2019年11月04日

愛銃SKB 1900改 ディスプレーモデル。

前作ライフル銃のサコー75改の場合は、サコー75に玩具銃VSR10の部品を如何に上手く組込むかと言うイメージでしたが、今度はマルゼン1100に対して如何にして多くのSKBパーツを上手く移植するかと言うイメージになります。
愛銃SKB 1900改 ディスプレーモデル。
当初の外観調査ではストック等の大物の移植は難しく、外観イメージをなるべくムードを保つ様にする小規模の移植に留まると考えられていましたが、詳しく分解調査した結果、かなりの部品が近似寸法で出来ており、大幅な加工を伴いますが、頑張れば移設が可能である事が分かりました。

その範囲はストック元台、先台、廃化したバレル、フロントエンドキャップも移設が可能である事が分かりましたので、結論としてレシーバー本体とトリガーユニットがマルゼン1100のまま残り、外観は概ねSKB1900が保てそうで良い方向が見えて来ました。

そしてもう1つ予想外として、マルゼンレシーバーユニットはそのまま残りますので、実物12番より僅かに小さいマルゼンカートによれば、装填&脱砲のアクションは可能となります。トリガーも動作可能ですが、実銃とは程遠い酷いマルゼンフィーリングンのままです。

ストックにはその昔にたくさん世話になったダミーカートを入れました。
左から1965年国産初の狩猟用市販装弾(初期の数年間だけ紙薬莢)である日邦工業のダイヒット装弾(国産初射撃装弾は1964年のマーキュリー)、日邦工業がライセンス生産した強力なレミントン装弾、現在のダイセルとなった吉沢商会のディアブランドのリムのみが金属と言う意欲作品の廉価装弾、キジとカモの絵がお馴染みだった旭精機のアポロ狩猟装弾、走る馬がトレードマークの日本装弾のウインチェスター弾、アメリカ製のメタルベースを一切無くした意欲作品のアクティブ弾と並びます。
愛銃SKB 1900改 ディスプレーモデル。
早い話が消費が多いので安い弾を求めていたのです。
最も安かったのはリムのみが金属だった吉沢商会のディアーブランド装弾で20円/発でした。
日邦工業がライセンス生産したレミントン弾は特許でガードされたNO.1高性能装弾でした。
スタークリンプとカップ1体型のワッズを使った今では極めて普通の構造ですが、当時はレミントンの特許が有効(15年間)で他社メーカーは手間暇コストを掛けて特許を逃れる構造を採用していました。
愛銃SKB 1900改 ディスプレーモデル。
他にも多少お世話になったのは左から日本装弾のジュノー装弾、ダイセルとなり普通の構造となったディアーブランド装弾、この時代の安売り弾は古い機械を使っている為にスタークリンプに対応出来ていない事が特徴でした。これらメタルベースの装弾は自動銃でも使えましたが、撃ち出された散弾郡は蓋に当り多少乱される欠点がありました。その蓋には多くの場合は入っている散弾粒の大きさの表示がありました。

使える境界は3番目の吉沢商会時代のリムだけ金属の前写真と同じディアーブランド弾、これは自動銃でも快調に回転しケンさんもかなり使いましたが、自動銃のハンターからは嫌われており、やがて左から2番目の普通の薬莢構造に戻りました。

その右4番目は吉沢商会時代の超意欲作品の全金属を省略したディアーブランド弾、これは2連銃では問題は無かったのですが、時代は狩猟用には自動銃がメインとなり、廃莢出来ないトラブルが続出し短命でした。

5番目は金属を省略したオール紙製のホシノ工業製のジュピター装弾も同様のトラブルでした。

6番目は日報工業が紙薬莢だけ供給した小さなメタルベースのダックブランド装弾、他にもたくさんのブランドがありましたが、この時代にはまだメーカー装弾はデビューしていない、自動銃がまだ普及していない時代でした。この時代は各人がハンドロードするのが普通ですが、銃砲店が家内工業で組立てた装弾を売っていました。

結局メタルベースを省略しても自動銃で全く問題なく使えたのはスタークリンプにも適応した前写真の最右のアメリカ製アクティブ装弾だけでしたが、時代は射撃用が28gに減装され、やがて24gに減装され、ヨーロッパ製の安売り装弾に押され何時しか消え去りました。

射撃用が減装されるまでの頃はハンターも元気で数も多く、射撃用装弾と狩猟用装弾の価格差は僅かでした。類似価格でしたからケンさんもこの頃はまだカモ撃ちには4号~6号装弾を多用していました。

射撃用減装弾が定着した後には狩猟用装弾は射撃用装弾の2倍を超える価格となり、以後のケンさんが最も多用したのは旭精機の今も同じブルー薬莢のアポロ32gの7.5号装弾でした。
(今は色が少し薄くなりナイキ装弾)

この頃になるとカモ撃ちの出来る場所がハンターを締め出す様になり、多弾消費のハンターはいなくなりました。またハンター全体も少なくなり、且つ高齢で出撃日数減もあり、狩猟用装弾の消費も激減、価格2倍以上も妥当と言わざるを得なくなりました。

  7.5号弾の運用とその有効性。
装弾の余りの価格差でやむなく運用を始めた7.5号射撃用装弾でしたが、間もなくリード不足を追加調整すれば、むしろ撃墜率が大幅に向上する事を発見しました。

