2021年01月11日
捕獲率と単位の話。
計算は数字だけではない:単位側の計算も必要です。
走行距離が3000㎞/月で1月が30日としたら1日平均の走行距離はいくらになりますでしょう。
3000 〔㎞/月〕
—―――――――—― = 100 〔km/日〕
30 〔日/月〕
数字部分の計算では100になりますが、計算はこれで終わりではありません。計算は単位の部分でも行わなければならないからです。上段と下段に〔/月〕がありますからこれが消え、上段には〔㎞〕が残り、下段には〔日〕が残ります。単位には[km/日]の様に角カッコを付けるのが正式です。
単位は非常に重要です。 /? 特に斜め線の次に何が来るかによって話の桁が変わってしまうからです。その1例です。収入は? と聞かれて500万円と言う答えでは単位が不足しています。500万円/年、つまり 年収500万円と答えなければなりません。
もし500万円/月ですと随分やりたい事が出来、買いたい物も全て買えます。また500万円/週なら夢の様な話になり、まるで話の桁が変わってしまいます。
世界の単位:長さ、重さ、時間がありますが、日本ではMKS単位系を使っており、これが世界のStdとなりつつあります。長さはメートル、重さはキログラム、時間は秒が基本になります。世界中にはかつて色々な単位があり、日本でもかつては尺貫法で、尺(33㎝)、貫(3.75kg)、1日が12刻に分かれていました。
かつて欧米ではヤード・ポンド法が使われていましたが、1インチが2.54㎝、その上の単位の1フィートは12インチ、その上の1ヤートは3フィート、1チェーンは66フィート、その上の単位である1マイルは1760ヤード、誰が決めたのか甚だ統一性に欠けます。更に海里と言う単位もあります。1海里は1852mで、角度の1度の1/60である1分相当の地球の表面距離です。
またヤード・ポンド法には小数点と言う観念がなく、3/8、15/16等々の分数表示であり、甚だ分かり難い物でした。ダースと言う12個の単位も良く使われます。
これでは良くないと気が付き、ヨーロッパもカナダもMKS単位系に改めたのに、アメリカだけはまだ改めないのですから、世界の癌はアメリカです。しかし航空業界ではそのアメリカが主体なので、速度にはノット(海里/h)(1852m/h)、高度はフィート(0.3048m)、重さはポンド(0.4536㎏)を使い、これが国際標準になっています。
しかし車の速度はマイル/h(1609m/h)、更に分数の加減乗除の計算、今のアメリカ人や昔の白人達は随分非効率で不便だった筈ですが、WW2ではそのアメリカに我が日本はコロ負けしました。
それはさておき、銃の世界も同様にそのアメリカが世界をリードしており、ヤード・ポンド法が国際標準です。弾頭や火薬の重さもgr、グレインと読み、1grは0.0648g、通常のライフル弾頭は150~185gr、9.7~12.0gです。弾速はfps或いはf/sと書き、エフピーエス或いはフィートパーセカンドと読みます。
通常ライフルは2600~3200fps、792~975m/sです。音速のマッハは地上では340m/sの1220㎞/hです。
しかし何故か散弾の飛行体重量はoz、オンスと読み1ozは28.35ℊ、1ozは437.5grです。
32g標準装弾は(9/8)oz、35gマグナムは(5/4)oz、40gマグナムは(11/8)ozです。
更に散弾の火薬はdrと書いてドラム又はダラム、1drは0.125ozであり60gr、3.888g、誰が決めたのでしょう。散弾の場合は弾速にシビアでない為に関心は飛行体重量だけにとどまり、火薬量には余り関心が無い様です。
パワーは FP 又は F/P?:エネルギーの単位はft-lbf、フットポンドと読みます。
1ft-lbfはMKSでは1.355ジュールですが、変換しても日本人の頭の中に適正なスケールを持ち合わせていない為、換算しないそのままの方が便利です。
空気銃で口径等により30~60ft-lbf、12番スラグで1500~2500ft-lbf、ライフル308で2600~2800ft-lbf、マグナムライフルでMax.4000ft-lbf程度です。
ところが空気銃のカタログを見ますとよくパワーの単位にFPと書いてあります。
フットポンドですからFPはまだいけなくはありませんが、そちら側の正しい表記ならばF.P.になります。
しかしft-lbfと言う正しい単位があるのですから、これを使うべきです。
勿論新国際式のジュールでもいけなくはありませんが、豊富なアメリカの資料が全てフットポンドですから、そのままの方がお互いに便利です。
しかし日本の空気銃のカタログにはFPと概ね同率でF/Pと言うエネルギー単位を使っていますが、流石にこの表示は間違いです。ft-lbfの中央の - は掛け算の表示であります。何もない場合も掛け算側になります。
しかしft/lbfとなりますと、/は割り算の÷になり、まるっきり意味が変わってしまいます。
多少のローカルルールは良しとしても、FPやF/Pの表記があるカタログや読み物は、レベルが低過ぎて読むに値しません。またそう言う人とは銃や弾や狩猟の話をしたくありません。
ある空気銃のカタログにはこう出ていました。口径:5.5㎜/全長:98.3㎝、重量:2.55㎏、プレチャージ式、30ft/lbs、5連発、レギュレーター内蔵、フットポンドの単位は先頃まではft-lbsでしたが、ft-lbfに改められました。従ってlbsは間違いではありませんが、- である所を/であるのは酷い間違いです。
空気銃のカタログに多い様ですが、この面でも空気銃関係業者は信頼がおけません。
口径と全長の間にある/も理解に苦しみます。
空気銃のパワーと精度:その昔と言っても50年前頃の1970年頃の話ですが、10ⅿ先の0.5㎜を絶対に外さない本物の空気銃を凄いと思いました。
