2023年12月30日

その他の鹿猟&NZ各種猟。

  12ムース。
和名はヘラ鹿、雄の成獣は平たい角を持つ事が和名の由来であり、ヨーロッパ北部、アジア北部、アメリカ北部に生息します。
平均体重はオス500㎏、メス380㎏、アラスカの物が最も巨大であり、最大は1トンに達します。
ムース
角長は最大で200㎝を上廻り、現生鹿科では最大を誇りますが、地球史上最大の鹿であるジャイアントムースやスタグムースには半分にも至らない程であり、かなり劣ります。

針葉樹林と針葉樹と落葉樹の混合樹林に生息し、夏は単独もしくは数頭の群れで生活しますが、冬になると10頭前後の群れを形成します。食性は草食性で、木の葉や樹皮、地面に落ちた種子類、水草等を食べます。夏は水場を好み、水中の水草を食べています。

ムースは是非とも対戦したい相手でしたが、余りにも高額で手が出せず、世界の鹿コレクションのムース角はアラスカで購入しました。

  13ホワイトテール鹿。
オジロジカの名前は、尾の裏側が白い事に由来。カナダ南部から南アメリカにかけて生息。アメリカでは春から秋に掛けて森の周辺に住み、冬の間は針葉樹のある湿地帯に生息しています。
ホワイトテール鹿

野性の寿命はどの鹿も6〜14年です。ホワイトテールオス成獣の体重は約60〜130㎏、ミュール鹿よりやや小型です。オジロジカの特徴は、尾の下に白い毛皮がある事です。

  14ミュール鹿。
ミュール鹿は、北アメリカ西部で普通にみられる鹿である。耳がロバのそれに似ているのでこの名前があります。近縁のオジロジカとは違って、ミズーリ川より西の地域、特にロッキー山脈付近に分布します。
ミュール鹿

オジロジカ属の中では最大種で、オスは体重が68~140㎏、メスは57~79㎏、大きなオスになると230㎏にもなります。オジロジカの様に、同じ地域内で際立った体格差が見られる事はありません。
ケンさんの世界の鹿コレクションはカナダとアメリカを旅行した時に購入しました。

  15カリブー猟。
トナカイは、本種のみでトナカイ属を形成します。別名を馴鹿、英語ではReindeer、アラスカで生息する個体は、特に大きくカリブー(Caribou)と呼ばれます。自然分布は北極圏周辺ですが、半家畜化され、人為的な分布も多くなっています。
カリブー

体重60~300㎏、エゾ鹿よりもかなり大きく、シカ科で唯一、雌雄共に角があります。
途寒冷な環境から身を守る分厚い体毛を持ち、蹄は接地面が大きく、雪の上でも沈む事なく歩けます。

季節によって目の色が変わり、普段は黄色い目が、極夜になる冬は、少ない光を効率よく取り込む為に深い青色の目になります。ツンドラ地帯に生息し、大群れを形成し、季節によって大規模な移動を行います。

食性は草食性の強い雑食性で、夏は草や葉、時に小動物や虫等を食べ、冬は角や蹄で雪を掻き分けて下に生えた苔等を食べます。 シベリアのハンティ人は魚を給餌しています。

2000年にケンさんはアラスカのカリブーハンティングに出掛けましたが、手配会社「シンワールド」の詐欺に会い不成立、世界の狩猟はその後2009年に開始されましたが、10年近く中断してしまいました。
カリブーとムースのコレクションは、その後のアラスカで購入しました。

と言う事で、世界の鹿コレクション中、自分自身で捕獲したのは、ニュージーランドの赤鹿、エルク、ファロー鹿、野山羊、野羊、黒猪、そして国内の本州鹿、エゾ鹿、ヒグマに留まります。

  16他のニュージーランド猟。
ニュージーランドの鹿猟は高額ですが、それでも他国よりは安価です。
人気の高い鹿類は角の大きさで動物の価格が変わります。

また失中は多くの場合無料ですが、未回収の場合は撃たれた鹿は殆ど死んでしまいますから、予定金額が徴収されるのが普通です。発砲にはガイドの許可が必要です。

大型鹿類を除けば、他の大型鳥猟や、小動物猟は安価で定数を多く撃ち放題、ニュージーランドは様々な狩猟が出来るハンティング天国です。

殆どの狩猟エリアは私有地ですから、使用料が必要ですが、安い猟は入場料とガイド猟の合計で、多くが下表の300~500ドル、これで定数はありますが、ガイドの分まで2名分を撃ち放題です。(大型ゲーム除く)

これに現地滞在費や食費等が加算され、大まかには1つのゲーム代毎に約10万円位となり、日程的にはゲーム数に往復2日を追加した日程になり、3種行えば約30万円で、全日程が5日と言う概算になります。

NZまでの飛行機代は10万円強、大型獣を対象としなければかなり安価です。(巻末資料参照)
野山羊猟も安価で遠射練習に最適です。戦闘機やグライダー搭乗も安価でアクロ飛行も可能です。

     NZゲーム価格一覧表.(価格は2112年、NZ㌦、1ドル=85円程度)
鳥獣名  狩猟可能  ベスト期    価格       定数       備考
赤鹿    年中    4~8月  2000~10,000ドル  1        SCIスコアー表価格
エルク   年中    4~8月  3000~20,000ドル  1        SCIスコアー表価格
ファロー  年中    4~8月   1000~4000ドル   1        SCIスコアー表価格
 猪     年中     年中     1500ドル       1        お奨め、コスパ良好
野山羊    年中     年中      300 ドル    10        お奨め、本命猟の練習に最適。
野羊    年中     年中     1000ドル      1        ビッグホーンシープ
ワラビー  年中     年中      300ドル      2        夜撃ち。
ポッサム  年中     年中      200ドル      10        お奨め、夜撃ち
野牛    年中     年中   1000~5000ドル   1        大型角は意外と少ない。
キジ    5~8月     5月     500ドル      10       お奨め、狩猟地によっては5羽
ダック   5~6月     5月   300~500ドル    25       お奨め、狩猟地によっては15羽
七面鳥   年中      年中      200ドル       5       お奨めですが、強敵
孔雀     年中      年中   200ドル         2       お奨めですが、強敵
ガン     年中     年中   300~500ドル    5       高難度

ジェット戦闘機2000㌦、プロペラ戦闘機500㌦、グライダー300㌦だったと思います。
5~6月:5月第一週末から6月末まで。  5~8月:5月第1週末から8月末まで

ケンさんは5回通って概ね14種の全てを達成しました。その他にジェット戦闘機とプロペラ戦闘機、、グライダーのアクロ飛行を実施、ビッグフィッシング6種を捕獲し、毎回1週間の遠征で各項目の中から5種にチャレンジした事になります。

        ポッサム        野ウサギ           ワラビー


               キジ            クジャク       七面鳥

  17他のニュージーランド紹介。
ニュージーランドはハンティング天国だけではなく、世界的にも有名なビッグフィッシング天国です。
手で持てる魚はニュージーランドでは小物なのです。フィッシング料金もハンティング料金と大差はありません。

             カナダガン               パラダイスダック


         T-6テキサン練習機            L-39アルバトロス高等練習機















  


Posted by little-ken  at 17:59海外狩猟ハンティング

2023年12月29日

キヨンの捕獲、その他の鹿猟

  キヨン猟。
キヨンは今の所、駆除名目でなければ捕獲出来ません。関東地区のハンターさん、キヨンの生息の多い地区に問い合わせて見られたら如何でしょう。
千葉県はキョン食肉化に否定的でしたが、態度を改め始めています。

              キヨンオス                    キヨンメス

2021年に初当選した熊谷新知事が有害鳥獣対策に於ける幅広く担い手を確保の為に、『千葉県有害鳥獣捕獲協力隊』を募集する等、対策にも積極的です。
キョン肉もふるさと納税返礼品とする等、考え方もかなり変わりました。

  ジャワマメ鹿猟。
ケンさんが1973年ボルネオ島ジャングル駐在1年に3頭を捕獲、ジャワマメ鹿は主に体重2㎏未満、野ウサギクラスです。角はなく、夜行性で眼は大型。下顎に臭腺(下顎腺)があります。味は野ウサギに近い味でした。
ジャワ 豆鹿。

狩猟方法は夜間懐中電灯の夜間狙撃で距離は10~15m、ライフル銃で心臓付近を撃つと、胴体の過半が消失し、食べる所が後ろ足だけとなってしまいました。銃は他に4.5㎜の空気銃しかなく、心臓を撃っても逃げられてしまい、結局は頭を狙い、ヒットすると同時に飛び込んで抑え込む方式に落ち着きました。

