2021年03月04日

M-1 カービン と ホーワカービン。

  WW2の前
WW2は1939~1945、WW2の前までの米軍はインデアンとの戦いも終わり、戦う相手がいなくなったので、ボーイスカウトの様な貧弱な装備の集団でした。

主力の歩兵銃はボルトアクションのスプリングフィールド1903、口径30-03でした。
ハンターの多くが現在も使っている30-06はその改良版です。
M-1 カービン と ホーワカービン。M-1 カービン と ホーワカービン。
      スプリングフィールド1903ライフルと1万トン級リバティー型輸送船

違いは220grのラウンドノーズとケースのネックが2㎜ほど長い事でした。銃自体も1906年からは30-06で新造され、30-03用の銃も30-06に改修されました。
拳銃はリボルバーのS&W1899、非力な38ロングコルトのリボルバーでしたが、程なくピストルはコルトガバメント1911オートに更新、口径45ACPの体系でした。
M-1 カービン と ホーワカービン。
M-1 カービン と ホーワカービン。M-1 カービン と ホーワカービン。
    BAR1918自動小銃とブローニング1919機関銃とトンプソン1928短機関銃

軽機関銃的な物として重くて不評のブローニング1918(BAR)が追加、更にマシンガンブローニング1917が追加され、水冷の重い機関銃は1919年に空冷に変更され、更に補助兵器の短射程が欠点のトンプソンサブマシンガン1928口径45ACPが追加されました。

WW2が始まるとアメリカは世界のNO.1に躍り出る事を目論見ました。ドイツもイタリアもそして日本にもアメリカ本土は遠過ぎ且つ広過ぎて攻撃が出来ません。アメリカは大量の新造兵器さえあれば、戦争の被害を受けませんので自動的に世界1になれると言う作戦です。

  WW2
世界に先駆けて主力小銃をセミオートM1ガーランド1936に変えました。そして戦車や戦闘機や爆撃機を大量生産し、それらを運ぶ規格型リバティー輸送船や空母も商船に甲板を張った護衛空母を大増産しました。
M-1 カービン と ホーワカービン。
           M1ガーランドライフル1936とリバティー型1万トン輸送船
M-1 カービン と ホーワカービン。
そしてイギリスやロシアに援助兵器として多数を送りました。WW2はアメリカの目論見通りに進み、主にアメリカの兵器で、ドイツや日本と戦うと言う構図になりました。ヨーロッパはアメリカ製の兵器のお陰でWW2を勝ち抜く事が出来ましたので、アメリカに対して頭が上がらなくなりました。
何処の国も戦争に勝つ為に色々考えましたが、予算の関係や用兵者の拘り過ぎた仕様がネックとなり、総合的にアメリカに大きく劣りました。またアメリカ以外は補給と言う事をまともに考えていませんでした。

日本軍にも輜重兵(しちょうへい)と輸送を担当する言う兵科はありましたが、人数も僅かで真面な軍人として扱ってもらえず、日本兵は全員が戦う部隊と言う建前でした。アメリカでは戦う部隊は全体の10%、10%は休息中、10%は教育に当てられ、全体の過半は輸送や建設の非戦闘任務でした。

全員で戦闘をした日本軍はすぐに息切れ、戦争全体を真面目に考えていたのはアメリカ軍だけだったのです。輸送船や軍用トラックを真面目に大量生産したのもアメリカ軍だけでした。

またどの分野の兵でも戦果を上げられるのはベテランであり、そしてベテランになるには5年以上を要します。戦闘機の操縦士も整備士も言うに及ばず、生産面でもベテランが不可欠です。

WW2は5年間でしたから、どれも補充の効かない貴重な要員なのですが、日本軍はそれを考えず安易に消耗させ、或いは撤退時には置き去りにしてしまいました。もったいない限りでした。
M-1 カービン と ホーワカービン。 M-1 カービン と ホーワカービン。
            GMC 2.5トン6x6トラック と M4 シャーマン中戦車  
M-1 カービン と ホーワカービン。M-1 カービン と ホーワカービン。
          P51A マスタング戦闘機 と B17 フライングフォートレス爆撃機