4号装弾を運用している狩猟友人は距離が遠くなり射撃を中止、その後から撃ったケンさんの高速3連射の7.5号弾は見事ダブル撃墜、そんなシーンが何度もありました。
こんなシーンを何度も何度も見せ付けられた駆除の猟友会員はやがて7.5号装弾以外を使わなくなりました。

  紙薬莢弾の構造と性能。
紙薬莢装弾は永らくボール紙のワッズにフェルトのコロスが使われており、弾速は最大でも300m弱/s程度でした。勿論薬莢の口巻はロールクリンプ、散弾がこぼれない様にボール紙の蓋を入れてロールクリンプをします。
使用火薬は永らく黒色火薬、1984年に無煙火薬が発明され、ライフル弾の世界は直ちにこれを採用し圧倒的高速弾に変身しましたが、散弾装弾の世界では状況が異なりました。

まず1970年当時までの散弾は使う直前にハンドロードするのが一般的でした。
理由は黒色火薬や当時の雷管は非常に湿気易く、不発が多くなる事を防止する為です。
火薬を無煙火薬に変更する事は可能でしたが、フェルトのコロスのクッションでは役不足で散弾粒が変形し、同時に銃身壁に擦られる散弾は解けて変形し、パターンを乱し、またボール紙のワッズではガス漏れが多くなりこれもパターンを乱しました。そんな事情から無煙火薬にする意味も薄く、以後も永らくは使い慣れた黒色火薬が使われていました。

紙薬莢以前は互換製のある金属薬莢も多く使われました。
また飛鳥射撃をしないので火薬や散弾の消費の少ない30~410番が多く使われました。
銃は村田軍用銃を30番にしたボルト式の村田銃や、米単と呼ばれたアメリカ製の中折れ単発銃が使われました。弾の内部構造は同じで、1番上の蓋は蝋で止められました。
金属薬莢は丈夫で長持ちしそうですが、過大圧ですぐに膨らみ、必ずしも丈夫とは言えず、過大圧に関して言えば紙薬莢の方が丈夫と言えましたが、紙薬莢は12番と20番に限られ、それ以外はすべて金属薬莢でした。

  市販装弾の価格。
市販装弾の歴史は意外と新しく、1960年(昭和35年)に旭精機が紙薬莢を用いた工場生産装弾の量産を開始した事から始まりました。
勿論無煙火薬になっており、散弾はプラのカップに入り、ワッズもコロスもレミントン特許を避けたプラスチック製、そしてスタークリンプになっており、弾速は350m/s程度に向上しており、最終的には最大450m/sまで達し現在に至ります。

1970年にケンさんが初めて撃った装弾もスタークリンプのマーキュリー紙薬莢装弾でした。
ハンドロードも末期の頃になりますとやっと無煙火薬の普及が始まりました。
1970年前半代はまだ多少は黒色火薬や紙薬莢装弾が売られていましたが、1970年頃にはプラ装弾に代わりました。

紙薬莢弾は全天候性能がやや不足し、古くなると雨天時に水を吸って膨張し使えなくなる欠点がありましたが、通常使用には全く問題はありませんでした。
ケンさんは売れ残りの紙薬莢装弾を大量に安く仕入れ、当時自動銃でカモ撃ちに使っていました。
やがて1970年当時(月給3万円)50円/発だった装弾価格は徐々に下がり始め、1980年頃には月給は10万円、装弾は20円/発まで下がりました。

現在では射撃用装弾は50円前後/発、狩猟用装弾は100~200円/発、スラグ弾で200~400円/発、エゾ鹿用サボットスラグ弾で600~700円/発程度です。
1970年当時バス代は15円、これを節約する為に毎日20分歩きました。
25円でうどんやそばが食べられましたから装弾1発が50円と言うのはかなりきつい出費でした。

  スラグ弾の話。
1980年頃までのスラグ弾は丸弾の1粒弾でした。ロケット噴射する訳ではありませんが、ロケット弾と呼ばれ、全ての鳥撃ちハンターのチョッキの胸には突然の猪等との出会いに備えて2発が差してありました。

フルチョークから撃っても安全な様にスカスカの寸法、一方精度に付いては20~30m程度、確実なのは最初から獣道のコースに銃を向けておき、10mまで引き付けて撃つと言う、腕よりも肝で撃つ時代でした。

やがてスラグ弾は風切り羽が切られたフォスタースラグ弾やブレネッキ弾となり、前者は50m、後者は80m程度の射程を持つ様になりましたが、50~100mにいるエゾ鹿には苦しい状態が続きました。

1990年代後半になりますとサボットスラグ銃が登場し、ライフルにそれ程劣らない精度を持ち、且つ120m程度の直撃射程を持つ様になり、初心者でもエゾ鹿とまともな勝負が可能となりましたが、150m射撃はスクールでも成功した生徒はおりません。

これがライフル銃ならば命中するのかと言えば、条件的にはやや良くなりますが、まず命中しません。ライフルは200mの直撃能力を持ちますが、それには更なる高度な射撃技量が必要であり、ライフル銃が150m射撃の解決策になる可能性はゼロ%です。



さて間もなくまた再入院、今度は退院後の作業が出来ないかも知れず、ディスプレー銃の完成はまだかなり先の事になると思いますが、頑張り続けたいと思います。




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Posted by little-ken  at 20:56 │ハンティング銃と弾