  サンバー鹿猟。
これもボルネオ島の鹿です。分布は東南アジア全域、体重150~315㎏、オスのみに角があり、体格の割に角は小さく且つ捕捉、2段角に留まります。
角は基部で前方に1本、先端で更に内側に1本枝分かれします。
サンバー鹿

体毛は灰褐色から暗褐色で、尾は暗色、頸部の体毛は長い特徴があります。
別名水鹿と言われる様に水辺の森林に棲息している事が多く、泥浴びを好み、夜行性で昼間は木陰等で休み、草食性で草や果実、また木の芽を好んで採餌し、木の葉、水草等も食べます。

サンバー鹿はボルネオ駐在時、1度だけですが、良いチャンスがありました。
距離10mで10秒程のチャンスがあったのですが、慣れないオープンサイトに自信が持てず、夜間発砲の機会を失いました。愛銃であれば、ショットガンでもライフルでも絶対に捕獲出来たチャンスでした。

翌週この鹿は他のハンターに捕獲され、肉のおすそ分けとトロフィーを戴き、世界の鹿コレクションになっています。味は本州鹿より美味しく、エゾ鹿並でしたが、脂の乗りが少ない鹿でした。

  ノロ鹿。
アジア&ヨーロッパ全域に住む中型の鹿で、オスにだけ独特形状の通常1段角、大きくなると2段角になり、体重は30㎏程度、本州鹿より小型ですが、ヨーロッパでは1番美味しい鹿に分類されています。
ノロ鹿
キバノロ鹿
近縁には牙のあるキバノロと言う、更にもう少し小型の種類もいます。日本にはおらず、韓国にはいる様です。ケンさんは狩猟した事も食べた事はありませんが、美味しい鹿で、ケンさんの世界の鹿コレクションのノロ鹿は、モンゴル旅行の際に買い求めました。

  赤鹿猟。
赤鹿は大型の鹿で、分布はヨーロッパ一帯から、北アフリカに掛けての広範な地域に分布し、北米北部とユーラシア大陸北東部に分布するワピチと、中央アジアに分布するマラール鹿とは近似種類です。

オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチンに狩猟獣として移入され、養殖されています。体重90~250kg、エゾ鹿クラス~かなり大型ですが、角はエゾ鹿より更に大型で、角サイズにより価格が変わり、良い物は5千㌦以上、ケンさんの捕獲は2千㌦でした。
赤鹿
体毛は赤褐色の個体が多く、オスは枝分かれした角(枝角)を持ち、成獣の定数は14段に及びます。それを超え多数枝分れをする個体も多く、枝数の多い個体程ハンターには喜ばれます。生態は森林に生息し、最年長のメスを中心とした群れを形成します。食性は草食性で草や木の葉を食べます。

  エルク猟。
ワピチと言うのが正式名称、鹿の現生種ではムースに次いで2番目に体が大きい種となります。雄は平均体重315㎏程度、雌は225㎏程度、特に大型の雄は体重600㎏に達する事もあり、通常型の鹿では最大を誇ります。

東北アジア地域の生息地では、体が最も大きい陸生動物の
一つですが、遺伝的に最も日本鹿に近い種類です。
ワピチは別名キジリジカ、アメリカアカシカとも呼ばれ、北アメリカではエルクと呼ばれます。
ヨーロッパでエルクと言えばヘラジカを指し、アメリカではそれをムースと呼びます。

中国語では、馬鹿(ばろく)と書き、マールーと読み、モンゴルではマラールディアとなります。分布はアメリカ西部、カナダ、中国、モンゴル、ロシアに及び、角サイズで価格が変わります。
エルク
エルクは世界中のハンターの憧れです。USA乱場猟ではトロフィー級捕獲が非常に難しく、アメリカ西部やニュージーランドでは大規模なエルク養殖が行われ、狩猟対象となっています。角サイズで 価格が大きく変動、アメリカでは良い物は1万㌦以上、グッドトロフィーサイズはNZでも鹿代だけで5千~1万ドルします。アメリカ人も物価安のニュージーランドファームを利用します。
巨大エルク
雄のみが巨大な角を持ち、大きな物は写真の様に角長180㎝・体重600㎏に及びます。エゾ鹿怪物サイズでも90㎝・200㎏を超えませんから、その巨大さが分かります。

 ケンさん捕獲エルクの角長は108㎝・320㎏・3500㌦でした。

  10ファロー鹿猟。
ヨーロッパ(地中海沿岸部)からトルコに掛けて分布し、特異な角の形状が好まれ、」オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、南アフリカ、USA、に移入されています。

 体重40~100㎏、本州鹿と同等ないし多少大型です。角先が手のひら状に広がり、
 体毛は黄褐色の物が多いですが、白からかなり黒い物まで様々です。



  11ニュージーランドの猪猟。
ニュージーランドの入植は比較的新しく、ポリネシア系のマオリ人が10世紀後半に発見し、1642年 オランダ人タスマンが初渡来、元々はオーストラリア系の有袋類等々が生息していましたが、NZは先史時代に永らく水没し、再浮上した島には鳥とコーモリしかいなく、多くの動物が持ち込まれました。
デカ黒猪

その中にブタもおり、元々は猪を家畜化した物がブタですが、NZではブタが野性化し猪となりました。

体色は通常の茶系の物も多少いますが、黒色が多く、稀に白黒ブチもいます。白黒ブチは余り撃つ気が起こりません。成獣は200㎏以上に達しますが、ニュージーランドでは主に格闘系の複数猟犬で足を止め、ナイフで刺す狩猟が一般的です。

その狩猟法にも驚きますが、もっと驚くのはその200㎏の猪を1人で担いで山から降りて来る事です。ケンさん捕獲のデカ黒猪は150mから狙撃ナミビアポイント1発即倒、230㎏、2000㌦でした。
  


Posted by little-ken  at 17:07海外狩猟銃と弾

2023年09月14日

鹿肉ビジネスは難しい、射撃の本質、業界が作ったブーム、何時かはワンホール達成。

  15悪運尽きた悪徳友人M。2018年。
Mは失脚したHプロの3番弟子と言える男でした。紋別ベース設立直後は、紋別ベースにも出入りしていました。その頃は1番弟子SMを含め、3人で翌日行きたい猟場の調整をしていました。
第1優先、第2優先は順番に廻る様にしていました。

ある頃からMは遠くに良い所を見付けたからと、少し早く出る様になりました。実際は優先順位の約束を破り、定刻前に先廻りして捕獲する様になりました。

それがある時回収に手間取り、第1優先で出発したケンさんに見付かってしまいました。
Mは紋別ベース会員を即刻クビになりました。
Mは白崎牧場会員にも名を連ねていましたが、ここでも悪行を重ねるのでクビになりました。

その彼の悪行ビジネスとは主に保護区の夜間発砲で5頭を捕獲、これを往復450㎞先の北見まで走り、3万円/頭で売却、日々15万円を売り上げると言う物でした。

根室を首になったMはその後も 根室の廃屋を借り、しばらくは1人でやっていましたが、所詮悪行の無理が祟り、2018年待受けた 当局に夜間保護区発砲現行犯でパクられ、とうとう悪運が尽き、強制卒業となりました。

ケンさんも1時期は1頭2万円前後で鹿肉ビジネスをしていました。
しかし保健所の無認可鹿肉販売で指導を受けた為、近身内用を除き、シカ肉販売を中止しました。

  16強欲な鹿肉買取り人SM。2010年。
そんな頃に1番弟子の保健所許可を持つSMが、1頭1万円で買い取ると言って来た為、彼に全面的に売る事にしました。当初は彼の車で共猟して1頭1万円でした。1頭1万円は相場よりかなり安いのですが、車代不要ですし、2人なら回収も解体も早く、2人コンビは最強と言えました。

ドライバーの狩猟能力が所定以上ならば、ケンさんもこの頃まではコンビ猟がベストと思っていました。彼も1人で狩猟する時に比べ数倍獲れるので、1万円で仕入れ3万円で売り、十分儲けられた筈でした。

しかし強欲な彼は一方的な屁理屈を付け、毎年1000円値下げをして来ました。それでも鹿肉で生計をしている訳ではないので黙っていましたが、気が付けば何時しか1頭が5千円になり、更にある時からこう言って来ました。