空気銃関係業者に言わせますと、現在のプリチャージ銃は昔と桁違いの精度とパワーを謳っていますが、決してその様な事はなく、ケンさんが空気銃関係者を悪徳業者と決め付けているのも単位の問題と共に、この不当表示が原因となっています。
1970年代のケンさんの愛銃だった兵林館ASは、実戦でも30ⅿのスズメの頭に命中させられ、70m先のキジバトを貫通出来ました。欠点は1発毎に3~6回のポンプを必要とした事ですが、その頃からプリチャージ式50連発空気銃は出廻り始めていました。
200回ポンプしておけばマガジン的には単発ですが、弾さえ装填すれば50発撃てました。しかしケンさんの兵林館も含めてどの銃も飛ぶ鳥には至りませんでした。
もう少し昔の1960年代中場以前までの空気銃は所持許可不要、週刊少年漫画雑誌の通販でも買えました。その頃の空気銃は中折れスプリング式で玩具クラス、10m先のスズメの胴体に当たるかどうか怪しげであり、威力もやっとスズメを貫通出来る程度でした。
この時代の玩具クラス空気銃との比較であれば、桁違いの威力と精度は謳えますが、それは1970年代の圧縮空気式の単発ポンプ銃の謳い文句でした。それに比べれば現在のプリチャージ銃の精度は原理的に微少マイナス、パワー増は口径比例分だけです。
狩猟:それは捕獲する事であり、言葉を変えれば出撃当たりの捕獲率であり、射撃回数に対する命中率の追及です。
本州鹿猟ですと10人前後のグループの巻狩りになり、この時の捕獲率は「0.05頭前後/日人」が 良い方の標準ですが、20日出撃すると1頭捕獲出来る事になります。グループ全体ではメンバーが10人であれば10倍の0.5頭/日Gになります。
本州鹿猟の低捕獲率は、待場で大木の陰等から見張りをする射手の存在が事前に鹿にバレ、勝負以前に迂回してしまう事にあります。この対策を「禅の心作戦」と名を付けましたが、見張りをするので射手の気配を取られてしまうのですから、木を背にして丸見えの位置で動かず、見張りを辞めれば気配を取られなくなります。
鹿の目は正面ではなく左右側面に付いており、その為に立体的に見えず、丸見えでも微動しなければ絶対に発見されません。これはカモ猟も全く同じです。目を瞑って「禅の修行の如く」夢想していれば鹿に気配を先取りされる事はなくなり、捕獲率は5倍以上に向上します。
またそうしていれば自らの気配レベルが下がっていますから、鹿が来れば目を瞑っていても自然に判ります。
カモ撃ちでも捕獲率を劇的に上げる方法もあります。それは水辺の餌場を狙う猟に於いてです。
餌場は決まっておりますから、射撃ポイントまで隠密忍びが可能な様に、事前に土木工事をしておくのです。
更に射撃ポジションに着いてもすぐに射撃をせず、群れを観察し、1発目はあそこ、2発目はそこと撃ち方を 決めておきます。すぐに射撃すると銃を構え様とした時に飛び立ち、トリプル捕獲は困難です。しかし5分もすると警戒感は消えますから、サッと銃を構えますと、カモはギョッとしてこちらを振り返ります。
その瞬間に予定の場所に向けて速射しますと、1発目で多分数匹、2発目も多分複数が捕獲出来、一瞬で定数を捕獲出来ます。多人数での隠密接近は非常に難しいのですが、事前工事に加え、カモが首を上げたら直ちにフリーズに入ります。そして数分後に首が下がったら接近アプローチ再開です。
リーダーだけが群れを見張り、リーダーが止まったら全員がフリーズになれば、カモに飛び去られる事はありません。かつてケンさんは4連発で定数が8羽だった頃ですが、4人で一瞬にして32羽のオナガガモを捕獲した事があります。
散弾の特性:空気銃では飛鳥射撃が出来ず、飛鳥撃墜に憧れたケンさんは銃を始めて5年目に散弾銃の運用を開始しました。未来位置に弾を送るリードさえ合わせれば、バッタバッタと墜とせ、50ⅿ以内の散弾銃は凄いと思いました。単弾の場合は急所を撃たないと即死させる事は出来ませんが、散弾の場合は特別な効果があり、それがショットガンの大きなメリットになっています。

7.5号装弾とフルチョーク時の銃口直後のショットコロン。
それは上半身であれば3粒以上の被弾で、その単粒の威力には余り関係なく、即死すると言うショットガン効果によって起こります。散弾は2.0~9.1㎜までの約20種前後が市販されており、2018年狩猟読本の散弾適合表によれば、カモ猟には3~4号、キジ猟には5~6号、間違った記載でした。もっと以前の1970年版によればカモ猟にはBB~4号となっており、更に大幅に間違っていました。
カルガモの胴体を有効直径10㎝の円として、これに散弾が何粒被弾するかを計算した処、50mで3粒以上の被弾をさせられるのはフルチョークの7.5号弾より小粒弾のみでした。また実戦のカモ猟で5000羽以上を撃墜しましたが、やはり計算通り7.5号弾が圧倒的でした。
50m以内でリードさえ合えば7.5号弾は概ね全てを撃墜出来ましたが、4号弾では1.3粒、撃墜率は半減以下となり、適しているとは言えなく、BB弾では0.3粒、ヒットしない確率の方が高く、間違っても適しているとは言えない状態でした。キジ猟やノウサギ猟でも7.5号弾が最高でした。
小粒弾がまるでダメだと思われた非力感は、途中弾速低下が非常に大きく、リードが合わなかったからでした。
この考えで行きますと国内猟は鹿撃ち用に27粒の4号バックショット、中型獣用に6号弾、通常の鳥猟は全て7.5号弾、ヒヨドリクラスに9号弾、これにヒグマクラス用のスラグ弾、この5種で全て可能です。
鹿猟:ケンさんは12年目から本州鹿の巻き狩りを始め、初めての対戦は鹿猟を始めて7年目、銃を初めてから19年目でした。それまでは何時も気配先取勝負レベルで負け、射撃勝負まで持ち込めませんでした。
スラグ弾なら多少遠くまで勝負が可能になると思い、14年目からスラグ専用銃の運用を始めましたが、初回射撃の結果は全弾失中でした。スラグ銃は予想よりかなり高難度、射撃場でも成果は上がらず、体が反動を恐れるフリンチング対策の難しさと、動的にスラグ弾を当てる事の難しさの両方を思い知らされました。