日本軍の爆撃機等は典型的な事例で、攻撃だけを考えて被害を受ける事は考えてなかったのです。敵機を撃墜出来るのは戦闘機だけ、しかし戦闘機だけでは戦争には勝てず、勝つ為には爆撃機は不可欠なのですが、日本の爆撃機も防弾を考えてないのですぐに撃墜されてしまいました。その点ではアメリカのB-17は撃たれながらも遂にドイツの息の根を止めました。

空母エンタープライズは大本営の発表によれば9回も撃沈された事になっており、実際に15回も重大な被害を受けながらも生き残りました。それに比べますとミッドウェーで日本の空母は敵の急降下爆撃機の爆弾数発だけで4隻とも撃沈されてしまいました。

大和型3番艦の空母「信濃」などは試運転中に日本近海で潜水艦の魚雷4本だけで撃沈されてしまいました。

大量補給体制が取れたのもアメリカだけでしたが、4発の戦略爆撃機を大量生産出来たのはアメリカだけでした。P51戦闘機はイギリスに援助する為に開発され、ロシアにも航空機やその他の兵器が多数供与されました。

M4シャーマン中戦車も大量生産されましたが、他の国の戦車に比べて背が高いのは飛行機の星型エンジンを積んだ為でした。P51戦闘機もB型以降はスピットファイアのエンジンのアンダーライセンス版でした。ジープのエンジンは当時でも10万㎞走れましたが、日本の車は1960年になっても5万㎞しか走れませんでした。

WW2時代にアメリカの中流家庭にはマイカーが普及していましたが、日本に車が普及したのは1970年以降でした。シャクですがアメリカの方が技術も生産設備もそうですが、互換性の持つ重要性等々、全てに於いて考えが数十年進んでいました。日本の機関銃もエンジンも故障の塊でしたが、アメリカの物は立派に動きました。

  補助兵器のM1カービン
さてアメリカには膨大な数の戦闘を主任務としない兵隊がいる事がお分かり頂けたと思いますが、これらの兵に持たせる武器が拳銃のコルトガバメントだけでは戦闘に巻き込まれた時は著しく不利になります。
M-1 カービン と ホーワカービン。
                       M1カービン 1941
そこで拳銃弾を使うサブマシンガンの短射程もカバーする兵器も兼ねて、M1カービンが1941年に開発されました。30カービンは110grの弾頭を1990fpsで発射し、パワーは967ft-lbfです。トンプソンの45ACPは180gr、1000fps、411ft-lbfであり、30-06は150gr、2900fps、2800ft-lbfです。

パワーや射程距離は今一つの感がありますが、45ACPのトンプソンの射程50mからすれば2倍強の射程とパワーが得られました。また写真の状態で本体マガジンを含む45発の弾薬が付いているのも魅力と言えました。

M1カービンは主力のM1ガーランドライフルに対する補助兵器で開発したのですが、ガダルカナルからは歩兵用兵器としても使われ始め、沖縄戦ではフルオートも可能な後述のM2カービンが主力歩兵銃となりました。命中率が良ければ優れた兵器と言えましたが、精度は余り良いとは言えない銃でした。
M-1 カービン と ホーワカービン。M-1 カービン と ホーワカービン。
  フルオートも可能になったM2カービン と 赤外線ナイトスコープを付けたM3カービン

M1カービンに30連マガジンとフルオートセレクターを付けたのがM2カービン、それに赤外線ランプと暗視スコープを付けたのが、右写真のM3カービンです。基地の夜間警備等に使われました。

M1カービンは元々トンプソン短機関銃の短射程をカバーする為もあり、計画時フルオートでしたが、コントロールが難しく、量産はセミオートオンリーとなりました。
M-1 カービン と ホーワカービン。
これにフルオート機能を追加させるには上図の⑨~⑪の部品を組み込むだけで機能し、WW2末期にはM1カービンからかなりの数量が後刻M2に改造されましたが、このメカニズムは戦後フルオートが禁止されている日本も含めて世界中の国の多数のマニアが悪用しました。

M1カービンは本家のM1ガーランドより遥かの長期間に渡って世界中で使われ、日本の自衛隊でも部分的には1989年まで長期に渡って使われました。ケンさんも本銃に憧れた時期もありましたが、パワー不足や射的距離不足に加え、命中率が良くなく断念しました。

低命中率の原因は機関部と銃身がきちんとストックに取付けられておらず、ガタがある為ではないかと思います。また狩猟用のソフトポイント弾は発射の反動でマガジンの中でガタガタ踊っている内に弾頭が潰れるのも低精度に関係があったと思います。