朝1番に3頭を捕獲し、連絡を入れました。そしたら俺でもその時間なら1頭獲れるとし、1頭はタダ、残りが1頭5千円でした。平均すれば1頭が3300円です。

これには流石に頭に来ました。当初原則の様に1頭1万円なら売る、そうでなければ売らないと宣言しました。それは今考えれば彼は肺癌で体力が低下して来た頃でした。

その少し前から回収犬を使う様になり、やがて猟犬持ちのハンターの定番コースに陥り、狩猟能力が低下しました。つまり猟を猟犬任せとなり、自らの狩猟技術や射撃技術の向上努力を放棄してしまったのです。

一方鹿は毎年逃避技術が進化しています。もはや彼の運転では進化した鹿の先を押さえる事が不可能になり、捕獲率は低下、以後の彼は欲に目が眩み、ヤバい所でも撃てと言う様になりました。

2006年の共猟時、とうとう2人はパクられました。昔は猟友会長が電話するだけで簡単に釈放されましたが、そんな時代は終わりました。しかし警察は24時間以内しか勾留出来ず、通報者は発砲が どちらであるかを特定出来ておりません。そこでSMに入れ知恵しました。

「撃ったのはお前か?」「私ではない」と答えなさい。「ではもう1人の方か?」これに対しては「違う方向を見ていたので分からない」と答えない。何をどう言われ様が、これを繰り返し、最大24時間頑張り 通しなさい。そうすれば証拠不十分で必ず無罪放免になると教えました。

結果は6時間で放免でした。彼は迷惑を掛けたとし、5万円以上するダマスカスナイフをプレゼントしてくれました。そんな懸念が ある人は体格が似た人とコンビを組み、銃も含め完全なペアルックにする事をお奨めします。

そんな経緯もあって、その後まもなくして最強コンビは解消され、ケンさんは自前運転単独猟を行う様になり、捕獲率は最強時代より更に大幅向上、獲れたら彼に連絡する様になりました。

しかし、SMの余りの強欲に愛想が尽き、やがて彼には事実上売らなくなりました。結局は肺癌で他界する半年前には、自らは狩猟技術と体力の低下で殆ど獲れず、鹿肉仕入れは 止まり、鹿肉ビジネスはすでに破綻寸前でした。

その頃のSMは一段とヤバイ鹿も撃つ様になりました。そんな事を繰り返していれば、パクられるのは時間の問題と言えました。2012年1月には当然の様にパクられ、鹿肉ビジネスは完全に頓挫、そして半年後に他界した為に、無意味となりましたが、不名誉な銃の強制卒業は免れました。

欲張りも節度を守れば、良い関係を続けられたのですが、SMは度を越えてしまいました。
そこまでしなければならなかった理由は、彼の経営する焼き鳥屋に原因がありました。

本物を安価に出す店として一時期はかなり繁盛していましたが、やがて時は変わり海外から新しい 味覚が入り、時代はそれに合わせる必要がありました。

しかし彼は新しい味覚には一切興味を示さず、結果として客離れで店は赤字、それを唯一残ったケンさんからの鹿肉搾取で埋め様としていたのでした。
適正な手数料を取る事は良いのですが、騙して搾取では、Hプロの様に長続きしないのです。

  17射撃の本質に迫れました。2007年。
振り返れば2007年、鹿肉ビジネスの最盛期、出来るだけたくさんの欲しいと言う事で、根室の共猟5日で獲りも獲ったり50頭、これが50万円の売り上げになりました。

この50頭をデリカに積み込みました。全てのスペースは鹿肉で埋まり超過積載、走れない程タイヤは過荷重でペチャンコになりました。

思えばケンさんの射撃は当初50mで的紙からハミ出る程のミーハー射撃であり、最初の1頭捕獲には9年の出撃70余日を要しました。それが5日で50頭捕獲、夢の様なとんでもない捕獲数でした。

この時にケンさんは永年の憧れのランニング5発5中を3度も記録出来、マグレで無い事が証明されました。この夢が実現出来たのは、SMのお陰と言えました。

エゾ鹿猟を始めた時は100mがやっとでした。やがて何とか150mとなり、何とか200mも胴体被弾位ならになりました。
ワンホール射撃や遠射の達成には、サイコパワーの念力しかないのかと思いました。

2000年、交通事故に巻き込まれ療養で2年間実射不能、ドライファイアと念力の練習に精進しました。結果的に銃の発射には反動を伴わないと体を騙す事に成功しました。

射撃再開その日に後述ワンホール射撃が達成され、全ての当たらない根源は、反動を恐れるフリンチングにあった事がここに立証されました。サイコパワーは4倍のスコープで、150m先の的の中心に合わせるのに役立ちました。

  18業界によって作られた、アフリカ猟ブーム と、エゾ鹿猟ブーム。
アフリカ猟は黒色火薬時代から10ゲージや8ゲージの大口径マグナムを使う、貴族には人気のある狩猟でした。無煙火薬が発明されると、1900年前後にニトロエクスプレスシリーズがデビューし、貴族のアフリカ猟は一段と熱を帯びて来ました。しかしこのアフリカ猟は貴族専用の特別の物でした。

WW2終了後の1950年頃、銃器業界の「WW2後の行き詰まり対策」として、中間階級狙いのアフリカ猟を新たに企画しました。新しいアフリカンホットマグナムも新たに制定され、神話化されました。それは、アフリカ猟には最低375H&Hマグナム以上が必要と言う物でした。
      
 下から460ウェザビーマグナム、375ホーランド&ホーランドマグナム、308ウィンチェスター

1955年頃、アフリカ猟は世界に大々的に紹介され大ブーム、その余波は日本にも及び、狩猟ブームが起こり、水平2連銃がバカ売れ、短期にハンターが3倍となり、何時かはアフリカ猟となりました。

アフリカ猟のマグナム神話に疑問を持つケンさんは、308ロシア製激安弾に初期型バーンズ銅弾頭140gr付を2013年ナミビアに持参、アフリカの大型動物で試しました。またニュ-ジーランドのバッファロー撃ちでも試す機会がありました。

予想通り、象や犀は別かと思いますが、特別なアフリカンマグナムは不要だった事が立証され、軽量弾頭付エゾ鹿用の308弾は、アフリカの大型動物940㎏のエランドを20mで倒し、ニュージーランドのバッファロー700㎏は即倒、十分に使える事を立証出来ました。
         
  下から458ウインチェスターマグナム、308ウインチェスター

ニュージランドでは現地ガイドが近代アフリカンカートリッジの458ウインチェスターマグナムを用意していてくれましたが、試射3発で頭がクラクラし、猟は愛銃サコーの308で行いました。この時はマグナムは効果は殆ど無く、弊害の方が大きいと感じました。

同様に国内でも1970年代の狩猟ブーム終焉の1990年代「国内銃器業界の行き詰まり対策」に業界は「ライフル銃普及」を企画、「狩猟界」もそれに加担し、「エゾ鹿猟ブーム」が作られました。

しかし「狩猟界」掲載の記事とは大違い、エゾ鹿には容易に出会えず、稀に撃ったエゾ鹿は即倒せず未回収、銃器業界は撃たれ強いエゾ鹿には要マグナムと上乗せで謳いました。

1993年頃、射撃場はエゾ鹿猟を目指すマグナム銃ハンターのオンパレードでした。308は12㎜の鉄板をブチ抜くパワーがあり、大丈夫だと思いましたが、未熟なケンさんも内心はかなり心配でした。

間もなく一般ハンターにもエゾ鹿猟は簡単には出会えず、ガイドも80%詐欺だった事、マグナム弾も詐欺だった事が分かり、作られたエゾ鹿猟のブームは去りました。

エゾ鹿猟は非常に魅力のある狩猟と言えますが、普通のハンターに簡単に獲れる物ではなく、成功する為には相当の射撃技術+エゾ鹿の習性に精通した有能なガイドが不可欠でした。

  19何時かはワンホール達成。2002年。
当時普及していた業界的常識では、市販銃H&Kオートと市販安売り弾薬では出せる筈がないと、言われていましたが、2002年テーブル撃ち150m5発が12㎜と言う、ワンホールを達成させてしまいました。

次のサコー75でも同等精度を出す事が出来、巷の銃の知識は「業界の都合で作られた嘘」であり、高額なカスタム銃もカスタム弾も、業界の陰謀だった事が立証されてしまいました。

これらは全てハンターの夢を悪用した、業界が儲ける為の陰謀であり、世界中がこれに騙されました。憧れのアフリカ猟その物や、アフリカンマグナムも業界の陰謀でした。

12㎜の鉄板を撃ち抜く308は、体重940㎏のエランドにバッチリ有効、エゾ鹿大物より短い20mで ズシンと倒れ、アフリカンマグナムも「業界の陰謀」でした。

ワンホール達成は市販銃と市販弾薬で達成出来ますが、その為には、悪の根源であるフリンチングを絶つ必要があります。それには少なくとも1年以上は実射断ち、ドライファイアのトレーニングを続け、銃の発射には反動を伴わないと体を騙さなくてはなりません。