更にライフル銃なら幾ら何でも多少はマシかと20年目に入手しましたが、全く変わらずでした。
猟具を幾ら優れた物に換えても、出会いが増える訳ではなく、射撃技術と射撃に対する心構えの両方が不足していたのですから当然の結果でした。
結局は気配勝負に負けない工夫をし、獲物との対戦時にも足が地に着いた射撃が出来る様、心の問題が最も重要だったのです。本州鹿巻き狩りに関しましては、間違ったやり方を進めてしまい、必要なのは「禅の心作戦」であり、ベストな道具はリブ銃身+フルチョーク+27粒弾でした。
鹿猟になりますと、この話も避けて通れないのですが、エゾ鹿猟のガイド猟では捕獲率はガイドの技量と天候次第が絡みますが、ケンさんのガイドでは平均捕獲率では2頭/日人になり、出会い率は平均で5回/日となります。
出会いは悪天候開けに集中、こんな日に回収と解体を素早く終えれば、4頭/日も可能になり、これが回収と解体の限界でした。最高記録は5日猟で19頭、以下18頭、17頭・・・・と並びました。エゾ鹿は100~150mに多く、ライフル銃又はサボットスラグ銃が有利です。

エゾ鹿の大物は本州鹿の2倍以上のサイズになります。本州鹿(右)の大物と比べるとその巨大さが分かります。しかもこの鹿は信じ難い事に本州鹿より遥かに美味しく、この巨大な鹿が本州鹿巻狩りに比べて40倍も獲れるのですから エゾ鹿猟は辞められません。
弾薬消費も通常3~4発/日になり、殆ど撃つ機会のない本州巻狩りに比べて たくさん撃てるだけでも非常に大きな魅力であり、撃てる機会が本州巻狩りの40倍なのです。エゾ鹿猟は遥々お金を掛けて飛行機に乗って遠征が必要ですが、そうする価値のある狩猟だと思います。
ある地元巻狩リーダーの言う捕獲率:拘っているだけあって他のグループよりは捕獲量は多い方でした。しかし捕獲率と言う概念は全く無く、ただ1シーズンの総捕獲数だけを主張しているのです。
ケンさんの1シーズンの捕獲数と比較して、自分達はタダでも同程度獲れているから、お金を掛けて北海道まで行くのは「アホがする事」だと決め付けて来ました。何が間違っているのでしょう?
まず何人で何日で獲ったと言う捕獲率の比較をしない事、また地元猟でも車代は200円/㎞なのですが、コストゼロと言うのは間違いです。
その頃のケンさんはまだサラリーマンでガイド猟をしていた頃でした。シーズンに総捕獲数は約50頭でした。出猟日数は6日/回を3回、つまり2.78頭/日人でした。
対する地元巻狩りリーダーの場合は30人程の大グループ、当時は12月1日~1月31日のシーズンに正味25日出猟をして、シーズンの総捕獲数は猪&鹿の合計で48頭でしたが、メンバー30人が平均80%の出席率として算出、純捕獲率で言えば0.08頭/日人でした。
捕獲率「0.08頭/日人」自体がかなり高い数字である事は認めますが、それでも当時のケンさんのエゾ鹿猟に比べて34.8倍の差がありました。
これに加えて獲物が大きく且つ美味しくの+αが加わり魅力がまるで違います。これ程の捕獲率の違いがあるにも拘らず、対等を力説するのですから、その数学力には恐れ入りました。
尚、ケンさんは連続5日間で50頭の捕獲があり、この間に平均150mを走る鹿に5発5中が3度ありました。1人で捕獲したのは事実ですが、回収と解体に助手を使いましたので捕獲率5頭/日人になります。
ライフル弾の合理性:ケンさんの運用感触ではパワーがStdの308基準の半分でも、1.5倍のマグナムでもどちらも大同小異、倒れ方に大きな差はありませんでした。対象ゲームは少なくとも体重500㎏程度までならばそう言えます。そう言う事で行けば反動の小さな方が命中させ易い方が有利と言えます。
アメリカの合理的な考えは全般的に素晴らしく、主にこの考え方の差によってWW2で日本は大敗しましたが、現在の狩猟用のライフル弾の一覧表によれば、口径だけで50種類以上、弾頭の形状や重量違い等を入れますと、200種類前後が市販されています。この非合理的状態はどうした事なのでしょう。
結果的に言えば、どのライフル弾でも、ちゃんと急所に当てられるかどうかが最重要課題でした。
そして実戦には射手の実戦の経験量がモノを言い、その心が至らなければ、如何なる強力な弾も高級銃も全くの無意味でした。
本当の正解は後述に出て来ますが、銃や狩猟の本場と思われていたアメリカ人にも狩猟が本当に分かる人は殆どおらず、ケンさんもそうでしたが捕獲率を上げたい心が先走り、弾や銃に頼った結果、銃の販売関係業者がこれに悪乗りして、200種類になったのではないかと思われます。
心の悟り:更に年月がたくさん過ぎ、ケンさんが銃を始めてから32年、ライフル銃から12年、スラグ銃からでは18年、願望を諦めずに持続させた結果、やっと反動を恐れるフリンチングを克服、次ページ右写真の様に150mの5発が12㎜のワンホールにまとまりました。
相前後して念願の走る鹿にも当てられる様になりました。走る鹿にも当初は50m程度まででしたが、やがて数年後には200mでも楽勝となり、150mを常用出来ました。
更に4年後の2006年にはどんな大物でも300mでも大丈夫と思える様になり、射撃時の心もやっと悟りを開く事が出来、ケンさん+サコー75改は無敵となりました。



銃と弾は元々当たる様に出来ており、ワンホールは特別の出来事ではなく、本来こうなる筈の結果でした。その銃と弾なら200~300m程度では急所から外れる筈がなく、ヒットすれば12㎜の鉄板をブチ抜くのですから、如何なる巨大な鹿も当然トンコロです。
ケンさんのチャレンジはアフリカの巨大アンテロープ、猛獣巨大ヒグマ、動的200mまでの5発5中、静的380m、エゾ鹿50頭を5日で捕獲、ド至近距離ヒグマ対決、憧れだったこれら全てを達成出来ました。
本州鹿の1頭目に9年を要しましたが、累計1000頭を超え、諦めなければ何事も達成出来ると感じました。世界中にはまだ未勝負の動物は多数いますが、2016年には最早庶民の延長で「不可能」を追及するテーマが無くなり、2018年にライフル銃を卒業しました。