  ホーワカービンM300
日本の自衛隊のM1&M2カービンやM1ガーランドの部品供給や修理は豊和工業が受け持ち、部品供給は全ての部品に及び、本家の製造中止に伴い1時期は海外分まで及びました。

豊和工業は更にその部品を使って狩猟用のホーワカービンM300を製造販売し、1960~1990年頃まで30年に渡り製造されました。基本的にそう言う出発点ですから、M1カービンとは全ての部品に互換性があります。

また我が国の銃刀法では全長は939㎜以上、銃身長は488㎜以上と規定がありますが、オリジナルM1カービンは全長が904㎜、銃身長が458㎜と共に規定に未足らず、15連発では所持出来ません。
M-1 カービン と ホーワカービン。
          ケンさん所有のM1カービンスポーターのカスタムモデルガン

その為ホーワカービンは全長960㎜、銃身長495㎜と延長され、マガジンも5発に変更されています。アッパーハンドガードの有無やリヤサイトの形状等、時期により色々なタイプがあります。
M-1 カービン と ホーワカービン。M-1 カービン と ホーワカービン。
M-1 カービン と ホーワカービン。M-1 カービン と ホーワカービン。
                      ホーワカービンの各種
M1カービンのピープサイトはオープンサイトの中では高精度なのですが、指向性が皆無であり、目をピープサイトに付け損なうと、どちらにずれているのか皆目分からなくなります。

その為に古くから殆んどのライフル銃は照門と照星タイプの照準器になっておりますが、これも指向性は全くなく、どちらのサイトも狩猟に使い易いとはお世辞にも言えません。

スコープ後付けタイプもありますが、最初からスコープを付ける設計でなく強度不足、またスコープ後付けの場合はチークピースをスコープに合わせて調整しない限り、スコープのメリットは得られません。

豊和カービンの主な用途は20mの本州鹿や10mの日本猪ですが、どちらも森の中を走る動的であり、素速いサイティングが不可欠ですが、その用途に向いているとは言えません。

その用途では完全にショットガンのバックショットの領域であり、リブサイトのインプシリンダーには全く敵いません。一方エゾ鹿猟では100mの急所15㎝を狙わなければなりませんが、それには精度不足、そしてパワー不足でこれも向いているとは思えません。エゾ鹿猟にはサボットスラグ銃又は普通のライフル銃が向いています。

本銃の隠れた魅力は限りなくオリジナルのM1又はM2カービンに近付ける事です。M1カービンとは全ての部品に互換性があり、それ故に軍用ストックも15発マガジンも30発マガジンも、更にはフルオートセレクターも組込めてしまいます。1980年代の射撃場にはミリタリーグループが良く来ており、あるシューターのM1カービンには本人曰くダミーだと言う事ですが、セレクターが付いていました。

  廃銃マニア
また廃銃マニアもと言うのがいました。現在の実物廃銃は合法ですが、M1カービンもM1ガーランドも無償貸与でしたから、時期が来ればお返しする事になりますが、米国も受け取っても仕方ないので現地で適当に処分と言う事になりました。

その為に払い下げを受けた業者は、レシーバーの中央で2つに切って廃銃処理をしましたが、それを溶接で復元した廃銃がモデルガンショップの裏メニューで限定販売されていました。カービンが20万円、ガーランドは30万円位でしたが、当時月給が2~3万円、高過ぎて買えませんでした。

これらの銃の薬室周辺はそのまま残っており、トリガーやハンマーのメカ部品はそのままでしたから、レシーバーの耐久性は不明ですが、発射能力がありました。50年以上前の話ですが、大阪のマニアの1人が勿体ぶりながら見せてくれました。

カットで言えば無償貸与のF86セーバーやT33シューティングスターのジェット戦闘機やT6テキサン等の練習機もアメリカに返す機体を日本でカットした廃機がありました。戦闘機は未レストアで当時50万円でした。欲しかったですが、高過ぎるのと買っても何処へ置くと言う問題があり見送りました。-
 
火縄銃の愛好家にも射撃場でよく会いました。火縄銃は文化財ですから所持には教育委員会の許可、撃つ為にはライフル協会の会員になる事や、公安委員会の火薬の許可が必要です。

