2019年10月05日

憧れの連発銃。

   ウインチェスターM100 と シャープCO₂-5
憧れの連発銃。
                       ウインチェスターM100

前作ウインチェスターM88は1955年レバーアクション銃でデビュー、デビューしたばかりの308を使用するスコープ対応の意欲作でしたが、同じ1955年デビューしたレミントン740の30-06オートには敵わずでした。しかし1960年にオートになってM100としてデビューするや否やライバルレミントンを蹴散らし、ウインM100がベストセラーとなりました。外観上の相違は装填レバーがオート型のボルトハンドルに変わった程度です。

基本的にオート派のケンさんは、何時の日にか、このカッコ良いウイン100を所持しよう心にと決めました。このカッコ良さを受け継いだ空気銃がありました。シャープ-CO₂-5と言う5連発の炭酸ガスを使う空気銃でした。18歳なるのを待ってこのシャープ-CO₂-5を購入しようとしたのですが、銃砲店のアドバイスで5連発も実際は1発で全ての獲物が逃げるので役に立たず、炭酸ガス銃は元々弾速が速くない事に加え、冬場は炭酸ガスの活性が低下して、更に弾速が下がりガッカリするから辞めなさい、と言う事で見送りました。

代わって購入したのは単発アンダーレバーポンプ式の絶版久しい兵林館ASと言う空気銃でした。
1発毎にアンダーレバーを3回圧縮する単発銃でした。精度もパワーも現在にもそのまま通用するレベルで、30m先の雀の頭を外さない精度と70m先のキジバトを貫通するパワーを持ち合わせていました。しかし散弾自動銃の5連射3羽撃墜を見せ付けられ、心はもう連発のショットガンに移り、連射こそ狩猟最大の醍醐味と思う様になり、この時からケンさんは完璧にオート派になっていました。

そして早々に中古のSKB1900オートを入手し、ケンさんも5連発を存分に謳歌したと言いたいのですが、 実実用化に数年を要しその間に5連初時代は終わり、謳歌出来たのは4連発時代、更に数年後には3連発になってしまいました。しかし高速3連射等々の新射法の開発に成功し、また撃墜率のベストは7.5号装弾の小粒弾にある事を発見し、毎朝定数の8羽を捕獲し夕方に売却、カモ撃ちのアルバイトで本業以上の高収入を得ておりました。

オートによる連射で鹿の群れの中から3段角大物をバッタバッタと倒す、或いは逃げるビッグトロフィー大物を連射でカバーする、これはハンターたる者の永遠の夢であります。勿論ケンさんも同じでした。
しかし散弾のバラ撒きショットガン効果を期待する連射は容易でしたが、ショットガン効果が全く期待出来 ないスラグ弾の連射で急所を撃ち抜くとなりますと、それは絶望的な高嶺に咲く花の様に見えました。しかしその手法は必ずある筈だと思い、何時の日にか、そこまで辿り着きたいと思いました。

   レミントン1100ディアーガン
憧れの連発銃。
       上:レミントン742ライフル銃  下:レミントン1100ディイアーガン20番

将来はライフル銃で走る鹿をバッタバッタが夢なのですから、ライフル銃レミントン742と類似のレミントン1100ディアーガン(写真下)のスラグ専用銃を最初の銃として選びました。そして走る鹿を想定したトレーニングを 繰り返したのですが、いざいざ初戦の現場ではバッタバッタ処か、見事な全弾失中に終わりました。

失中の原因はその時は分かりませんでしたが、後刻照準器の欠陥である事が分かりました。オープンサイトは古くから使われている照準器ですが、照門と照星と獲物の3つを同時に見通さなければなりません。指向性を追求したリブ銃身に比べ、指向性が殆どゼロですから、照門を通して照星を見損なうと、どちらにどれだけズレているのか、全く分からなくなってしまう欠陥がありました。ライフル銃であるレミントン742も使いましたが、同じ照準器の欠陥に加えて、精度も回転性能も思った程良くなく、本銃は失格となりました。

憧れだったウインチェスター100に代替えも検討したのですが、撃針が折れると暴発をすると言うリコールがあった事、やはり設計年代が古く、使用弾は同じ308でも100m程度の実用性しかない事が分かり、同様に15連発のM1カービンもカッコ良いと思いましたが、30カービン弾は100m以遠の精度不足とパワー不足でエゾ鹿猟には使えない事が分かり、見送られました。この頃からエゾ鹿猟も視野に入っていたのです。

