫力負けの乗り越えには1番苦労しましたが、克服後に 振り返れば、308のナミビアポイント撃ちはどんな大物鹿も完璧に即倒が可能であり、つまり精神的に至らなかっただけ、と言う事がハッキリ分かりました。
実戦とはそう言う物でした。僅かな不安や雑念があると、その射撃は命中率の低下ではなく、全くかすりもしなくなってしまうほど酷い物に激変しました。最も典型的な物に残弾の不安がありました。手持ち弾の余裕が少なくなるだけで、途端にかすりもしなくなりました。
そうならない様にするには、そうした雑念や不安を皆無にするイメージトレーニングを積む事でした。
イメージトレーニングは非常に重要ですが、その条件設定には実戦経験を十分積む必要があり、その設定がずれていれば、全く役に立たないのです。まずは暗中模索ながら、なるべく多くの実戦を体験する必要があります。行動を起こさなければ全てが始まらないのです。
一端分かり始めれば、複次連鎖的に色々な物事が分かって来ます。
するとある日、気が付けば、永年の希望が突然に達成されている、世の中そんな物なのですが、 その多くは振り返りますと、僅か1~3年と意外と短期間だった事に気が付きます。
つまりはゴールが余りにも遠くに見え、憧れるだけで恐れてしまい、本格的チャレンジをしなかった、或いは途中で投げ出してしまった事が、不達成要因の99%だったのです。諦めずに続ければ、全てのチャレンジャーが、それほど遠くない時期に、勝利の日を達成出来たのです。
角長80㎝を超えるビッグトロフィー級との対戦程、心が躍る勝負はありません。
300m先の大型エゾ鹿が即倒する、ライフル銃の遠射は爽快と言えます。
ショットガン連射による複数撃墜も心が躍りますが、それより遥かに大きな100kgを超えるエゾ鹿 大物をライフル銃の連射でバッタバッタと即倒させる、残念ながらケンさんも、ビッグトロフィー級の 超大物クラスの複数捕獲はありませんが、これ程までに心が躍るシーンは他にありません。
エゾ鹿ボウハンティングの可能性。その3:ボウハンティングは高効率。
エゾ鹿のボウハンティング。その2:アメリカの現状と射程距離の変化。
エゾ鹿ボウハンティングの可能性。その1:ハーフライフル。
皆さんに伝えたい事。その14と15:ライフルと散弾の特殊効果。
皆さんに伝えたい事。その12と13:エゾ鹿の習性、ナンバーランキングのオス。
皆さんに伝えたい事。その11,難しいエゾ鹿猟。
エゾ鹿のボウハンティング。その2:アメリカの現状と射程距離の変化。
エゾ鹿ボウハンティングの可能性。その1:ハーフライフル。
皆さんに伝えたい事。その14と15:ライフルと散弾の特殊効果。
皆さんに伝えたい事。その12と13:エゾ鹿の習性、ナンバーランキングのオス。
皆さんに伝えたい事。その11,難しいエゾ鹿猟。