これも飛び道具研究家としてはやってみたかったのですが、火縄銃が当時30万円もするので見送りました。火縄銃は着火から発砲まで少し時間遅れがある事と、銃口の発射煙と同等量位のガスが着火穴から大量に吹き出し、腔圧が上がらないので通常散弾よりも銃声が長く静かであった事が印象的でした。

  ワンホール射撃
当時はケンさんのイメージトレーニングがまだ完成されておらず、もっぱら射撃場通いをしていました。当初の銃は1984年に入手したレミントン1100の20番のスラグ専用銃でした。

50mで30㎝角の的紙から時にハミ出すダメシューターでした。たくさん撃てば必ず上達すると思っていましたが、結論から言えば間違いで、10年が過ぎても効果は僅か、やっと50mで9㎝のグルーピングでした。
M-1 カービン と ホーワカービン。M-1 カービン と ホーワカービン。
           レミントン1100スラグ専用銃 と レミントン742ライフル銃

その頃に新しく入手したレミントン742オートライフルの初射撃は10㎝強でした。
ライフルならばかなりの高精度と期待していたのですが、スラグガンと変わりませんでした。
要はフリンチングが未達成だったのであり、実射練習ではフリンチングを押さえる事は不可能だったのです。

15年後、ケンさんは貰い事故の交通事故で全身7か所を骨折、更に目が動かなくなり大手術をしました。普通生活に戻れるまでに1.5年強を要し、外に出られない日々を部屋の中、ドライファイアで暇を潰しました。

そしてこれが結果的に言えば予想を遥かの超える効果があり、2年後の再開後の初日の射撃で150mで5発が12㎜と言うワンホール射撃が、オートの市販銃と市販弾で達成されてしまいました。
M-1 カービン と ホーワカービン。
  ワンホール射撃を達成したH&K SL7

つまり約2年間、実射をしなくてイメージトレーニングとドライファイアに留めた事で、結果的に射撃には反動が伴わないと体を騙す事が出来たのです。

ドライファイアでハンマーが落ちる僅かな瞬間だけ、銃がブレない様に心掛けました。もちろん照準のブレを読み、引金が落ちる時に正照準になる様にする事も心掛けました。

2年ぶりの久しぶりの射撃は20発の予定、射撃は4ラウンド目に入りました。本日はこれが最後です。1発目撃ちました。概ね中央にヒット、イイ感じです。続いて2発目、撃ちました。これも悪くない感じで引き金が落ちましたが、観的スコープで見ると弾着不明です。
M-1 カービン と ホーワカービン。
更に3発目を撃ちました。これも悪くない感じでしたが、またもや弾着不明でした。
おかしいなと思いつつ、4発目と5発目を撃ち、標的を回収に行ってビックリ、何時の間にかフリンチングを克服して1ホール射撃が達成されていたのです。

イメージトレーニングやドライファイアがこんなに効果があるとは思っていなかったので弾着不明かと思いましたが、実はワンホールだったのです。

こうして2002年、長い間の念願だったワンホール射撃は突然に達成されました。スクールのS生徒が立合人でした。銃はH&Kオート、弾はラプアの185gr市販弾、スコープは4倍固定のタスコ安物でした。そしてこれ以後、不可能だった項目にも手が届き始め、2006年には全ての憧れの項目が達成されました。

  達成して分かった事
H&Kオートのボルト銃並みに当たると言う謳い文句に嘘はありませんでした。そして命中率が悪くなければ連射には絶対にオートが圧倒的に有利だと当時は思っていました。ならばH&Kオートは究極の銃だったのかと言えばそれは違いました。

弾頭はライフリングで回転が与えられ安定直進するのですが、銃口を出た直後は頭振りと尻振り状態で飛出し、更にスパイラル飛行しますが、H&Kはこのスパイラル径が大きい様でした。

その為に5発のグルーピングの精度は良くても、次回はスパイラルの違うタイミングで着弾し、グルーピングは毎回5㎝程違った場所に着弾しました。故に着弾精度に今一つ自信が持てなく、300mの遠射は1度も成功せずでした。

動的のスイングショットはH&Kでその糸口を掴めたのは事実ですが、射程は50m前後でした。その50mでも急所を捉え切れず、捕獲は過半が3発被弾のショットガン効果であり、5発強/頭を要しました。
M-1 カービン と ホーワカービン。
取り敢えず300m遠射を達成させようと、銃をサコーボルトに換えました。グルーピングはH&Kオートほど良くありませんでしたが、300m遠射は初回から決まりました。

