2020年05月25日

結局実戦に必要だった事は次に要約されると思います。

1.ケンさんの教えは一般の皆さんとは経験量が2桁違いますから今は分からなくて当然です。
もし分かるならばすでに問題は全て解決している筈です。
分からない場合、浅はかな次元の低い経験で自分流に分かろうとせず、また自分流の拘りも1時的に捨て、分からないままフルコピーに努める事がベストです。

その状態で追及を諦めなければやがて数年~10数年後には出来る様になる日が自動的に来ます。
その頃には自然に全てが分かる様になります。自分流を加えるのはそれからとなります。
ケンさんの場合、個々の項目の達成に数年~10年、全体が分かるまでには30年弱を要しました。

2.市販銃は普及クラスでも実用充分な精度で命中する様に出来ており、命中しないのは無理解な人間が関与しているからです。典型的なのがフリンチング、体が反動を嫌い、勝手に力を入って身構え、照準がずれてドカンとなります。銃だけに撃たせれば300mの遠射に耐えられ、且つ150mのワンホールも出ます。
具体的には半依託射撃と全依託射撃になりますが、共に銃だけに撃たせる様にすれば命中します。
少しでも不安があれば命中しないのが射撃、愛銃の命中精度を100%信頼しなければなりません。

3.スコープ専用ボルト銃はスナップショットが自動的に出来る様な構造になっています。
スナップショットとは銃を構えてから、素速く照準する技術ではなく、銃を構える行程その物が照準になり、肩に銃が着く前に撃つ技術です。もちろん撃つ前に逃げられる可能性は殆どなくなります。」
銃には照準が不可欠ですが、良く狙って精密に撃つのではなく、向けてアバウト状態のまま一気に引き金を引いて撃ちます。銃は素速く構えられるに越した事は無く、スナップショットは全ての射撃の基本となります。

4.実戦射撃は心が平静でなければ命中せず、それは心が場数的に必要レベルに達している時だけが命中 可能な時となります。心が必要レベルを得られるのはすでに類似の場数を十分な回数経験しているか、はた又それを予測したイメージトレーニングを十分にこなしていた時だけになります。
結局は出撃総日数と言うか、失敗の総回数が1番物を言います。

5.大物鹿の体格に圧倒されたり、鹿の動きにアタフタ後追いしている様では成果は得られません。
これも4項と同様に類似の場数を十分な回数経験しているか、はた又それを予測したイメージトレーニングを十分にこなしていた時以外は足が地に着かないあらぬ方向の超未熟な射撃になってしまいます。またイメージトレーニングもはっきり言えば、同じ失敗を繰り返さない様にする為の心の対策に過ぎず、そのベースには数回以上の失敗の経験が不可欠となります。

6.銅弾頭はオジロワシの鉛中毒防止の為に開発されたのではなく、鉛弾頭の欠陥を対策する為に開発された新弾頭です。その鉛弾頭の欠陥とは近距離命中時の表面爆発と、骨の当たった時の全鉛の消失です。
銅弾頭は射撃精度と遠射特性が僅かに鉛弾頭に及びませんが、他は全て大幅に上回る性能です。
積極的に骨を撃つ事により、神経系にショックを与えて即倒率を圧倒的に向上させられます。

7.射撃技術や心の平静を高額機材で補う事は不可能であり、どの様な高額高精度なライフル銃を使っても射撃技術や心が至らない状態ではその効果は完璧にゼロに留まります。
同様にハイパワー機材も捕獲率向上効果は皆無です。
市販銃とStdの308銅弾には国内の全ての獲物に対し、あらゆる場面で十分に使える精度とパワーを持ち、高額機材類はその意味を全くなしません。サボットスラグ銃も120m以内の射撃なら遜色は無く実用性は充分ありますが、エゾ鹿の習性は大物程広い場所に出没する為、大物戦では多少不利になります。

8.単独猟への憧れは分かりますが、昨今では1年中エゾ鹿は駆除圧を受け、ハンターを避ける学習度が大幅に向上しており、新しい時代のエゾ鹿の行動が読める能力がなければ勝負の可能性が殆どありません。
また最大150kgのエゾ鹿の回収を1人で行える体力がなければ、合法的な狩猟遂行が不可能になります。従って特別な場合を除き、ガイドレスの単独猟は殆どあり得ないと言うのが昨今の結論になります。