   ルガー77スコープボルトアクション専用銃
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                     ルガー77スコープ専用銃308

結局次に使ったのは精度と回転性能がもう少しまともである事を願ってボルトアクション銃を購入しました。仕様は今までの経験から撃つ機会も少ないだろうと見て軽量型を選択しましたが、これは大失敗でした。成功したのはデビューしたばかりのスコープ専用銃を選択した事、そしてプラ銃床のステンレスモデルを選択した事でした。そして最初のエゾ鹿は踏み出しで50m先の森の中を走る中型エゾ鹿でした。特に走る鹿を撃つつもりも無かったのですが、結果的には意図も簡単に命中しました。

当時のスコープは100m以遠にはそれなりの価値があるが、近距離の動的は絶対に適さないと思われていました。先のオープンサイトの欠陥を考えますと、スコープ専用銃としてストックの調整が合っていれば、近距離の動的を捉える事は少なくともオープンサイトに比べれば遥かに簡単で圧倒的に優れていました。従来スコープが動的を捉えられなかったのは、スコープを後付けし、ストックがそのままであった為、眼の位置が定まらず、動的を捉えられなかったのが原因だったのです。
残念ながら意外と多くのハンターが未だこれを理解出来ていない様です。

   オートの夢が捨てられず、再びオートにチャレンジ
さて前項までの事実から、オープンサイトのライフル銃は使い物にならないが、スコープ専用のライフル銃は静的にも動的にも十分に使える事が分かりました。
実はルガー77は軽量モデルを選んだ事もあって余り命中精度に優れず、そこでデビューしたばかりの並のボルト銃以上の命中精度を謳うH&Kオートを購入し、遠射とランニング射撃に挑戦する事にしました。尚、本州鹿用対策としましては、12番21インチのリブ銃付短銃身のバックショット専用銃で対処しました。
憧れの連発銃。
                       H&K SL7 オート308                    

1998年、初の実射をしますと謳い文句に偽りはなく、数年後には150m5発のテーブル撃ちが12mmに纏まりました。H&Kは5発のグルーピングはよく纏まっても、その繰り返しは今一つ安定しない欠点がありました。不安定と言っても最大で±5cm程度、300m遠射でもボデーには十分にヒット出来る筈でした。

しかし射撃時の心の不安が反映され、300mの遠射は只の1度も成功した事が無い処かボデーにヒットした事もありませんでした。命中率が劣らないのであれば、銃はオートが絶対に有利、本銃選択は大正解に見えましたが、実はこの次項のサコー75によって、全くそうではない事が完璧に証明されてしまいました。

そう言う欠点はありましたが、3年間に90日の出撃から3000発を走る鹿に向けて撃ち、ランニング射撃のスイングショットを完成させる事が出来ました。その性能は次の通りでした。最大射程距離は100m弱程度、平均5発強で1頭捕獲と言う程度で、本銃では約350頭を捕獲、内150頭以上が走る鹿でした。ランニング射撃は完成したかに見えましたが、実はまだまだ未完成、これも次項サコーによって完璧に証明されました。

   サコー75改ボルトアクション銃
憧れの連発銃。
                      サコー75 バーミンター改 308

まだ未達成の300mの遠射を成功させるにはやはりボルト銃しかないのかと思い、精度の良さそうなサコー75バーミンターを2006年に購入しました。H&K時代には高精度のラプア150円/発を使っていましたが、超ユーロ高で250円/発となった為、アメリカ製のウインチェスター安売り弾の120円/発に変更、その為にサコーのベストグルーピングは150mの5発が19mmに留まりました。

しかしその安売り弾の弾頭をバーンズトリプルXにすげ替えた弾は、苦も無く初回から連続で300m遠射に成功、また全依託射撃では540mでも2連続即死、以後300mはサコーのお陰で外し様の無いイージーな射撃と思える様になりました。

一方でボルトにすればH&Kオートに比べ、ランニング射撃性能は半減以下になる事を覚悟しましたが、いざ撃ってみますと驚いた事に、初端からH&Kオートよりも遥かに良く命中しました。
データを取って見ますとH&Kの射程が100m以下であったのに対して、150mが楽勝になったばかりか、200mでも十分に全く問題なく、射程距離が驚きの2倍に伸びました。距離が2倍になったにも拘らず、命中率は2.7発/頭とこれも約2倍になりましたから本当に驚きました。