ケンさんは、実射を2年絶ち、ドライファイア訓練は実質1.5年、実射再開の日にワンホール射撃を達成、これでフリンチングさえ克服すれば、ワンホールが可能である事を立証出来ました。

2002年、H&Kでは弾薬品質が揃い、5発ワンホールが出せましたが、サコーでは激安弾の運用の為、5発はワンホール崩れの18㎜が最高でしたが、激安弾とて高精度が出せる事が証明されました。
      
   H&Kオート 150m 市販弾5発 12㎜   サコー75改 激安弾3発 150m 11㎜








  


Posted by little-ken  at 09:13海外狩猟ハンティング銃と弾

2023年08月27日

アフリカ猟の実際

  アフリカ猟の実際

狩猟は荷台の特設シートから獲物を捜索し、1部はここから射撃しますが、多くはガイドと共に数百m~数㎞を徒歩でアプローチ、ガイド撃つ獲物を決め、その指示により発砲します。

写真が3脚立ち撃ちの射撃です。慣れれば射撃場のテーブル撃ちより撃ち易いと思います。
使用銃はレミントン700、口径は338ウィンチェスターマグナムです。

アフリカ猟の1部には「迫力真け」と「150m射撃」の壁があり、高難度です。
しかし高難度であるからこそ、誇れる狩猟となるのです。


 スプリングボック、60㎏、100m 2脚立撃ち   イボイノシシ、体重110㎏、100m 2脚立ち撃ち

 オリックス、体重320㎏、200m 3脚立ち撃ち クドウ、体重350㎏、300m 立ち木半委託撃ち

 レッドハーtビースト、180㎏、150m 2脚立撃ち  ゼブラ、体重360㎏、150m 2脚立ち撃ち

 インパラ、90㎏、100m 2脚立撃ち   ブレスボック、体重140㎏、100m 2脚立ち撃ち


 クドウ、450㎏、380m 車両半委託撃ち エランド、体重940㎏、100m 3脚立ち撃ち

 ブラックワイルドビースト、170㎏、100m 3脚立撃ち 
                  ブルーワイルドビースト、体重270㎏、100m 3脚立ち撃ち


剥製等を作る為の処理はハンティング料金に含まれますが、加工費・梱包費・輸送費は別で、後刻見積書が送られ、送金すると加工に入り発送されます。通常半年位を要します。日本に着いてからの検疫・輸入申請には別途料金を要します。これは代行も可能ですが、本人が続きをする事も出来ます。ケンさんは3回とも順調に到着しましたが、大藪氏の「ザ・ビッグ・ゲーム」に依れば、10回に1回はお金を払っても到着しない事もあった様です。その時は諦めです。

加工内容は全身剥製や、首上の剥製等々の他種に渡ります。加工技術は見事ですが、剥製は耐久性が低く、お奨めは板付きのスケルトンです。
4点加工すると、手元に届くまで1式50万円位の費用になります。


  


Posted by little-ken  at 15:33海外狩猟

2023年08月26日

憧れのアフリカ猟。

  アフリカ猟の背景
アフリカ猟はハンターの憧れです。
ケンさんも大物猟を始めた1983年から、大藪晴彦の「ザ・ビッグ・ゲーム」には大きく心を動かされ、何時かはアフリカ猟と思っていました。

アフリカ猟に行くつもりで検討し始めたのが2004年、最初に行ったのが5年後の2009年でした。
この時は同じ飛行機に他のハンターはおらずでした。

2回目は2013年、他に3組のハンターがおり、2016年には10組程いました。更にこの年からナミビア便は1日3便になりました。
ハンターの超急増の原因は中国成金、その結果として南アフリカの動物が尽き始めた為、ナミビアにハンター集中したのです。

アフリカの動物がたくさんいるケニアは1977年から全面狩猟禁止、周辺国は政情不安定で訪れる人も非常に少なく、且つ受け入れ態勢も貧弱過ぎて適しません。

アフリカ自体が日本と違いかなりインフレですが、そんな経緯からナミビアの動物価格は毎年20%のインフレでした。コロナで3年間は動きが止まりましたが、2023年からまた動き出しました。
2024年から少しの期間が、そう意味で最後のチャンスです。

20%複利では、10年もしない内に価格が一桁上昇し、手が届かない価格になると思われます。
ケンさんと一緒に行くと2回経験済ですから安全であり、しかもレピーター10%レス価格となるメリットがあります。

ケンさんが真剣に検討を始めた2004→2009年で2倍以上となり、実際に出掛けた2009→2016で、価格は更に2倍になりました。

2005年時点ですでに80%はランチ猟が主流になっており、2009年に我々をガイドをしてくれた男は、この流れを感じて数年後には野性動物商に転職、大儲けしていました。

2015年時点で80%がランチ猟、これは養殖した5才の動物を前日の夜にフィールドに放し撃ちます。一見すると大自然の中で行う本物ハンティングの様に見えますが、「本物の猟」とは言い難く、逃げない陶物切り、射撃距離(50~100m)と近く、照準時間も長目に貰え、捕獲率は当然高いですが、大物は期待出来ません。

これに対し、ケンさんの行った猟は少数派のファーム猟です。
ファームは牧場や農場を指しますが、牧場内で自然繁殖した動物と勝負しますので、名実共に大自然の中の手付かずの野性動物と勝負する形になります。従ってエゾ鹿猟より高難度で、射撃は難度が上がる150m前後の2脚を使った立撃ちとなります。

ハンターが集中すれば、ファーム猟は間もなく動物不足で遂行不可となり、ランチ猟でも養殖動物不足は見え見えです。養殖動物が不足すれば、繰上げ出荷となり、獲物のサイズは増々小型化し、それでいながら価格は高額となります。

更にハンティングの世界は、エゾ鹿猟ガイドの80%が詐欺業者である様に、アフリカ猟も大同小異です。動物が不足すれば増々詐欺率は増加します。

ケンさんは今度のガイドとは過去2回の猟を行っており、イカサマ度はゼロ信頼の置けるガイドです。手が届く価格で行けるのは近未来で終わると思われ、安心安全に行けるのは、後述の様に今しか 無いだろうと思われます。


  人生には何度かのチャンスがあります
物事にはチャンスと言う物があります。ケンさんのアフリカ猟も、もっと早くに行けば良かったと後悔しています。今も非常に残念に思う事のは、2004年に本気で検討したのですが、かなり高額であった事に、失中リスクが加わり、且つ現地吹っ掛け追加請求額が心配で、結論が出せず、翌年はインフレで更なる高額となり、増々結論が出せなくなってしまった事でした。

2009年、思い切って100万円以上の追加請求が来る事を覚悟して出掛けました。
結論的に言えば良いガイドに当たり、未回収ペナルティー1回以外に不明確な追加請求は無く大成功、1式は80万円でした。それを見た数名が次回は是非同行させて欲しいと申し込んで来ました。

2013年、2度目を実行しましたが、1式価格は120万円にハネ上がっており、これ+立撃ち150mと失中リスクに全員がビビり、ファーム猟では最悪獲れない事もあり、射撃に余程自身が無いのか全員が辞退しました。

2016年、3度目を実行、この時は1式価格が150万円になっており、スクールブログで同行者を募集、海外狩猟制度を知らない数人が申し込んで来ました。

しかし撃ち放題の国内猟イメージと、狩猟制度が根本的違い、狩猟方法が撃ち150mと失中リスクがあり、獲れに事もあるを理解すると、やはり全員が申込みを撤回しました。国内ライフル射場は50mが多く、エゾ鹿猟も当時は50~100m、150mは未知領域なのです。

現実には100~150m先のエゾ鹿を撃ち獲れる技量があれば、高人気のクドウを除き、大丈夫です。エゾ鹿では急所ヒットが不可欠ですが、アフリカ猟は上半身ヒットで追跡名人が回収してくれます。しかし超人気のクドウは超高難度、2回勝負しましたが、300mと380mでした。

価格は手配業者を入れれば、獲れる保証もトラブル時の保証もなく、直接手配の数倍の吹っ掛けとなります。吹っ掛けの内訳は、本当の手配手数料もありますが、海外では獲れなかったとして裁判になるのは日常茶飯事、裁判費用と再ツアー価格が含まれているので、そう言う価格になるのです。