反省:今になって考えれば、本来は銃と弾だけに任せて多少慣れれば、自動的にそうなる筈だった事なのですが、自分の技術で何とかしてくれましょうとリキんだ為、達成には数十年を要してしまいました。
試行錯誤を繰り返し、かなり遠廻りでしたが、やっとやり方が分かった頃には年齢的な限界が近付いてしまいました。最初からやり方が分かっていれば、もっともっと大幅に短縮出来たのかも知れません。
自らの経歴を振り返ってみますと、愛知と三重の本州鹿巻狩り12年、花巻の本州鹿遠征3年間、白糠のエゾ鹿民宿巻狩り3年間、この18年間は得る物が無かった訳ではありませんが、低効率の遠廻りでした。
振り返れば自分1人で何とかしたいと言う事、ガイドを使いたくない事に拘り過ぎていましたが、間違いでした。その結果どうしたのか、結局は1人では何ともならないのでグループ猟に頼りましたが、これも間違いでした。
花巻も白糠の巻狩りも飛行機で遠征しましたが、成果に見合わないモノでした。現地では有料ガイドを使い、花巻は入猟料も必要でした。その結果として獲れれば良いのですが、共に5日/年を3年繰り返しても、極めて低捕獲率、これらは不要でした。
その後、白糠にてエゾ鹿の単独猟を3年行ない、捕獲率は巻狩りの3倍以上になりました。
21年目からは凄腕の有料ガイドの流し猟をお願いする様に路線変更出来た事は幸いでした。
試しに行った有料流し猟の成果は予想を遥かに超え、一気に出会い率は5~10倍に増えました。
捕獲率は即座には上がりませんが、数年後には追い付き、更に成果の中にランニング射撃の開花もありました。遠征費用はエゾ鹿巻狩り時代の2~3倍に増えましたが、十分に見合う成果でした。
民宿巻狩りガイドは何も教えてくれませんでしたが、流し猟では随分教わりました。
ガイドを使う事をヨシとしない考え方もありますが、本州鹿の巻狩りでは猟犬とグループに獲らせてもらっていたのですから、それがガイドに変わっただけ、そして高額ですが、それに見合う以上を得られました。
大物猟で出会いを得る事は非常に難度が高く、出会いの無い狩猟から得られる物は殆んどありません。参加料の違いは10倍以上ありますが、出会い率や捕獲率は40倍ですから、飛行機代とガイド代を含めても コスパ的にはエゾ鹿ガイド猟の圧勝です。また狩猟が出来るのは体力的に最大50年間に限られ、この期間を有効に使わなければ、無効になってしまいます。
事例紹介:隣市僚友会に土建会社の社長がおり、ケンさんと概ね同時期にエゾ鹿単独猟を目指しました。彼は装備には銃を含めて随分お金を掛け、射撃場もしっかり通い、5~7日/年を3年繰り返しましたが、まともな出会いが1度も得られず、さりとて自前猟に拘り、ガイドを使わないと大見栄を切った手前、今更ガイドを使う訳にも行かず、撤退をしてしまいました。
3年間の内に人生の目標まで見誤り、仕事を含めて全てを失ってしまいました。ガイド猟に路線変更して生き残って欲しかった例です。
一方、他所でガイド猟や巻狩りを累計で10日以上やっても、エゾ鹿3段角が全く獲れないので、人生最後の夢を叶える為、スクールに来た残手持ち時間の少ない生徒も多数いました。
全員が到着当日に3段角を捕獲、夢が達成され良かったと思いますが、エゾ鹿猟も場所と時期とガイドの技量次第でこんなにも違う結果になります。
しかしこちらの例は悲惨でした。スクールに来た未経験者は、連日の出会いが5回前後、エゾ鹿猟とはこんなに簡単なのだと錯覚し、翌年からガイドレス自前流し猟に切り替えましたが、出会い率は10%以下、稀に鹿に出会えてもアプローチが未熟+銃の取り扱い技術不足で、照準時間が十分得られません。
それで多くが照準時間を稼ぐ為に銃カバーを外し、弾を入れたままの違法の流し猟を行います。
鹿がいるのは反狩猟家の牧場に多く、それを当局が待ち構えており、撃てば立入り許可を得ずに・・・と言う事で即座に御用となります。
また見え難い林道の出口等で待ち伏せています。全て合法ならば涼しい顔してやり過ごせられますが、突然当局の出現に慌てれば、即座に止められ、シートベルトだけなら反則金で済みますが、銃にカバーが・・・とか、銃に弾が・・・とかで一巻の終り、根室では毎週の様に誰かが当局に撃墜されていました。
グラムあたり:スーパーマーケットの肉の価格等でよくこんな言葉を聞きますが、言葉通りで行けば円/gになりますが、実際は100g当たりの単価であり、正しく表示するなら円/100g、或いは円/hg(ヘクトグラム)になります。
この2桁間違いが常用的に罷り通っているのですから、日本は大丈夫なのかと思います。
庶民がよく使うのは㎜、㎝、㎞、そしてデシリットル、ヘクトアール(ヘクタール、1アールは10m角)位かと思いますが、単位にもそれなりの意味がありますので、恥ずかしい間違いをしない様にお願いしたいと思います。
また単に1キロと良く言いますが、キロは唯の1000倍の意味、長さなら1㎞、重さなら1㎏、全ての単位は正しく使うべきです。ここでは長さの単位メートルで少し勉強をしましょう。
もちろん他の重さや時間の単位と組合せも可能であり、更に上や下の桁にも色々な取決め事があります。
μm mm cm dm m Dm hm km Mm
マイクロメートル ミリメートル センチメートル デシメートル メートル デカメートル ヘクトメートル キロメートル メガメートル
10の⁻6乗 10の⁻3乗 10の⁻2乗 10の⁻1乗 10の0乗 10の1乗 10の2乗 10の3乗 10の6乗
更に日本の数字は10の4乗毎に単位が決められており、最初が万、次が億、次が兆、次が京(きょう又はけい)、次が垓(がい)、世界標準の3乗毎とは違い、しばしばこれで混乱が起こり、ケンさんも海外旅行で1桁多く払ってしまった事が何回もありましたが、これもお互いの為に日本側が改めるべきでしょう。