銃を交換直後に300m遠射とランニング射撃の総合効率4倍の大記録を早々と立ててしまったのですから、サコーボルト選択は大正解と言えます。そしてランニング射撃はその後も進化し、同じ狩猟年度の2007年1月、朝夕各々5頭ずつを5日連続捕獲 計50頭の大記録となりました。その間に5発5中を3度記録、3度再現出来ればもうマグレではありません。以後は回収が大変なまとめ捕獲は控え、最大でも2頭までに留めました。

更に驚きはこれに留まらず、連射速度に於いてもH&Kオートよりも少し速い連射速度である事を発見しました。ケンさんの射撃方法は発射後に肩から銃を降ろし、再装填しながらのスナップスイング射撃です。オートは発射するとスコープから目標が消えてしまい、再捜索の後にランニング射撃の再開となり、ここに時間ロスと心の焦りが生じますが、再肩付け射撃では射手の体は追尾を継続しており、スナップスイング射撃でいきなり再開出来るので、連射速度も速く、且つ見失っていない事で命中率も高かったのです。
憧れの連発銃。憧れの連発銃。
       左:ウインチェスター1873             右:サベージ1899

連発銃の歴史は概ね西部開拓史の時代にウインチェスター1873によって始まりました。しかしウイン1873は連発数が多くても、コルトピースメーカー用の拳銃弾では用途が自衛用や近距離の鹿程度に限られました。

本格的連射ハンティングライフルはレバーアクションのサベージ1895、全く新しい無煙火薬の新弾薬303サベージで デビュー、30-30のウイン1894とベストセラー争いを続けましたが、サベージ改良型1899は308級の新弾薬300サベージの追加やスコープ運用が可能となりやがてベストセラー、対するウインはスコープ対応が大幅に遅れました。ここにスコープは登場しましたが、専用銃のアイデアはまだもう少し後の事になります。

西暦1500年頃に銃が実用化されて以来、世界中の多くのハンターが ずっとずっと夢にまで憧れた 連射 ですが、連射を得意とする最新型オートが何時の日にか当然の様に達成すると思われていました。しかし達成は連射が最も不得意に見えた旧型のボルトアクション銃の再肩付け射撃によってなされました。

最も貢献したのは1990年頃からのスコープ専用銃のアイデアであり、専用銃が故に可能になったスナップスイング射撃だったのです。同時に分かった事として、期待の星だったオートライフルはスコープ専用化してもそれ程は役に立たず、オープンサイトのオートライフルはその存在意味さえが全くないと言う事でした。

尚、スコープの倍率は結局6倍ニ落ち着、出会い頭15mのヒグマに対しスナップショット1発、またヒグマ5頭は森の中の50m以内を走っていましたが、しかし6倍のサコーボルトは当然の様に命中しました。森の中のド至近距離から300m超の遠射まで、また200m級のランニング射撃5発5中の成功はスコープ専用化したボルトアクションライフル銃と自らが開発したスナップスイングショットのお蔭と言えます。オート派のケンさんがこれを証明してしまったのも何かの腐れ縁と言えます。

ケンさんは2006年度中にライフルハンターの憧れる項目の概ねを達成出来ました。内容は半委託150m5発が19mmのワンホール、肩に銃が着く前に撃てるスナップショット、鹿が逃げる前に撃てる150mアバウト早撃ち、直撃300m遠射法の発見、5発5中のランニングショット、5日間でエゾ鹿50頭の捕獲、超大物エゾ鹿の迫力負けの克服、猛獣ヒグマに対する恐怖負けを克服、等々があります。

サコー中盤以後は悪評のロシア製弾に初期型バーンズ弾頭と言う超悪評コンビ弾、それでも実戦での不満は皆無、射撃は銃や弾の精度よりも、射手の心が1番影響し、心の不安が最大の失中要因である事が改めてよく分りました。

おかげ様で2016年には庶民の手の届く大物猟の全てを達成、2018年にはライフル銃を無事に卒業出来ました。この過程をまとめた物が狩猟大全集です。そのPDF版を読めば、連発銃が始まった150年前から世界中のハンターが憧れた連射が、読者なら手が届く位置になりました。
ランニング射撃の理論は難解ですが、やるべき事は非常に簡単、スイングで追い越す時に引き金を引くだけなのです。イメージトレーニング1万回で正しく再現出来れば必ず誰でも命中します。

まずは出来る様になられては如何でしょう。
手法はスコープ専用化したボルト銃の再肩付けスナップスイング射撃です。






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Posted by little-ken  at 15:34 │ハンティングライフル所持ランニング射撃