ケンさんは3回とも現地ガイドと直接契約、ペナルティー2回を支払いましたが、ノントラブルで目標の12動物を全て成功させられました。

仮にアフリカ猟未経験者が数少ない吹っ掛けなしのガイドと、運良く上手く直接契約出来たとしても、日本とは狩猟制度が根本的に違い、日本的な感覚で狩猟すれば、膨大な額の現地追加請求が来ます。その理由が分からいので猛烈な吹っ掛けに見えるのです。

そう言う意味では、日本と現地の両方の狩猟制度に精通しているガイドが必要になりますが、現地に詳しい日本語ガイドはいても、アフリカ猟に精通し、まして日本の狩猟に精通した日本語ガイドがいる筈もありません。

しかしケンさんと行けばトラブルは避けられます。ケンさんに英語能力はありませんが、1種独特の慣れで海外秘境レンタカードライブ10万㎞を達成しており、アフリカ猟2回もノントラブル、アフリカ猟ガイドが一応可能です。

希望条件を完全に満たすのは、アメリカ留学4年+アメリカ&アフリカ猟経験のD生徒だけでしょう。彼またはケンさんは2022年度価格100万円で同行案内が可能です。宜しければケンさんに申し出下さい。ケンさんも健康が許す限り頑張ります。

日本と違いアフリカは超インフレ、近未来の動物価格は著しい不足から恐らく、とんでもない価格になっており、仕事卒業後に行ける可能性は、収入がアフリカのインフレ並に1~2桁アップしない限り、絶望的と思われます。ケンさんはその頃天国におり、D生徒の同行案内も分かりません。

1番目の事例として、人生は「暇とお金と健康」の3つが、自動的に揃う事はまずありません。
スクールのD生徒は思い切って借金でアフリカ猟に出掛け、その為に以後エゾ鹿猟10年分を諦めなければなりませんでしたが、2009年に行って良かったと感じているそうです。

2番目の事例、お金を出せば何時でも行け、そして健康が続くのであれば、仕事卒業まで待つのも 1つの方法かも知れません。スクールのO生徒は資金面十分、早くからアフリカ用375H&Hマグを 準備し将来に備えました。2回目も3回目も誘いましたが、多忙が理由で行動を起こせずでした。

結果的に彼は総合判断を誤りました。仕事卒業直前に肝心の健康を失い、結局一生の憧れだったアフリカ猟に行く機会を失ってしまいました。

ケンさんも悪性リンパ腫になって良く分かりましたが、健康は失ってから、その大切さに気が付くのです。2つの事例はどちらが正解だったのでしょう?

  


Posted by little-ken  at 10:20海外狩猟

2023年02月06日

初失中&初捕獲。

  14.初失中&初捕獲。
狩猟の目的は、より大きな獲物を多数捕獲する事にあり、その意味では大物猟こそ、究極の狩猟と言え、それは間違いではありません。しかし鳥猟は全般的に数が多く、体験を多く積む事が出来ます。射撃その物はライフル銃の「遠射」や大物戦の「迫力負け」や猛獣戦の「恐怖負け」を除けば、鳥猟の方が遥かに高難度な射撃技術を要します。

大物ハンターは鳥猟をバカにする傾向ありますが、それは間違いであり、馬鹿にされるべきは下記の理由から大物ハンターです。
エゾ鹿猟に於いて、11月上旬まではエゾライチョウや、また美味しいマガモに出会う事があります。そんな事から序でに鳥類も捕獲しようと、試みる生徒もかなりいました。ところが予想外に高難度であり、エゾ鹿を毎年6頭も捕獲している経験5年以上のベテランレピーター生徒も、唯の1羽も捕獲には成功出来ず、成功したのはケンさんだけでした。

カモ撃ち名人と言われたケンさんでも、シカは永らく撃てませんでしたから、その面からすれば、シカがカモより格上は一応良いとして、シカ撃ちベテランが、カモ撃ちも上手いのであれば、大物上位の図式は完全に成立します。実際にケンさんは鹿撃ちグループ5人をカモのデコイ猟に招待した事があります。 彼らの射撃技術は近距離&低速オンリー、実戦の海ガモデコイ猟は中距離高速であり、全員が100発撃っても半矢すら出ずでした。「馬鹿にされるべき」は日頃鳥撃ちをバカにしていた大物ハンターです。

1970年から始まったケンさんの狩猟ですが、初期数年間は未熟の塊でした。
1971年に自宅近くが休猟区明けとなり、雨の日には畑にキジが出ていると「狩猟界」にありましたので、解禁の翌週、雨の日のキジ猟に行きました。大きな大豆畑に行きますとキジが本当にたくさんいました。1枚の畑から何と25羽も出ました。50発を撃ちましたが、捕獲は2羽でした。

全体の3/4は大豆畑の端まで走り、そこから低く飛んで逃げました。残りは足元から飛び出しました。当時は上下2連銃でしたが、どちらの場合も2連射を掛け、持参の50発の弾を全て撃ち尽くしました。結果は走行中1羽、飛行中1羽の2羽のみの捕獲に留まり、信じられない程の未熟でした。

同じ年、カモ撃ちにも行きました。足元からそれはそれは見事なマガモが飛び出しましたが、発射した2発は空しく失中、朝日に輝くマガモは悠々と飛び去りました。その後も夢よもう1度と通いましたが、稀に獲れるのは美しいとは言い難い海ガモばかりでした。目を閉じれば、1ヶ月はあの時のマガモの失中シーンが再現されました。

同じ様なシーンはかなり後年、ヤマドリでも同様なシーンがありました。鹿の巻狩りから引き上げる時、踏み出しました。これから待ち場の配置に付くのであれば、撃てません。真っ赤に光り輝くヤマドリは、バックショット3連射を 交わし、悠々と飛び去りました。この時に7.5号弾ならば、ほぼ間違いなく撃墜出来たと思います。

1度キジをたくさん捕獲してみようと、狩猟も末期となった2012年にNZの高麗キジ猟区に行き、キジの10羽捕獲に挑戦しました。キジその物はベラボーにいるのですが、オスは積極的に撃たれるのでかなりズル賢く、撃ち易い方向に飛んではくれません。高麗キジは大型で飛翔力が強く、飛翔の羽音も小さく、かなり強敵でした。

オスは日本キジより遥かに綺麗、輝きながら飛ぶ姿はヤマドリ同様に美しいと言えました。 早立ちで離れた所でUターンしながら高度を上げ、遥か射程外の上空を飛んでハンターの後遠方に避難するので手が出せず、或いはハンターが通り過ぎた直後に太陽の方向に飛びますので、甚だ強敵でした。結果は10匹に届かず9匹、オスが6匹とオスの様に後方に足元から飛び出したメス3羽が撃墜されました。

これはニュージーランドで体験した、ピーコック猟やターキー猟も同じでした。羊の牧場に半野性で生息する彼らは家畜扱いで、1年中狩猟OK、定数や狩猟期間は土地所有者が決めるルールです。しかし獲物は超スレており、遥か射程外100~200mで早立ち、最早獲れないかもと覚悟をした程でしたが、幸いに若い2羽がキジの様に草叢に潜み、散弾銃でフラッシュした所を捕獲出来ました。

1974年と思いますが、自宅近くの小川にカルガモ3羽が着水するのを目撃、着水したと思われる場所をヨシの間からそっと覗きました。まだ30m程遠方でした。銃はSKBの上下2連銃です。近過ぎるとパターンが開かず、遠過ぎれば有効度が落ちます。

20mから撃つ事にしました。その場所まで行き立ち上がると、ヨシが邪魔で撃てません。そこで近くの小石を拾い、投げ込みました。
カモは驚いて飛び上がり、1発目で手前の2羽が撃墜され、残る1羽に残る1発を発射、撃墜は出来ましたが、半矢で未回収となりました。
初捕獲に喜び勇んで2羽を家に持ち帰り、記念撮影をしました。

そんな若い時代もありましたが、その後にSKB1900のガスオートを購入、45年間に15万発を撃ち、カモ類5000羽以上、ハト類5000羽以上を捕獲出来ました。そして時が変わり、2008年のカルガモ駆除では、全体で51羽中、ケンさんは32羽を捕獲、1.6発/羽を記録しました。

一般のベテランハンターはリードがその都度大きく変わる引き止まり射撃、チョークは散布範囲が広いインプシリンダー、そして装弾は強力な4号、一方ケンさんの射撃はリードが自動設定されるスイング射撃でフルチョーク、装弾は小粒7.5号に依る3粒被弾撃墜のショットガン効果を利用、この総合差は著しく愛銃SKB1900改は、しばしば全体の過半を捕獲しました。