走行距離が3000㎞/月で1月が30日としたら1日平均の走行距離はいくらになりますでしょう。
3000 〔㎞/月〕
—―――――――—― = 100 〔km/日〕
30 〔日/月〕
数字部分の計算では100になりますが、計算はこれで終わりではありません。計算は単位の部分でも行わなければならないからです。上段と下段に〔/月〕がありますからこれが消え、上段には〔㎞〕が残り、下段には〔日〕が残ります。単位には[km/日]の様に角カッコを付けるのが正式です。
単位は非常に重要です。 /? 特に斜め線の次に何が来るかによって話の桁が変わってしまうからです。その1例です。収入は? と聞かれて500万円と言う答えでは単位が不足しています。500万円/年、つまり 年収500万円と答えなければなりません。
もし500万円/月ですと随分やりたい事が出来、買いたい物も全て買えます。また500万円/週なら夢の様な話になり、まるで話の桁が変わってしまいます。
世界の単位:長さ、重さ、時間がありますが、日本ではMKS単位系を使っており、これが世界のStdとなりつつあります。長さはメートル、重さはキログラム、時間は秒が基本になります。世界中にはかつて色々な単位があり、日本でもかつては尺貫法で、尺(33㎝)、貫(3.75kg)、1日が12刻に分かれていました。
かつて欧米ではヤード・ポンド法が使われていましたが、1インチが2.54㎝、その上の単位の1フィートは12インチ、その上の1ヤートは3フィート、1チェーンは66フィート、その上の単位である1マイルは1760ヤード、誰が決めたのか甚だ統一性に欠けます。更に海里と言う単位もあります。1海里は1852mで、角度の1度の1/60である1分相当の地球の表面距離です。
またヤード・ポンド法には小数点と言う観念がなく、3/8、15/16等々の分数表示であり、甚だ分かり難い物でした。ダースと言う12個の単位も良く使われます。
これでは良くないと気が付き、ヨーロッパもカナダもMKS単位系に改めたのに、アメリカだけはまだ改めないのですから、世界の癌はアメリカです。しかし航空業界ではそのアメリカが主体なので、速度にはノット(海里/h)(1852m/h)、高度はフィート(0.3048m)、重さはポンド(0.4536㎏)を使い、これが国際標準になっています。
しかし車の速度はマイル/h(1609m/h)、更に分数の加減乗除の計算、今のアメリカ人や昔の白人達は随分非効率で不便だった筈ですが、WW2ではそのアメリカに我が日本はコロ負けしました。
それはさておき、銃の世界も同様にそのアメリカが世界をリードしており、ヤード・ポンド法が国際標準です。弾頭や火薬の重さもgr、グレインと読み、1grは0.0648g、通常のライフル弾頭は150~185gr、9.7~12.0gです。弾速はfps或いはf/sと書き、エフピーエス或いはフィートパーセカンドと読みます。
通常ライフルは2600~3200fps、792~975m/sです。音速のマッハは地上では340m/sの1220㎞/hです。
しかし何故か散弾の飛行体重量はoz、オンスと読み1ozは28.35ℊ、1ozは437.5grです。
32g標準装弾は(9/8)oz、35gマグナムは(5/4)oz、40gマグナムは(11/8)ozです。
更に散弾の火薬はdrと書いてドラム又はダラム、1drは0.125ozであり60gr、3.888g、誰が決めたのでしょう。散弾の場合は弾速にシビアでない為に関心は飛行体重量だけにとどまり、火薬量には余り関心が無い様です。
パワーは FP 又は F/P?:エネルギーの単位はft-lbf、フットポンドと読みます。
1ft-lbfはMKSでは1.355ジュールですが、変換しても日本人の頭の中に適正なスケールを持ち合わせていない為、換算しないそのままの方が便利です。
空気銃で口径等により30~60ft-lbf、12番スラグで1500~2500ft-lbf、ライフル308で2600~2800ft-lbf、マグナムライフルでMax.4000ft-lbf程度です。
ところが空気銃のカタログを見ますとよくパワーの単位にFPと書いてあります。
フットポンドですからFPはまだいけなくはありませんが、そちら側の正しい表記ならばF.P.になります。
しかしft-lbfと言う正しい単位があるのですから、これを使うべきです。
勿論新国際式のジュールでもいけなくはありませんが、豊富なアメリカの資料が全てフットポンドですから、そのままの方がお互いに便利です。
しかし日本の空気銃のカタログにはFPと概ね同率でF/Pと言うエネルギー単位を使っていますが、流石にこの表示は間違いです。ft-lbfの中央の - は掛け算の表示であります。何もない場合も掛け算側になります。
しかしft/lbfとなりますと、/は割り算の÷になり、まるっきり意味が変わってしまいます。
多少のローカルルールは良しとしても、FPやF/Pの表記があるカタログや読み物は、レベルが低過ぎて読むに値しません。またそう言う人とは銃や弾や狩猟の話をしたくありません。
ある空気銃のカタログにはこう出ていました。口径:5.5㎜/全長:98.3㎝、重量:2.55㎏、プレチャージ式、30ft/lbs、5連発、レギュレーター内蔵、フットポンドの単位は先頃まではft-lbsでしたが、ft-lbfに改められました。従ってlbsは間違いではありませんが、- である所を/であるのは酷い間違いです。
空気銃のカタログに多い様ですが、この面でも空気銃関係業者は信頼がおけません。
口径と全長の間にある/も理解に苦しみます。
空気銃のパワーと精度:その昔と言っても50年前頃の1970年頃の話ですが、10ⅿ先の0.5㎜を絶対に外さない本物の空気銃を凄いと思いました。
空気銃関係業者に言わせますと、現在のプリチャージ銃は昔と桁違いの精度とパワーを謳っていますが、決してその様な事はなく、ケンさんが空気銃関係者を悪徳業者と決め付けているのも単位の問題と共に、この不当表示が原因となっています。
