2015年12月07日

憧れの単独猟とは。

多くの人が目指す憧れの単独猟とはどの様な物でしょう。

1人で誰の助けも借りずに、大自然の中で狼の様に自らの気配を消して、潜んでいる鹿を遠方から発見し、そして忍者の様に隠密アプローチし、そして立ち木の間を縫う様な困難な射撃をゴルゴ13の様に冷静にこなす、これが頭の中で目指している単独猟ではないのでしょうか。

実際は山を歩く事は余りにも大変で且つ危険です。足を捻ったら、ヒグマに出会ったら、道を間違えたら、・・・・・ 考えればキリがありません。
出会いも少なく効率も良くありません。更に100kgを大幅に越えた鹿の搬出は大変でもはや絶望的以外の何物でもありません。

結局は下記の様なハンティングカーを使い「流し猟」を単独で行う事になると思います。
憧れの単独猟とは。憧れの単独猟とは。
  ハンティングカーに必要な物、フロントガード(20年間で3回鹿と衝突)、電動ウインチと
  脱出備品類、ルーフキャリア、リヤキャリア、釣上げ装置、回収用ロープ300m、斧と鋸、
  そして悪路や雪道の運転テクニックです。

  パンクしたらJAFを呼べる街中や観光地とは訳が違い、スタックしても携帯圏外で連絡が
  付けられず、また連絡が付いてもサービスカーはそこまで入って来れない事も多く、自力
  脱出能力を持たなくてはなりません。そう言う所こそ鹿が多いのです。
  斧と鋸は倒木で道を塞がれても除去するには必需品です。
  倒した鹿を引っ張る為のロープワークも必需品です。


成功への1番の早道は古くからの諺にある通りやはり己を知り敵を知る事です。
もちろんいきなり1人で始めるのは自由ですが、鹿が何処にいるか分からず、仮に偶然近くまで行けても鹿の方が遥かに敏感で、射程距離まで接近する事はほぼ絶望的、勝負以前の話にもなりません。従いましてこれに勝利するにはどうしても多くの鹿猟の経験が不可欠になります。

しかし巻狩りではマスタープラン作成はリーダー任せ、鹿の捜索&追跡は猟犬任せ(エゾ鹿巻狩りでは猟犬を使わず勢子任せ)、しかも出会いを1回得る為には約7日の出撃が必要です。巻狩りでは何年やってもロクな勉強になりません。

ガイド猟ではこの点で何時も師と一緒にいますから、何時何処に行けば鹿に会えるのか、如何にして鹿を発見するかの各種能力が自然に身に付きます。またアプローチ法や、自然物を巧みに利用した半依託射撃術もそのまま単独猟にも役に立ちます。

出会い数は拙者の場合で行くと1日に5回ありますから巻狩りの35倍の出会いが得られ、これも単独猟独立の大きなメリットになります。
つまり憧れの単独猟成功への最も近道はガイド猟を50日行う事です。後は実戦教習50日を何年で達成させるかだけの問題、筆者の場合は3年でした。知り合いの北海道人で銃を始めて僅か1年でプロハンターとして独立した人もいます。彼の場合(同じ師)も実質50日前後でしたから50日学べば本当に単独猟に十分な技量となります。

ただ大物捕獲を目指す場合は大物に会えるノウハウはまた別物になりますから、それが出来るガイドの所で勉強しないとかなり効率が悪くなります。拙者の師であったガイドもこれは心得ておらず、結果的に言えばボス級にはそれなりの出現ルールがあり、又その撃ち方があるのですが、これは独自に勉強をしました。

そのおかげで今や出会い中の3段角率は70%以上、大物率は20%以上が平均的に可能になりました。これも単独猟に移行する場合にはまたと得難い良い経験になると思います。

技術の下積みを省略していきなり単独猟を目指す場合、地元の平均値以上の技術を持たないと出会いが得られ難いのが現状です。
エゾ鹿は1年中を通す駆除で追われており、その学習度も半端でなく今や出会いを得るのは容易ではないからです。

物事は基本が大事ですが、単独猟に限らす、そのステップを踏まずに行けば、獲れない屁理屈的理由を言うか、或いは捕獲だけが狩猟ではない等の言い訳の技術だけが発達する事になります。
それもシロート向けには通用するでしょうが、誤魔化しの言い訳に終わる人生ではわびしいですね。もし誤魔化しと思っていなかったとするならもっとわびしいです。

基本を大切にする事は避けて通れない道です。

それにしても単独猟は自前の特種装備付の車両が必要ですからかなりを越えて高く付きます。ベース車両がそこそこ程度の中古で200万円、新車なら500万円、これに特殊装備を架装すると軽く100万円以上の上乗せ、拘れば架装費や改造費が新車価格を越えてしまいます。それだけのお金があればアフリカ猟にかなりの回数行けます。








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Posted by little-ken  at 14:57 │ハンティング