時は大きく過ぎ、2016年ニュージーランド北島北部、ケンさんの狩猟人生の末期、パラダイスダック猟の定数50羽に挑戦しました。結果は50羽に少々届かない47羽を85発で捕獲、1.8発/羽を記録出来ました。

パラダイスダックはカルガモの1.5~2倍の体重があり、飛翔能力も抜群なツクシガモの仲間です。定数50羽と言うのは日本では信じられません。

ニュージーランドでは鳥猟の定数は日本の約2~5倍ですが、日本の魚釣りでは定数無しですが、NZでは種類によって2~7匹、保護下のNZの魚釣りは巨大魚が多数釣れる事で狩猟以上に有名です。

取り締りには殆ど出会いませんが、もし捕まると法外な罰金を科せられます。日本と違い交通違反や 事故等で免許停止になっても、車は生活の必需品、週1回の特定曜日の運転が認められる国です。


写真は安価なビッグゲームの野山羊猟、有名な巨大ヒラマサ釣り、そして高額エルク猟です。
他にもNZでは日本で体験不可能な、戦闘機の操縦が出来ます。ケンさんはこの為に飛行ライセンスを事前に取得、アクロ飛行を実施して来ました。
NZでは1000㌦あれば夢が1つ叶えられます。

しかしエルク猟は6000㌦、アフリカ猟のクドゥ4000㌦や、オリックス1000㌦の方が安価です。

  15本州鹿;ケンさんは13項の様に1983年から本州鹿の巻狩りに入りました。
当時の鹿猟期間は12月1日~1月31日までの僅か2カ月間、現在の5カ月とはかなり条件が違いました。13項に記載がありませんが、5年目の35日目頃、逆光で真っ黒に見えましたが、本州鹿オスの3段角を50m強で初めて見ました。先輩は発見と同時にダメ元射撃、しかしケンさんは鹿に見とれてしまい、銃を構える事も出来ずに只々見送ってしまいました。

そして7年目の50余日目、待ち場の配置に付く過程で小物鹿を踏み出しました。
20mでスナップショットのスラグ弾3連射をしましたが、スイングショットにならない、引き止まり射撃で撃った為に失中、更に追加2発も失中に終わりました。鹿は同行していた先輩のバックショット1発で捕獲されました。そして解体時ケンさんのスラグ弾もケツを僅かにかすめていた事が判明しました。

この頃のスラグ弾射撃は静止50mなら急所に命中させられる精度がありましたが、走る鹿に対する練習不足が失中原因でした。鳥猟の初期もそうでしたが、未熟の塊まりでした。それでケンさんは スラグ弾運用を辞め、バックショット&スイングショット運用に切り替えました。そして13項の様に9年70余回目の参加で「フテ寝」から小物鹿を3発連射で即倒させ、念願の1頭目捕獲となりました。

普通は3年目には諦めの心境から気配が低下、それで鹿との勝負が可能になります。
所が、やる気十分なケンさんは「殺気と気配」をバラ撒き続け、9年間も鹿を追い払っていたのでした。そしてこの時の初捕獲の経験から「禅の心作戦」を考案、これを運用する様になってから、それ程までに獲れなかった鹿も、3週連続で捕獲出来ましたが、即倒率が低く、22㌅バレルのレミントン11-87の12番バックショット専用銃に変更しました。

11-87(上)はその後4年間に20チャンスが得られ、半矢失中なしに20頭を捕獲出来、従来捕獲率の平均0.05頭/日人からすれば、0.2頭/日と4倍向上しました。この頃は4号バック27粒弾が入手不可、依って3粒被弾撃墜のショットガン効果を使わない手法を選択、使用チョークはフルより強い絞りのターキーチョーク、使用弾は6粒弾で急所ヒットを狙いました。6粒は50mで60㎝角の的紙に概ね全粒着弾、20mでは全粒20㎝程度に着弾、その時の1粒以上が急所に直撃ヒットする作戦でした。

もちろん今なら射程20mですから、3粒被弾撃墜のショットガン効果利用の27粒弾をインプシリンダーから或いはスキートチョークから発射します。近距離からのバックショットが狭い領域にまとめ着弾しますと、強力な1粒の被弾とカウントされ、3粒被弾で撃墜のショットガン効果が発揮出来なくなり、その為に散弾は適度に胴体に散る必要があり、距離に合ったチョーク選択が必要なのです。

その後愛銃は更に右写真のSKB1900の様に改良され、銃身は24㌅まで5㎝延長され、通常のクレー射撃や鳥撃ちにも真価を発揮出来る様になりました。ケンさんの狩猟人生の成果が全て圧縮されたのが、「SKB1900改」と言えました。クレー射撃54枚連続ヒット他、数々の記録を立ててくれました。同様にライフル銃の成果が全て圧縮されたのが下の「サコー75バーミンター改」ボルトアクションでした。




  


Posted by little-ken  at 15:38海外狩猟

2022年10月07日

テレビ取材-3.

  フジTV,海外猟の取材、2018年頃。
海外狩猟の同行取材させて欲しいと言って来ました。聞けば取材費は出せないから、ケンさんが自分の費用で行く時に同行させて欲しいと言う、虫の良い依頼内容でした。

ケンさんは2016年のナミビア猟を最後にするつもりでしたから、もう海外出撃の予定はありません。そんな事から話は流れましたが、昨今の海外猟を紹介しましょう。

アフリカ猟は自然の猟場ではなく、大規模ランチ猟が主流です。
それは何かと言えば、ハンターを多数受け入れ狩猟をさせるのですが、野性動物がそんなには いる筈もなく、養殖専門業者から動物を買い入れ、それを私有地猟場に放牧して撃たせます。

動物は撃たれた経験がないので、シロートでも100m以内から、超じっくり狙いで撃てます。
ランチ猟はエゾ鹿猟より遥かにイージーな、本物とは言い難い狩猟ですが、これが現在の主流です。

ランチ猟は従前からありました。2009年、我々をガイドしてくれたアレックス氏は数年後、ランチ猟が圧倒的に増えつつある事を感じ、ハンティングガイドを辞めて、野性動物商に転職、自家用ヘリを所有するまでになりました。

もう一つはファーム猟です。これは私有地に住む本物の野性動物と勝負しますので、エゾ鹿猟より遥かに高難度、完璧に本物の狩猟と言えます。動物はある程度撃たれ慣れしているので、通常
ハンターが余り撃たない距離にいます。高人気のクドウは300m以遠で、しかも早撃ちを要します。

ケンさんの捕獲したクドウ2頭は300mと380mでした。かなり遠距離ですが、それでもブッシュからブッシュに駆け込み照準時間をもらえません。

ケンさんの選んだ手法は、エゾ鹿猟でも時々使う「待ってたホイ猟」でした。次に止まる場所を予測して、そこに銃を照準し、スコープに捉えるや否やで発砲します。ファーム猟は大物捕獲が可能ですが、非常に高難度な射撃技術を要します。

もし本物の狩猟である、ファーム猟を取材するとしたら、その瞬間を撮影する事は自室不可能と なり、至難の業となる事でしょう。

しかし本物狩猟とは言えないランチ猟であれば、時間的余裕がありますから、映画撮影の様に カメラがポジション取りをしてから、発砲する事も可能となります。
巷のマスコミには本物の狩猟を撮る事は出来ず、ヤラセ撮影の能力しかありません。

  映画サファリの配布用資料。2017年。

2018年新春に国内放映される、映画サファリの配布資料作成の依頼が来ました。
そしてケンさんが書いたのが、アフリカ猟の歴史、そして終わりなき情熱でした。

 アフリカ猟の歴史のあらすじ。
15世紀から17世に掛けた大航海時代、アフリカの中南部には奇跡の大型動物が多数生息して いる事が紹介されました。そこから貴族や金持ちハンターのアフリカ猟が始まりました。

この頃の銃身は日本の火縄銃と同じ巻針式、弾は先込め式、火薬は黒色火薬、しかし発火方式は燧石式に発展していました。日本では初期の火縄銃が300年間も発展する事なく使われました。

やがて時代は変わり、18世紀になりますと、ヨーロッパの鉄は鉄鉱石とコークスから大量に生産  される様になり、1864年には薬莢式の弾が開発され、超大口径の8番(21㎜)の特製水平2連銃が作られ、これがアフリカ猟に使われました。貴族は競って大物を求め、アフリカに出猟しました。

1884年、無煙火薬が発明されると、一気に弾速は2倍、エネルギーは4倍となり、20番(15㎜)口径でも威力を持て余す様な弾が製造可能となり、こうした弾をニトロエクスプレスと言います。