1970年代のケンさんの愛銃だった兵林館ASは、実戦でも30ⅿのスズメの頭に命中させられ、70m先のキジバトを貫通出来ました。欠点は1発毎に3~6回のポンプを必要とした事ですが、その頃からプリチャージ式50連発空気銃は出廻り始めていました。
200回ポンプしておけばマガジン的には単発ですが、弾さえ装填すれば50発撃てました。しかしケンさんの兵林館も含めてどの銃も飛ぶ鳥には至りませんでした。
もう少し昔の1960年代中場以前までの空気銃は所持許可不要、週刊少年漫画雑誌の通販でも買えました。その頃の空気銃は中折れスプリング式で玩具クラス、10m先のスズメの胴体に当たるかどうか怪しげであり、威力もやっとスズメを貫通出来る程度でした。
この時代の玩具クラス空気銃との比較であれば、桁違いの威力と精度は謳えますが、それは1970年代の圧縮空気式の単発ポンプ銃の謳い文句でした。それに比べれば現在のプリチャージ銃の精度は原理的に微少マイナス、パワー増は口径比例分だけです。
狩猟:それは捕獲する事であり、言葉を変えれば出撃当たりの捕獲率であり、射撃回数に対する命中率の追及です。
本州鹿猟ですと10人前後のグループの巻狩りになり、この時の捕獲率は「0.05頭前後/日人」が 良い方の標準ですが、20日出撃すると1頭捕獲出来る事になります。グループ全体ではメンバーが10人であれば10倍の0.5頭/日Gになります。
本州鹿猟の低捕獲率は、待場で大木の陰等から見張りをする射手の存在が事前に鹿にバレ、勝負以前に迂回してしまう事にあります。この対策を「禅の心作戦」と名を付けましたが、見張りをするので射手の気配を取られてしまうのですから、木を背にして丸見えの位置で動かず、見張りを辞めれば気配を取られなくなります。
鹿の目は正面ではなく左右側面に付いており、その為に立体的に見えず、丸見えでも微動しなければ絶対に発見されません。これはカモ猟も全く同じです。目を瞑って「禅の修行の如く」夢想していれば鹿に気配を先取りされる事はなくなり、捕獲率は5倍以上に向上します。
またそうしていれば自らの気配レベルが下がっていますから、鹿が来れば目を瞑っていても自然に判ります。
カモ撃ちでも捕獲率を劇的に上げる方法もあります。それは水辺の餌場を狙う猟に於いてです。
餌場は決まっておりますから、射撃ポイントまで隠密忍びが可能な様に、事前に土木工事をしておくのです。
更に射撃ポジションに着いてもすぐに射撃をせず、群れを観察し、1発目はあそこ、2発目はそこと撃ち方を 決めておきます。すぐに射撃すると銃を構え様とした時に飛び立ち、トリプル捕獲は困難です。しかし5分もすると警戒感は消えますから、サッと銃を構えますと、カモはギョッとしてこちらを振り返ります。
その瞬間に予定の場所に向けて速射しますと、1発目で多分数匹、2発目も多分複数が捕獲出来、一瞬で定数を捕獲出来ます。多人数での隠密接近は非常に難しいのですが、事前工事に加え、カモが首を上げたら直ちにフリーズに入ります。そして数分後に首が下がったら接近アプローチ再開です。
リーダーだけが群れを見張り、リーダーが止まったら全員がフリーズになれば、カモに飛び去られる事はありません。かつてケンさんは4連発で定数が8羽だった頃ですが、4人で一瞬にして32羽のオナガガモを捕獲した事があります。
散弾の特性:空気銃では飛鳥射撃が出来ず、飛鳥撃墜に憧れたケンさんは銃を始めて5年目に散弾銃の運用を開始しました。未来位置に弾を送るリードさえ合わせれば、バッタバッタと墜とせ、50ⅿ以内の散弾銃は凄いと思いました。単弾の場合は急所を撃たないと即死させる事は出来ませんが、散弾の場合は特別な効果があり、それがショットガンの大きなメリットになっています。


7.5号装弾とフルチョーク時の銃口直後のショットコロン。
それは上半身であれば3粒以上の被弾で、その単粒の威力には余り関係なく、即死すると言うショットガン効果によって起こります。散弾は2.0~9.1㎜までの約20種前後が市販されており、2018年狩猟読本の散弾適合表によれば、カモ猟には3~4号、キジ猟には5~6号、間違った記載でした。もっと以前の1970年版によればカモ猟にはBB~4号となっており、更に大幅に間違っていました。
カルガモの胴体を有効直径10㎝の円として、これに散弾が何粒被弾するかを計算した処、50mで3粒以上の被弾をさせられるのはフルチョークの7.5号弾より小粒弾のみでした。また実戦のカモ猟で5000羽以上を撃墜しましたが、やはり計算通り7.5号弾が圧倒的でした。
50m以内でリードさえ合えば7.5号弾は概ね全てを撃墜出来ましたが、4号弾では1.3粒、撃墜率は半減以下となり、適しているとは言えなく、BB弾では0.3粒、ヒットしない確率の方が高く、間違っても適しているとは言えない状態でした。キジ猟やノウサギ猟でも7.5号弾が最高でした。
小粒弾がまるでダメだと思われた非力感は、途中弾速低下が非常に大きく、リードが合わなかったからでした。
この考えで行きますと国内猟は鹿撃ち用に27粒の4号バックショット、中型獣用に6号弾、通常の鳥猟は全て7.5号弾、ヒヨドリクラスに9号弾、これにヒグマクラス用のスラグ弾、この5種で全て可能です。
鹿猟:ケンさんは12年目から本州鹿の巻き狩りを始め、初めての対戦は鹿猟を始めて7年目、銃を初めてから19年目でした。それまでは何時も気配先取勝負レベルで負け、射撃勝負まで持ち込めませんでした。
スラグ弾なら多少遠くまで勝負が可能になると思い、14年目からスラグ専用銃の運用を始めましたが、初回射撃の結果は全弾失中でした。スラグ銃は予想よりかなり高難度、射撃場でも成果は上がらず、体が反動を恐れるフリンチング対策の難しさと、動的にスラグ弾を当てる事の難しさの両方を思い知らされました。
更にライフル銃なら幾ら何でも多少はマシかと20年目に入手しましたが、全く変わらずでした。