ケンさんの場合は稀な事に150kgのエゾ鹿の回収出来る体力を持ち、更に凄腕のガイド猟を90日行ってエゾ鹿の基礎データを500件以上収集した上で単独猟に入ると言う、超特別コースでした。
エゾ鹿の単独猟のハードルは決して低くないのが実情です。

9.ガイドレス共猟では良い仲間に恵まれれば、回収の問題は無くなり、ガイド猟で数十回以上の勝負経験を積めば一応は可能になりますが、回収や残滓の処理に大幅に時間を要し、出会い数は益々減少します。ガイド猟に比べ結果的に1桁ダウンの出会い数を更に2人でシェアするのですから、ガイド猟時に比べ成果の超大幅ダウンは避けられません。ガイドレス共猟にはそんな覚悟が必要です。

10.遠射はライフル猟の華ですが、不安が少しでもあれば命中しないのが実戦射撃です。
150mゼロインでは250m以遠には落差補正が望ましくなりますが、目測では非常に大きな誤差が生じます。その為に落差補正には大きな不安が付き物になり、命中しないのが普通です。
銅弾ならではのヒットポイントを利用する手法があります。それは前足の延長上の背骨の交点であり、その上下ラインは全て即倒が可能、これをりようすれば300m遠射も直撃照準が可能となります。

11.もう一つの華はランニング射撃ですが、静的でも100mを超える射撃は舐めて掛かれません。
しかし弾は200mまで概ね真っ直ぐに飛びますから、弾の飛行時間に鹿が移動する量を合わせれば命中 する事になりますが、これを確実に命中させ様と言うのは不可能への挑戦になります。
鹿の走る速度を36km/hと仮定すると10m/sになります。一方で弾の飛行速度は1000m/sと仮定しますと、100mを飛行する時間は0.1秒、その間に鹿が移動する距離は1.0mとなります。

従って1m前を正確にキープしながら撃てば命中する事になります。この射撃方法をリード射撃と言います。射的距離や動的移動速度が一定のランニング射撃競技にはもっぱらこの手法が使われます。
メリットは目視照準で命中させられ、導入し易い点にありますが、実戦では下記の様に目標の移動速度や射程距離によりリード量を毎回大きく変えなければなりません。

実戦に於ける射程距離は50~200mと広範囲、鹿の走る速度は40~50㎞/h、弾速は800m/s程度、弾速低下は無視して構いませんが、しかし鹿の走る方向は相対角度ゼロの真横から真っ直ぐ逃げる90度の場合まで様々です。この広範囲に対し、目測の場合は落差補正と同様に速度も距離も非常に大きな誤差を生じ、その結果導き出されたリード量は不安の塊りとなり、不安要素があれば命中しないのが実戦射撃です。

目測が重要項目であるリード射撃では実戦に不向きです。そこでケンさんが考えたのがスイング射撃です。動的を追尾し、追い越した所で見ないままで引き金を引くと言う極めて単純な手法ですが、予想通り結構上手く行く射撃方法であり5日間に50頭を捕獲、その間に3度の5発5中を記録出来ました。
ショットガンに於けるクレー射撃と同じ手法と言えばその通りなのですが、普通のショットガンハンターの95%は引き止まり射撃をし、引き止まりの分だけリードを大幅に大きくしなければ命中しません。
これをそのまま動的ライフル射撃に持って来ても精度的に実用性はありません。

スイングを止めずに追い越すタイミングを見ないままで引き金を引けば、リードは一口に言って約1m程度です。鹿の胴体は長く、即倒は別にしてもヒットさせる事は極めて容易なのです。
3発ヒットさせますとショットガン効果により、命中部位に無関係に即倒し捕獲出来ます。
詳しくは狩猟大全集のスイング射撃の項を参照して下さい。この射撃方法も頭で分かろうとせず、教えをそのままフルコピーをすれば意外と簡単に成果を出せ、成果が出れば自然に全てが分かって来ます。






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Posted by little-ken  at 15:18 │ハンティング銃と弾