直訳すれば無煙火薬の高速弾になりますが、今で言えば重量低速弾となります。現在の主流の弾は300mの遠射が可能な、軽量高速弾になっています。昨今は遠射も可能な338ウインチェスターマグナム等が良く使われています。

アフリカ猟で高名な弾は、象撃ちの600ニトロエクスプレス(20番口径)、現在は使う人はいません。この時代にはアフリカを訪れるハンターは急増し、間もなく撃たれ慣れした獲物との距離は遠くなり、重量低速弾は適さなくなり、ニトロエクスプレス時代は短期に終わりました。

ハンターは年を追う毎に急速に増えましたが、激変はWW2前後でした。アフリカは大規模開拓 され牧場となり、そこにいた数え切れない程の大量の動物は、駆除されWW2の兵士の食糧となりました。90%の動物がいなくなりましたが、それでもまだ動物は多数残っていたと言えました。

更に大きく変わったのはアフリカ猟のブームが起こり、マグナム銃が大量に作られた、第2次大戦後でした。日本でも1960年前後にはアフリカ猟ブームが起こり、当時の銃砲年鑑の銃リストには
アフリカ猟用の大口径銃や、弾のリストには象撃ち用の600ニトロエクスプレス等が載っていました。

日本のマスコミはプロハンターを雇い、競ってアフリカ猟を紹介し、狩猟熱を煽りました。
大藪晴彦氏の「ビッグゲーム」や柳田佳久氏の「ライフルハンター」もこの時期に作られました。

毎週日曜日にはアフリカ猟特集の定期テレビ番組があり、ケンさんもこのウイルスに感染し、大人になったら狩猟をやろうと決め、何時かはアフリカ猟を目指す様になりました。

しかしこのアフリカ猟ブームは銃業界がWW2の特需が終わった為に起こした、業界主導ブームであり、そのトップにアフリカンがあり、2番目にはアラスカンがありました。

マグナムブームは世界中に及び、日本でもエゾ鹿猟にはマグナムが必要と言う時代でした。未熟な射撃技術を補い即倒率を上げると言うのが謳い文句でしたが、その様な効果は皆無、今では誰もマグナムを使わなくなりました。

もちろんアフリカ猟には超強力な銃が必要、と言う事も銃業界の陰謀でした。しかしアフリカ猟は人気が集中し、ゲーム価格は毎年大幅に上がりました。そして庶民に取って手が届く限界が2004年でした。

それはケンさんがアフリカ猟に向け、具体的に行動を開始した年でした。2004年価格では象が5900ドル、犀が8500ドル、豹もライオンも僅か3000ドル、ケープバッファローに至っては、僅か1000ドルでした。

ケンさんは2016年のナミビア猟を最後としましたが、この頃にはエランドもクドウも2000ドル、他は高額過ぎて手が出せませんでした。

また2015年がその次のターニングポイントになりました。その10年ほど前から中国成金が大挙  してアフリカを訪れる様になったからです。

ケンさんが初めてナミビアを訪れたのは2009年、この時は飛行機に乗り合わせたハンターはゼロでしたが、2012年は他に3組、2016年には何と12組でした。更に以前は1日1便しかなかった飛行便は、2015年から1日3便になりました。

ナミビアに人気が集中した理由は、今まで主力の南アフリカの動物を獲り尽くしたからでした。ナミビアもこのペースで行けば、10年で獲り尽くされますが、幸いコロナで3年ほど永らえています。

もちろん現在の主流は大規模狩猟場に、養殖動物を放牧して狩猟するランチ猟です。ハンターの数が多過ぎ、養殖動物(本来5年)が間に合わず、繰り上げ卒業させる様になり、ますます大物捕獲が困難となった、それがアフリカ猟の現状です。 終わりなき情熱の紹介は頁の関係で省きます。

今後のアフリカ猟は、比較的繁殖の良い、ゲムズボックと呼ばれるオリックスや、ワイルドビーストと呼ばれるヌーや、レッドハートビーストや、スプリングボック&ブレスボック(少し大きい)や、イボイノシシに限られて来ると思われます。

遠からずアフリカがダメになると、エゾ鹿猟の価値が一段と上がって来ます。
法律的な問題を対策すれば、エゾ鹿は完全なワールドサイズ、世界断トツの生息密度ですから、世界のハンターが注目すると思います。
  


Posted by little-ken  at 15:42海外狩猟狩猟雑誌「けもの道」

2021年06月09日

魅惑のアフリカ猟。(何時かはクドゥ猟)

1960年代後半だったと思いますが、日本は空前の狩猟ブームとなり、アフリカ猟等の海外の大物猟を紹介するテレビ番組もあり、テレビ各社や出版各社は競ってプロハンターを雇ってアフリカ猟を紹介しました。それを見てケンさんの頭には何時の日にかアフリカア猟が刻み込まれました。

庶民向けには国産の水平2連銃がバカ売れし、ハンター数は10年間に3倍の50万人に膨れ上がりました。

その頃の銃砲年鑑にはケンさんには全くの無縁のヨーロッパでも貴族か皇族しか使わない超高級銃散弾銃のジェームズパーディーや超高級ライフル銃のホーランド&ホーランド等も掲載されておりました。

アフリカ猟に行くと言えば、国内制限を超えた口径のライフル銃も許可になりました。600ニトロエクスプレスと言う様なアフリカの象撃ちにしか使わない弾薬も市販弾薬リストに掲載されていた程、ジャパニーズ成金はお金を持っていました

海外猟手配会社も複数社があり、クレー射撃場には美人秘書付の高級外車で乗り付ける成金も多くいまして、腕よりも高級銃や高級外車や海外猟の自慢話ばかりをしていました。

海外猟は本格的なアフリカ猟より、最も近い外国である済州島の高麗雉バカ獲れの話、カムチャッカ猟でも本命のヒグマより、鮭や鱒の入れ喰いの話の方が多かった様です。どうも行っただけで済州島のキジ撃ち以外は真面に狩猟とは対峙しなかった様でした.

  ケンさんの拘り、その1
人生が豊かになり、趣を味わい、道を楽しむのは良い事だと思いますが、一方でそれが度を越して家計の破綻を来たした例を世間では「道楽」と呼びますが、ケンさんはこれにはなりたくないと思いました。

ケンさんはピーク時にはシーズンの60日もエゾ鹿猟の遠征していました。それでも道楽とは言わせない様に努力して来ました。

仕事は成果が上がれば良く、その手法には戦術と戦略があります。
戦術は多くの場合、能率向上や時間延長を強制します。この違法っぽいイカサマ手法からはベラボーな効果は得られません。

そもそも努力(強制されて行う行為の事)と言う言葉がケンさんは大嫌いでした。

一方戦略はその文字の如く、戦いを無くしてしまう事で、ケンさんが好んで用いた手法です。
それは設計レベルに遡る手法です。設計者も管理者も製造のプロではありませんから、そこには実にたくさんの無駄がありました。無駄の塊と言った方が適切だったのかも知れません。

商品はその機能やデザインを売っているのですから、それらが同等以上であれば、と言う観点で設計を見直しますと、特定の仕事を無くす、或いはそれを前後の工程側に付属させても、それが前後の工程側にも負担増にはならず、皆が楽になる様な項目が必ずありました。

これは間違って入部してしまった、名門バレー部を辞める為の通りの良い理由を探すよりも遥かに簡単でした。

設計者は製造面ではシロートですから、設計まで遡って平凡な新アイデアを多少組合せますと、該当工程の人も前後の工程の人達も楽をしながら、大幅に成果を上げる事が出来る様になります。これが戦略的な合理化です。

何時しかケンさんは趣味の時間も費用も大幅増となりましたが、道楽と言わせない為に、この戦略的な合理化が得意項目となりました。該当工程とその前後だけの範囲で言えば軽く10倍の合理化が出来ました。

趣味の為に仕事をして来たと言っても良いかと思います。サラリーマン時代にもこの手法でシーズンに30日程度のエゾ鹿猟の遠征を行っていました。またこの手法で狩猟の効率も10倍に上げて来ました。

  ケンさんの拘り、その2
成金達の銃や海外猟の話には興味があり、やや離れた位置から聞いていました。
しかしそれらを自慢する彼らの射撃技術や銃の知識はがっかりする様なレベルでした。ケンさんはそうなりたくないと思いました。

時間は掛かるかも知れないが、銃は普及品、弾は安売り品を使い、射撃技術と捕獲技術の総合実戦技術を自慢出来る、つまり実際に命中させられる、獲れるハンターになりたいと思いました。

しかし一方でこんな事がありました。アウトドア用品店に高級な迷彩とオレンジの両面仕様のダウンジャケットがありました。欲しいと思いましたが、45000円もしました。当時は月給が5万円でしたから見送りました。

