2019年12月24日

狩猟を卒業して思う事。

ケンさんの狩猟は2016年6月のナミビア猟にて、ミスショット2000㌦の圧力下、380mの超遠射で角長138cmと言う歴代ナミビア記録25位の超大物クドウを捕獲した時、最早庶民価格の延長でこれ以上の狩猟は出来ないと悟りました。それで狩猟を卒業する事を決めました。この時66歳でした。そしてライフル銃の最後の捕獲となったのは同年10月、最後のエゾ鹿となった83cm、ショットガンではその少し後の翌年2月のNZのパラダイスダック猟の85発で47羽でした。

狩猟を老後の楽しみに残す道もありましたが、ケンさんはずっと長らく極める狩猟を目指して来ました。2016年にもはや限界を悟り、それで卒業する事にしましたので、ライフルもショットガンもその直前に最高のパフォーマンスを出しており、こう言う終わり方もありかなと思っております。

実際に銃を返納したのはやはり人間ですから未練もあり、2016年時点で所持許可の更新しない事を 決めましたが、返納は所持許可有効期限切れ時のライフル銃が2018年、ショットガンは2010年となり ました。愛銃はそれぞれ市販の玩具銃と合法部品を組込んでディスプレーモデルとなり、今もすぐ手の届く位置に飾ってあります。

日本の銃行政や狩猟行政は世界中にない特殊な環境を持っています。
銃所持には世界で最悪の手続きや審査を要し、銃を所持出来る人の数は非常に少ない状態です。
そして狩猟をするには自分の銃でなくてはならない、これも世界とは大きな違いです。
海外では友人の銃を借りて狩猟に参加したり、年齢制限の満たない子供に親が銃を貸し狩猟に参加 させる事もよく見る光景です。

日本の実際の狩猟では禁止されている場所以外は全てOKと言う制度が海外とは非常に大きく違う点です。その中には狩猟お断りの表示がしてない限り、他人の土地に無断で踏み込んで銃をぶっ放してもOKと言う、世界で例のない状態が含まれます。ケンさんの大量捕獲の子の制度のお陰と言えます。海外では狩猟の出来る場所が決めてあり、それ以外は全て禁止なのです。勿論他人の土地に銃を持って入り込めば、正当防衛で撃ち殺されても文句は言えないのが普通です。

シカやイノシシやクマやヒグマが撃ち放題の獲り放題と言うのも海外にはあり得ない制度です。
海外では大物1頭毎に料金を払ってライセンスを購入しなければなりません。
熊類は別にして獲れる量も日本は桁違いです。ケンさんは2007年に大量捕獲を依頼され、5日間で エゾ鹿50頭を捕獲した事があります。捕獲したシカは売り先と売り方によって1頭が2~1万円でした。海外ではシーズンに1頭だけと言うのが普通ですから、極端な違いです。

鳥類にしましても捕獲はかなり豊富でした。若い頃30歳前後のケンさんは毎朝出勤前にカモ猟を行い当時の定数であった8~10羽を捕獲し、夕方に売却するバイトをしておりました。カモの習性をかなり 把握し、何処に行けばカモに会え、そして回収を拾うだけにするには何処からどのタイミングで撃てば 良いのかが分かっており、出勤前の短時間に定数捕獲が可能だったのです。当時月給は5万円程度、それがカルガモなら1羽が2500円、海ガモでも800円でしたからちょっとしたバイトになりました。

しかし当初は如何にして獲物と出会うかが最大のテーマであり、次の段階では如何にして捕獲するかでしたが、最終的にはもはや出会えて当たり前、撃てば命中して当り前となり、如何にして効率良く回収出来る撃ち方をするか、大量捕獲するか、これがテーマとなりました。

銃を卒業して改めて振り返りますと、捕獲成功させるには後追い的な射撃では非常に効率が悪く、その場合ではマグレ以外に殆ど成功しません。如何に周りを良く見て、これから起こる事を予測して、それに合わせた射撃をするに尽きる事が分かりました。つまり心の錬度が圧倒的重要なテーマだった事が分かりました。その次元が低ければマグレ以外の捕獲は無く、徐々に次元が上がって捕獲はある程度可能になっても回収困難となる事が多い、やがて希望の場所に墜とせる様になり、また連射による選んだ良い獲物だけの大量捕獲も可能になりました。

勿論これはライフル銃を使うシカ猟に対しても同様でした。
走る鹿に対し、連射で命中させる事も初期には絶望的でしたが、やがてはそれ程の難度ではなくなり、回収が容易な場所に倒す事も言うまでもなく、先の5日間で50頭を捕獲した時は5発5中が3度決まりました。心が先を読めていればその射撃は成功し、読めなければ多くはかすりもしない失中に終ります。

ライフル銃の遠射の敵は落差補正の不安です。150mゼロイン時、300m時の落差はそれほど大きく なく、背中の線を狙えば心臓にヒットする程度と思われます。思われますと言うのは実はケンさんは正確な落差を知らないままですが、全依託射撃なら300mは外し様の無いイージーショットだと思える様になりました。落差不安、遠射成功の最大の敵はこれだったのです。

それらは心の錬度で決まりますが、これを上げる為には失敗を経験する事です。
失敗からは多くを学ぶ事が出来、これの積み重ねで心の錬度が上がると思われます。
ケンさんにも成功を遥かに超える失敗があり、その結果1050頭余の捕獲となり、内超大物33頭の捕獲 成功となりました。失敗は実戦に参加しなければ得られません。狩猟能力は経験年数で何年ではなく、実戦参加日数で評価した方が正確です。それで行きますとケンさんの推定実戦日数はショットガンを 始めた時から約2000日、シカ猟を始めた時から約900日となります。

銃を手にしていた頃はケンさんの考えも如何に銃を扱うかだけに特化し、その方面ばかりをもっぱら  追及していたのですが、銃を卒業してから改めて考え直しますと、それは間違いで心の錬度が最も必要なメインテーマだった事が分かりました。従って高精度な高額カスタム銃も少しは貢献しそうですが、全く役に立たない事が判明し、射撃技術としてのワンホールの追求には意味がありますが、弾のハンドロードによるチューニングによる精度やパワーの追求には全く意味が無かった事が明確に分かりました。

2000年以降の銃は市販状態で市販弾と組み合わせでも100mでワンホール崩れが出せる精度があり、300mの遠射に耐えられます。従ってフリンチングを乗り越えて銃だけに撃たせられる様になれば、必然的にワンホールは達成され、そして300mの遠射も達成されるのも時間の問題です。
更にワンホールの技術があれば、スナップショットと組合わせた150mアバウト早撃ちが可能になります。早く撃てる事は実戦で非常に大きな意味がありますが、技術的にはこの程度で十分だったのです。




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Posted by little-ken  at 15:13 │ハンティング