猟具を幾ら優れた物に換えても、出会いが増える訳ではなく、射撃技術と射撃に対する心構えの両方が不足していたのですから当然の結果でした。
結局は気配勝負に負けない工夫をし、獲物との対戦時にも足が地に着いた射撃が出来る様、心の問題が最も重要だったのです。本州鹿巻き狩りに関しましては、間違ったやり方を進めてしまい、必要なのは「禅の心作戦」であり、ベストな道具はリブ銃身+フルチョーク+27粒弾でした。
鹿猟になりますと、この話も避けて通れないのですが、エゾ鹿猟のガイド猟では捕獲率はガイドの技量と天候次第が絡みますが、ケンさんのガイドでは平均捕獲率では2頭/日人になり、出会い率は平均で5回/日となります。
出会いは悪天候開けに集中、こんな日に回収と解体を素早く終えれば、4頭/日も可能になり、これが回収と解体の限界でした。最高記録は5日猟で19頭、以下18頭、17頭・・・・と並びました。エゾ鹿は100~150mに多く、ライフル銃又はサボットスラグ銃が有利です。


エゾ鹿の大物は本州鹿の2倍以上のサイズになります。本州鹿(右)の大物と比べるとその巨大さが分かります。しかもこの鹿は信じ難い事に本州鹿より遥かに美味しく、この巨大な鹿が本州鹿巻狩りに比べて40倍も獲れるのですから エゾ鹿猟は辞められません。
弾薬消費も通常3~4発/日になり、殆ど撃つ機会のない本州巻狩りに比べて たくさん撃てるだけでも非常に大きな魅力であり、撃てる機会が本州巻狩りの40倍なのです。エゾ鹿猟は遥々お金を掛けて飛行機に乗って遠征が必要ですが、そうする価値のある狩猟だと思います。
ある地元巻狩リーダーの言う捕獲率:拘っているだけあって他のグループよりは捕獲量は多い方でした。しかし捕獲率と言う概念は全く無く、ただ1シーズンの総捕獲数だけを主張しているのです。
ケンさんの1シーズンの捕獲数と比較して、自分達はタダでも同程度獲れているから、お金を掛けて北海道まで行くのは「アホがする事」だと決め付けて来ました。何が間違っているのでしょう?
まず何人で何日で獲ったと言う捕獲率の比較をしない事、また地元猟でも車代は200円/㎞なのですが、コストゼロと言うのは間違いです。
その頃のケンさんはまだサラリーマンでガイド猟をしていた頃でした。シーズンに総捕獲数は約50頭でした。出猟日数は6日/回を3回、つまり2.78頭/日人でした。
対する地元巻狩りリーダーの場合は30人程の大グループ、当時は12月1日~1月31日のシーズンに正味25日出猟をして、シーズンの総捕獲数は猪&鹿の合計で48頭でしたが、メンバー30人が平均80%の出席率として算出、純捕獲率で言えば0.08頭/日人でした。
捕獲率「0.08頭/日人」自体がかなり高い数字である事は認めますが、それでも当時のケンさんのエゾ鹿猟に比べて34.8倍の差がありました。
これに加えて獲物が大きく且つ美味しくの+αが加わり魅力がまるで違います。これ程の捕獲率の違いがあるにも拘らず、対等を力説するのですから、その数学力には恐れ入りました。
尚、ケンさんは連続5日間で50頭の捕獲があり、この間に平均150mを走る鹿に5発5中が3度ありました。1人で捕獲したのは事実ですが、回収と解体に助手を使いましたので捕獲率5頭/日人になります。
ライフル弾の合理性:ケンさんの運用感触ではパワーがStdの308基準の半分でも、1.5倍のマグナムでもどちらも大同小異、倒れ方に大きな差はありませんでした。対象ゲームは少なくとも体重500㎏程度までならばそう言えます。そう言う事で行けば反動の小さな方が命中させ易い方が有利と言えます。
アメリカの合理的な考えは全般的に素晴らしく、主にこの考え方の差によってWW2で日本は大敗しましたが、現在の狩猟用のライフル弾の一覧表によれば、口径だけで50種類以上、弾頭の形状や重量違い等を入れますと、200種類前後が市販されています。この非合理的状態はどうした事なのでしょう。
結果的に言えば、どのライフル弾でも、ちゃんと急所に当てられるかどうかが最重要課題でした。
そして実戦には射手の実戦の経験量がモノを言い、その心が至らなければ、如何なる強力な弾も高級銃も全くの無意味でした。
本当の正解は後述に出て来ますが、銃や狩猟の本場と思われていたアメリカ人にも狩猟が本当に分かる人は殆どおらず、ケンさんもそうでしたが捕獲率を上げたい心が先走り、弾や銃に頼った結果、銃の販売関係業者がこれに悪乗りして、200種類になったのではないかと思われます。
心の悟り:更に年月がたくさん過ぎ、ケンさんが銃を始めてから32年、ライフル銃から12年、スラグ銃からでは18年、願望を諦めずに持続させた結果、やっと反動を恐れるフリンチングを克服、次ページ右写真の様に150mの5発が12㎜のワンホールにまとまりました。
相前後して念願の走る鹿にも当てられる様になりました。走る鹿にも当初は50m程度まででしたが、やがて数年後には200mでも楽勝となり、150mを常用出来ました。
更に4年後の2006年にはどんな大物でも300mでも大丈夫と思える様になり、射撃時の心もやっと悟りを開く事が出来、ケンさん+サコー75改は無敵となりました。


銃と弾は元々当たる様に出来ており、ワンホールは特別の出来事ではなく、本来こうなる筈の結果でした。その銃と弾なら200~300m程度では急所から外れる筈がなく、ヒットすれば12㎜の鉄板をブチ抜くのですから、如何なる巨大な鹿も当然トンコロです。
ケンさんのチャレンジはアフリカの巨大アンテロープ、猛獣巨大ヒグマ、動的200mまでの5発5中、静的380m、エゾ鹿50頭を5日で捕獲、ド至近距離ヒグマ対決、憧れだったこれら全てを達成出来ました。
本州鹿の1頭目に9年を要しましたが、累計1000頭を超え、諦めなければ何事も達成出来ると感じました。世界中にはまだ未勝負の動物は多数いますが、2016年には最早庶民の延長で「不可能」を追及するテーマが無くなり、2018年にライフル銃を卒業しました。