連射の成果は半減以下になるだろうと覚悟をしていましたが、再肩付けのスナップスイング射撃は驚いた事に、連射速度がオートより速く、且つオートより遥かに高命中率でした。射程距離は200mまで問題なく急所を捉えられる様になり、2.7発/頭と大幅向上しました。

オープンサイトもピープサイトもダメ、カスタム銃もマグナムもダメ、期待のオートも結局はダメな事が分かりました。最も使えるのはブルバレルのボルトアクション、口径は308のStd、スコープは6倍、ゼロインは150mでした。

そしてスコープマウントは絶対に緩まないレシーバー直接取付け式、ストックはスコープに合わせた専用銃でした。トレーニングは実射をしない、イメージトレーニングとドライファイアに圧倒的に効果がありました。

射撃方法は最も重要な項目になりますが、50m級は肩に着く前に撃つスナップショット、肩に着けるとその時にブレ、再調整を要します。150mはスナップで構えアバウト早撃ち、1ホール射撃に比べれば急所は1桁大きいのでアバウトで撃っても大丈夫なのです。

300m遠射は全委託射撃時の銃の跳ね上がりを利用した直撃射撃、ランニング射撃には体全体で追尾を持続する、見失わないスナップスイング再肩付け射撃となりました。

射撃技術と並ぶ最も重要な項目のもう1つが迫力負け対策です。
これは実物の1/10の大物写真を10mから撃つイメージトレーニングが最も効果があります。これにカバーを外して、弾を入れて、装填して、安全装置を解除して撃つ、発砲準備動作を組み入れる事を忘れずに行って下さい。これで完璧です。

  クランクトリガーとバンプストック
2017年ラスベガスで起こった乱射事件、犯人はMGMホテルに半自動軍用銃型を20数丁と大量の弾薬を持ち込み、ホテルの32Fから数百ⅿ離れた野外コンサート会場に集まった22000人に向け、下記のフルオート改造銃で約1000発を発射、その結果死者59人、負傷者567人の空前の大惨事となりました。

M-1 カービン と ホーワカービン。
 クランクトリガー:その時に使われたのが、引き金にセットしたクランクハンドルを廻すと引金が引かれたり戻ったりし、クランクを速く廻せばフルオートの様に撃てると言う、簡単な玩具の様な後付け装置です。クランク1回転で数発の弾が出ますが、クランクを廻す事により照準はブレ、乱射用途にしか使えません。

M-1 カービン と ホーワカービン。
 バンプストック:この時に使われたもう1つのアイテムが普通のセミオートの銃をフルオートで撃てるこれでした。構造は極めて簡単で、ストックが2重になっており、引き金を引くと発砲、その反動で銃はアウターストックの中で後退し、トリガーから指が離れます。

その間に次弾装填とトリガーのリセットが行われ、銃はストック内のバネで押し戻されます。すると銃が前進して指に当たリ、トリガーが再び引かれた事になり、2発目が発砲されます。以下、指を大きく離すか、マガジンの弾が無くなるまで、このフルオートサイクルが繰り返されます。

こちらも銃はアウターストックの中で銃が踊りますから、高命中率は期待出来ませんが、こちらはフルオートの様にではなく、フルオートで撃てます。狩猟用散弾銃でもそれに合わせた形状のアウターストックを作ればフルオートが可能になりますが、3発で終わっては3回引き金を引く高速3連射の使い易いと思います。これらのフルオートもどきのアイテムはラスベガス乱射事件以後、法律で販売が禁止されました。

  フルオート射撃の目的
映画の主人公の撃つ銃はフルオートで撃っても良く当たり、そしてマガジンは何発入りかと思う位にバリバリよく撃ちます。ケンさんもフルオート銃の射撃はした事が無く、どの程度の集弾を出せるのかは分かりません。フルオートでは他の銃種の射撃にはない「掃射」と言う言葉がありますが、薙ぎ払うと言葉に置き換えられます。

