2018年09月26日

加齢による反応能力の低下。

筆者はバレーボールに縁があり、そこから多くの事を学び発展し、更に嬉しい事にここから発展した考えで仕事や狩猟にも大きな成果を残す事が出来ました。

岡崎工業を卒業後も9人制の草バレーをしばらくしており、社内バレーボール大会等では大活躍をしておりましたが、間もなくバレーボールから離れて狩猟に熱中しました。
その後は30年近くバレーボールから離れていましたが、50才頃かつての同級生に誘われてソフトバレーと言う4人制の低いネットで戦うバレーボールで再開する事になりました。当初は手にボールがまともに当らず苦労しましたが、やがてジャンプ力以外は往年のプレーの全てを再現出来る様になりました。更にソフトバレーのボールは本物より数十%ゆっくり飛びますので、そこから新たな技法も幾つか開拓出来ました。

その後66歳まで、ソフトバレーを楽しんで来ましたが、人間の能力と言う物は50歳を過ぎると予想よりも著しく急速に低下して来るのをまざまざと見る事になりました。
筆者の能力も衰えているのですが、ありがたい事に若い頃に取得した読み能力のお陰で行動が早く且つ正確ですから、65歳頃までは同年代に圧勝ところか相当若い世代のチーム相手でも、少なくとも善戦出来る程度に動けます。但し相手が高度な本格派集団の時は敵いません。

筆者は2つのソフトバレーのクラブに入っておりました。その当時はどちらもメンバーも20人以上が居ましたが、やがて反応速度が遅くなり過ぎて離脱する人が多くなり、片方のチームは何時しか紅白戦の定員である8人の維持が難しくなりました。定員割れになっても3年程は続けて来たのですが、とうとうビーチバレー紅白戦の定員である4人の維持すら難しくなり、2013年を以って解散する事になりました。もう1つのチームも3年後の2016年に同じ理由で解散しました。

50歳前後からの反射時間が急速に長くなると言う能力低下に付きましては、こんなにも激変するのかと驚きの連続でした。読み能力と一口に言いますが、その前半は現状認識能力で後半は応用能力です。

50歳前後までは多少能力が劣って来ても通常のパス程度のボール速度には対応出来ますが、60歳になりますとその遅いボールであっても対応の方が遅くなり、ボールに付いて行けなくなりました。
筆者は高齢になっても少しなら進化はまだ可能と思っておりますが、世の中はそう思う人はいない様です。また読みの手法に切り替える様に多くの人に奨めて来ましたが、唯の1人も変える事は出来ませんでした。

2例ほどの実例をあげて見ます。
  その1:男性70歳の場合:
筆者も今や70才直前と言われる年代になりましたが、ソフトバレーチームを50歳で始めた時、すでにその男性はおられ、その後も数年活躍され最終年齢が70歳でした。反応が超遅く、最もイージーボールである顔の正面に於いてもパスが正しい方向に飛ぶ確率は20%程度、つまりドシロートのレベルでした。

体を動かした方が良いからと言う理由だけで参加していると思っていたのですが、最後に辞められる時に言われた言葉が忘れられません。それは「俺は若い頃から運動が大得意、どんなスポーツでも(我流ですが)誰にも負けない自信があった」と言うのです。
と言う事はそんなにも運動神経に自信があり、且つスポーツをずっと続けて来た愛好家であっても、加齢による判断能力の低下は避けられなかったと言う証明になります。

  その2:女性60歳の場合:
この人は筆者が所属する片方のクラブのリーダーであり、筆者が50才で入部した頃の彼女は47歳でした。チーム内では筆者を除くNO.1の上手さで本人もそれが大の自慢でした。
しかしプレーも上手く反応も速いのですが、次のプレーは全く頭に無い人でした。

それが僅か10数年後、驚愕の大激変、加齢と共に状況認識が著しく遅くなり、ボールに付いて行けなくなりました。60歳チョイ前の若さであるにも拘らず、事例1の70歳男性と同等までに能力が低下し、とうとう体の正面に来たイージーボールに対してもオーバーパスかアンダーパスかの決断が付かない内にボールが到着してしまい、対処出来なくなってしまいました。彼女は最後の4人になるまで生き残りましたが、他のメンバーも含め、加齢による状況判断能力の低下が最終的な解散の主原因となりました。