反省:今になって考えれば、本来は銃と弾だけに任せて多少慣れれば、自動的にそうなる筈だった事なのですが、自分の技術で何とかしてくれましょうとリキんだ為、達成には数十年を要してしまいました。
試行錯誤を繰り返し、かなり遠廻りでしたが、やっとやり方が分かった頃には年齢的な限界が近付いてしまいました。最初からやり方が分かっていれば、もっともっと大幅に短縮出来たのかも知れません。
自らの経歴を振り返ってみますと、愛知と三重の本州鹿巻狩り12年、花巻の本州鹿遠征3年間、白糠のエゾ鹿民宿巻狩り3年間、この18年間は得る物が無かった訳ではありませんが、低効率の遠廻りでした。
振り返れば自分1人で何とかしたいと言う事、ガイドを使いたくない事に拘り過ぎていましたが、間違いでした。その結果どうしたのか、結局は1人では何ともならないのでグループ猟に頼りましたが、これも間違いでした。
花巻も白糠の巻狩りも飛行機で遠征しましたが、成果に見合わないモノでした。現地では有料ガイドを使い、花巻は入猟料も必要でした。その結果として獲れれば良いのですが、共に5日/年を3年繰り返しても、極めて低捕獲率、これらは不要でした。
その後、白糠にてエゾ鹿の単独猟を3年行ない、捕獲率は巻狩りの3倍以上になりました。
21年目からは凄腕の有料ガイドの流し猟をお願いする様に路線変更出来た事は幸いでした。
試しに行った有料流し猟の成果は予想を遥かに超え、一気に出会い率は5~10倍に増えました。
捕獲率は即座には上がりませんが、数年後には追い付き、更に成果の中にランニング射撃の開花もありました。遠征費用はエゾ鹿巻狩り時代の2~3倍に増えましたが、十分に見合う成果でした。
民宿巻狩りガイドは何も教えてくれませんでしたが、流し猟では随分教わりました。
ガイドを使う事をヨシとしない考え方もありますが、本州鹿の巻狩りでは猟犬とグループに獲らせてもらっていたのですから、それがガイドに変わっただけ、そして高額ですが、それに見合う以上を得られました。
大物猟で出会いを得る事は非常に難度が高く、出会いの無い狩猟から得られる物は殆んどありません。参加料の違いは10倍以上ありますが、出会い率や捕獲率は40倍ですから、飛行機代とガイド代を含めても コスパ的にはエゾ鹿ガイド猟の圧勝です。また狩猟が出来るのは体力的に最大50年間に限られ、この期間を有効に使わなければ、無効になってしまいます。
事例紹介:隣市僚友会に土建会社の社長がおり、ケンさんと概ね同時期にエゾ鹿単独猟を目指しました。彼は装備には銃を含めて随分お金を掛け、射撃場もしっかり通い、5~7日/年を3年繰り返しましたが、まともな出会いが1度も得られず、さりとて自前猟に拘り、ガイドを使わないと大見栄を切った手前、今更ガイドを使う訳にも行かず、撤退をしてしまいました。
3年間の内に人生の目標まで見誤り、仕事を含めて全てを失ってしまいました。ガイド猟に路線変更して生き残って欲しかった例です。
一方、他所でガイド猟や巻狩りを累計で10日以上やっても、エゾ鹿3段角が全く獲れないので、人生最後の夢を叶える為、スクールに来た残手持ち時間の少ない生徒も多数いました。
全員が到着当日に3段角を捕獲、夢が達成され良かったと思いますが、エゾ鹿猟も場所と時期とガイドの技量次第でこんなにも違う結果になります。
しかしこちらの例は悲惨でした。スクールに来た未経験者は、連日の出会いが5回前後、エゾ鹿猟とはこんなに簡単なのだと錯覚し、翌年からガイドレス自前流し猟に切り替えましたが、出会い率は10%以下、稀に鹿に出会えてもアプローチが未熟+銃の取り扱い技術不足で、照準時間が十分得られません。
それで多くが照準時間を稼ぐ為に銃カバーを外し、弾を入れたままの違法の流し猟を行います。
鹿がいるのは反狩猟家の牧場に多く、それを当局が待ち構えており、撃てば立入り許可を得ずに・・・と言う事で即座に御用となります。
また見え難い林道の出口等で待ち伏せています。全て合法ならば涼しい顔してやり過ごせられますが、突然当局の出現に慌てれば、即座に止められ、シートベルトだけなら反則金で済みますが、銃にカバーが・・・とか、銃に弾が・・・とかで一巻の終り、根室では毎週の様に誰かが当局に撃墜されていました。
グラムあたり:スーパーマーケットの肉の価格等でよくこんな言葉を聞きますが、言葉通りで行けば円/gになりますが、実際は100g当たりの単価であり、正しく表示するなら円/100g、或いは円/hg(ヘクトグラム)になります。
この2桁間違いが常用的に罷り通っているのですから、日本は大丈夫なのかと思います。
庶民がよく使うのは㎜、㎝、㎞、そしてデシリットル、ヘクトアール(ヘクタール、1アールは10m角)位かと思いますが、単位にもそれなりの意味がありますので、恥ずかしい間違いをしない様にお願いしたいと思います。
また単に1キロと良く言いますが、キロは唯の1000倍の意味、長さなら1㎞、重さなら1㎏、全ての単位は正しく使うべきです。ここでは長さの単位メートルで少し勉強をしましょう。
もちろん他の重さや時間の単位と組合せも可能であり、更に上や下の桁にも色々な取決め事があります。
μm mm cm dm m Dm hm km Mm
マイクロメートル ミリメートル センチメートル デシメートル メートル デカメートル ヘクトメートル キロメートル メガメートル
10の⁻6乗 10の⁻3乗 10の⁻2乗 10の⁻1乗 10の0乗 10の1乗 10の2乗 10の3乗 10の6乗
更に日本の数字は10の4乗毎に単位が決められており、最初が万、次が億、次が兆、次が京(きょう又はけい)、次が垓(がい)、世界標準の3乗毎とは違い、しばしばこれで混乱が起こり、ケンさんも海外旅行で1桁多く払ってしまった事が何回もありましたが、これもお互いの為に日本側が改めるべきでしょう。
Posted by little-ken
at 08:38
│銃と弾