 掃射:10人が2m間隔で一斉に襲い掛かって来たとして、30発でこれを薙ぎ倒せるかどうかを計算しますと、理想的に上手く行けば7人を倒せますが、半分倒せれば良い方でしょう。やや高速に分類される600発/分の速度で連射しますと3秒を要します。ノーマークの敵に向かって撃ち始めても1~2秒後には敵から反撃があり、撃ち漏らした3~5人からの反撃に対しても弾切れ状態ですからどうしようも無くなります。

1秒以内に10人を薙ぎ払うには1800発/分の超高速連射が必要になりますが、そんな高速な銃は世界中にありません。日本の自衛隊が少数装備しているM9型機関拳銃(9㎜パラの25連発)の1200発/分が世界最速です。

しかし肩当ストックもなく、通常的に言えば1200発/分でもコントロールは絶望的に難しい部類になります。一応狙って撃てるのは400~450発/分であり、それで行けば30発を撃つには7秒強を要する事になり、映画の様に10人を一瞬で薙ぎ倒す事は出来ません。

可能なのは数人が適度な密集で来襲した時に限られます。本題のM2カービンの連射速度は750発/分であり、ストックがあってもかなりコントロールが難しい部類になります。
M-1 カービン と ホーワカービン。
   自衛隊が装備しているM9型機関短銃

 脅威:この様に高速フルオートは可能性としては凄い物がありますが、伝説級名人を除けば映画の様には行かず、現実としては無効弾をバラ撒き、あっと言う間に弾切れとなる銃です。まず初弾が狙えるのか? 更に次弾以降の照準をキープ或いは希望の方向に掃射出来るのか? 共にかなり疑問です。

そして普通に撃てば25発マガジンもアッと言う間に無くなり、ケチっても3連射です。しかし物凄い勢いで弾をバラ撒くのは撃たなくてもかなりの「脅威」となり、そう言う目的の銃になります。

M-1 カービン と ホーワカービン。
 制圧:ブローニング1919は思想が少し違い、敵を殲滅させるのが 目的ではなく、弾をバラ撒いて敵を「制圧」する思想でした。100m先のドラム缶に3脚射撃しても15%前後しか命中しないそうですが、これで1000m先まで弾をバラ撒くので、弾がどこに飛んでくるのか分からず、広範囲を足止めが可能となります。その間に戦闘機を呼び寄せて敵を叩くのです。

ケンさんは「オート派」で、連射に対して強い思い入れがありましたが、野性鳥獣に対しては「セミオート」ですら、余り役に立たない事を自らが証明してしまいました。野性鳥獣に対しては「威圧」も「制圧」も意味を成しませんから、狩猟にはフルオートは全く役に立ちません。

北海道エゾ鹿ハンターも1990年頃は連射に憧れ、ブローニングオートの300ウインマグや308を使っていました。またレミントン7600のスライドアクションを使っているハンターも見ました。

しかし連射は全く無意味である事が分かり、今では鹿までの距離も150m前後となり、ボルトアクション銃が100%になり、ウォーキングもランニングも誰も撃たなくなりました。例外はリトルケンの様になりたいを目指している、ボルトのスナップスイングの我が校元生徒の数名だけかと思います。

  10軍の射撃は威圧射撃?
軍用銃も近年はスコープを取り付ける時代となり、それはピープサイトより優れた良い方向なのですが、気掛かりな点があります。肩付けには時間を要すると言う事で、写真の様に銃を肩に着けたままで前進する事です。これですとチークピースが完全であっても自動銃の連射で見失った目標の再捜索以上の時間を要すると思われます。
M-1 カービン と ホーワカービン。
近年のストックはフォールディング型であり、ホッペがストックに密着しないのですから、概ね銃を目標に向け、目がスコープを探し、それから標的の捜索なり、その後に照準となり、命中可能な照準完了までには相当の時間を要する事になり、多分それまで待てず未完成な照準のままで発砲しますから当たらない事になります。

あの銃の構え方は「威圧効果」がありますが、それだけに留まり、実効から言えば有り優れているとは言えない構え型です。

絶対に目の前にある銃口を指向し、ホッペを掠めて肩にまっすぐ引き寄せながら撃つ、スコープ専用銃のスナップショットの方が速く正確な射撃が出来るのは見え見えです。

スナップショットを見直し、軍用銃もストックもヘルメット等もそれが出来る様な構造に改めるべきだと思います。






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Posted by little-ken  at 09:58 │銃と弾