2つの事例の共通点は、若い頃には誰にも負けない程の自信があったと言う点と、次元の低い自己満足に陥っており、更なる向上心が不足していた点です。
筆者は類い稀な程に運動神経が鈍く、独自の読みによりこれを克服して来ましたのでそう言う方面の低下は少な目ですが、残念ながら筆者の様な人物には出会った事がありません。

判断力低下が避けて通れない道ながら、1人でも能力低下の少ない側に残れる人が多くなる事を筆者は願っています。顕著な2例に付いて書きましたが、誰もが現状認識能力の著しい低下からは逃げられないと言う事実を認識しなければなりません。ではどうしたらその能力低下が少ない少数派になれるかと言えば、現状に満足せずに絶えず向上心を持つ事ではないかと思っています。

  その3:その後の筆者のバレーボール:
所属チームを全て失った筆者は1年ほどブランクが続き、その後ネットを通して隣市のバレーボールチームにお世話になる事が出来ました。50代前後の女性が多いチームで、20名前後でした。
正規のベレーボールを経由している人は少な目ですが、中々の運動センスを感じました。
すぐに追い付けるつもりが1年のブランクは予想外に大きく、 概ね追い付くのに2年近くを要しました。

その間には筆者も反応が間に合わなくなった高齢者の例の様に、判断が付かない内にボールが来てしまう事を初めて体験しました。これはそう言う体調の日もあると言う感じでした。
これは早いタイミングで判断を付ける様に行動パターンを改めて解決出来ました。

往年に戻れた様に見えましたが、アタックは打たれるとコースは読めていても、手をそこに持って行く動作が遅くなり、アンダーハンドで真剣白刃取りになってしまう事がありました。これも初めての経験でした。
60代初期の頃まではかなり速いアタックであってもコースが読めれば超スローボールで飛んで来るのでイージーレシーブでしたが、その後は加齢と共にその超スローボールが徐々に速くなり、67才でスピードボールの白刃取りになってしまいました。

最早これまでかとも思われたのですが、その他のプレーはかなり勘が戻って余力が出て来ましたので、運動不足解消の為にも他のチームをもう一つ探しました。
そのチームは30歳前後のママさんバレーの6人制でした。50年近いブランクがありますが、ちょっと試しに行く事にしました。久しぶりの本物のボールの感触はこんなにも小さく、こんなにも固く、こんなにも重く、と言う物でした。腕は青あざだらけ、1度で辞めては男が廃るともう少し通う事にしました。

6人制を10回ほど通った後、ソフトバレーに変化が現れました。
それは白羽取りになってしまうか、それより多少速いアタックが再びレシーブ出来る様になりました事です。全般的な能力の低下は避けられませんが、1時的にも少し回復したのは嬉しい出来事でした。
まだこの年になっても改善が可能である事が証明された事も嬉しい事でした。

もう一つ改善が見られました。それは2年前、1年ブランクで再出発した頃は、チームのお荷物とまでは行きませんが、皆さんの役に立てると言う程でもありませんでした。しかしその後、判断時期を早める事で概ねこれを解決しましたが、更に6人制を経験して反応がややですが更に良くなりました。

そして2年前、ボールに追従出来なくなった筆者をバカにしたスポーツ自慢の少数の彼女達はその衰えが顕著になり、試しにサーブを送り込んでみますと物の見事に筆者のサーブを5連続で弾き、明らかにボールに追従出来なくなっていました。

この2年で運動自慢だった何人かは皆一様に驚くほど遅くなり、2年前に比べると見る影もなくなり、50代前半から始まる反応時間の低下はスポーツ自慢だった人程健著でした。
また20名程いたメンバーも何時の間にか12名程度になっていました。
そんな様子で、今や対等を超え、再びこちら優位になって来たのです。
もうしばらく続けていれば彼女達に圧勝出来そうで、またバレーボールが楽しくなって来ました。







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Posted by little-ken  at 14:40 │バレーボール