翌年、23000円になっていました。買おうかどうか、かなり迷いましたが結局はまた見送りました。
更に翌年16000円になっていました。そこで店長を呼び、これ1万円なら買うと申し入れました。
店長は迷っている様子でしたが売ると言い、1万円で憧れの明細ジャケットが買えました。

驚いたのはその性能の高さでした。それまで何をどれだけ厚着しても極寒期の待ち場は耐え難い寒さでしたが、それを完全に忘れさせてくれ、流石に高いだけの事はあるなと思いました。

もう一つ耐え難い項目がありました。それは極寒期の待ち場の足の冷たさでした。ダウンジャケットの成功から思い切って高額商品を購入しました。当時デビューして間もない2.5万円のゴアテックスのハンティングブーツでした。

やはり高いだけの事はあって足の冷たさを完全に忘れさせてくれました。
この2件から安物買いの銭失いには注意しようと思いました。

  合理化10倍がケンさんの特技
そして自前会社になってからは、その合理化から自前会社の利益が多少出る様に工夫しながら、最大60日の狩猟遠征をしていました。通常レベルから考えれば、これは完全に道楽領域と言えますが、ケンさんが改善を行えば、仕事でも狩猟でも能率は成果が3倍以下と言う事は無く、しばしば10倍以上になりました。

こうして誰からも狩猟の趣味が道楽だとは言わせない様に手を打ち続けました。
またケンさんの趣味に使わせてもらうのは、上げた利益の10%までと決めました。

そしてこの10倍以上に合理化されたカモ猟で毎朝出猟し、カモ猟の3ケ月間は本業以上の収入を得る事が出来ました。スナップショット+小粒弾+スイング射撃+高速連射の合計で3発/羽となりました。

獲物に出会うには何時に何処に行けば良いか分かるポイント猟を開発、これに開発したアプローチ技術と後述の回収方法を組合せますと、毎朝当時の定数である10羽を戴く事は朝飯前でした。

更に回収が簡単に行なえる様な狩猟方法を考案、1チャンスから瞬時に多数を捕獲し、それを速やかに回収し、次の猟場に移動を繰り返しました。

良い猟場を開拓し、出会いスケジュール表が作られ、アプローチが簡単に行える様に事前工事を施し、高度な射撃術を開拓しておきますと、捕獲も回収も非常に上手く行きました。
しかしカモ猟で上げた利益は自分財布には余り残らず、我が家の家計に入れられてしまいました。

ライフル銃で本気で捕獲した事は余りありませんが、5日間で朝夕5頭ずつ計50頭を捕獲した時は本気でした。この時に5発5中が3度記録されました。

こちらもなるべく回収が楽になる様に心掛けますが、100~150㎏/頭のエゾ鹿を射程距離の150m以上回収しければならず、朝飯前に毎日10頭と言う訳には行きません。

銃は普及品、弾は安売り品でしたが、特別装備のランクルには拘りの各種チューニングを施しました。そのお陰で誰も踏み込めないエリアまで行け、多数が獲れた部分も多いのですが、その為の車両代等の費用も馬鹿にならず、売り上げの過半はこれに消え、儲かるとは言えない状態でした。

それでも銃は市販の普及品、弾は安売り品ながら、下記の様な誇るべき記録を作る事が出来ました。最高精度:150mテーブル撃ちの5発が12mm。  最長射程:半委託380mのクドウ、全依託540mのエゾ鹿。

最短射程:15mのヒグマ280kg、50mのエルク320kg。  最大の獲物:エランド940kg、ヒグマ450kg。  最大角長:138cmトロフィー級クドウ、108cmエルク、99cmトロフィー級エランド。

エゾ鹿のポイント猟:何時何処に行けば鹿に会えるのかを解析、平均で5回/日を達成。
驚異の出会い内容:出会いの70%が3段角、30%が大物、5%が超大物。
スナップショット:肩に着く前に撃てる技術。  150m早撃ち:150mを近射の早撃ち側にする技術。
総捕獲数:エゾ鹿1051、ヒグマ6、本州鹿26、海外大物64、内外小物81、36年間で合計1228頭。

  エゾ鹿猟と海外猟
実は北海道のエゾ鹿猟は世界中のハンターが羨む状況です。北海道では3か月間、毎日撃ち放題獲り放題であり、ケンさんはシーズンに150頭前後を捕獲、内トロフィー級だけでも20~30頭を捕獲していました。

海外猟ではエゾ鹿以上のデカいエルクやムースが捕獲出来る点を除けば、メリットはゼロなのですが、それでも 海外のビッグゲームには何故か心が躍ります。

エゾ鹿クラスとしてはミュール鹿やホワイトテール鹿やカリブーがいますが、狩猟シーズンは僅か1ヶ月、捕獲はシーズンに1頭だけに制限され、過半は獲れないままで終わってしまいます。

天然物のトロフィー級の捕獲は一生に1回あればラッキーと言う状況です。故にアメリカで人気の高いエルクは養殖が盛んで、角サイズにより5000~15000㌦のゲーム代を支払い、更にガイドと宿と食事で5000㌦が必要です。

実猟5日間でチャンスはたった1回だけ、スモールノーサンキューは可能ですが、余り言っていると期間内に撃つチャンスが無くなります。

発砲権利は1回のみ、撃てば権利は消滅し、未回収時の再チャレンジは多くの場合かなり高額と言う、厳しい狩猟です。飛行機代を払ってもニュージーランド猟の方が物価が安く、養殖のエルクや赤鹿や鹿ディア(エゾ鹿近縁種)と勝負するツアーに人気があります。

これに比べますとアフリカ猟の方が安く、4種のアンテロープと勝負出来るツアーは2020年価格で8000㌦前後からあります。もちろんアフリカ猟もプレミアムコースの高額の動物は5000㌦以上となり、象や犀はプライスレスです。

この様に海外猟にはお金が多少必要で、後述のアンテロープ猟でも一生に1回しか行けません。国内エゾ鹿猟3日コース(全日程5日)1式が2020年価格で20万円前後ですから、こちらなら毎年行く事が可能になります。

  海外猟の難しさ
しかし海外猟は少年の頃からの憧れであり、一生に1度は行きたいモノです。
サラリーマンでも今から紹介する普及版アンテロープ猟8日コースであれば、一生に1度位なら行ける金額です。

行くなら一生に1度だけの我儘を聞いて頂き、全12日間の日程を強行しないと、気が付けばお金と暇と健康の内の1項目以上が不可能に陥るか、手の届かない価格になるか、夢は未達成のままで人生が終ってしまいます。

手が届きそうなのはアンテロープ類、イラストにはありませんが、体重が1㌧に近い超大物のエランドは2000㌦(2016価格)、ゼブラ1350㌦、続いてイラスト左側からグルグルと角が伸びた超人気のクドウは1750㌦。

角が真っすぐ1mになるオリックスは750㌦、エゾ鹿クラスのインパラ650㌦、本州鹿クラスのスプリングボック500㌦、馬に角を付けた様なレッドハートビースト750㌦、中型の牛の様なヌー1350㌦等々が主なターゲットとなります。

勿論これは2016年度の動物代の価格であり、現在はかなり高額になっていると思います。

  左からクドウ、オリックス、インパラ、スプリングボック、 レッドハートビースト、ヌーです。

アフリカまでの航空券は往復25万円、狩猟は4種の動物の3350㌦分の動物代を含めた8日間のセットパックが6353㌦(2016価格)全日程は12日間となります。動物の入れ換えは差額を払えば可能です。

最大4種の動物と勝負出来ますので、前頁3種にインパラ650㌦を加えた動物代合計が5150㌦となり、1800㌦の追加となります。価格には殆んどの物が含まれ、良質なロッジと食事、飲み物もワインとビールが含まれています。

含まれない物にチップ(10%目安)、後述のペナルティー、剥製を作ればその費用や税金や輸送費、ショルダー マウントで1頭が10万円前後になると思います。今なら費用的には全部で200万円あれば大丈夫と言えます。

愛銃も面倒な手続きですが持ち込めます。弾は追加費用で持ち込めますが、余った弾は持ち帰れません。弾は銅弾の現地購入がベストです。 


ではアフリカの狩猟に付いてのお話をしましょう。http://trophytracking.com/pricing/2015-01-28-12-09-49
 5-1.射程距離と精度:国内でも海外でもStdサイズの獲物は100m前後で射撃しますが、普通のハンターが後述のペナルティーの為に撃たなくなるので、その辺の距離からいるのです。大物は実戦慣れしている場合が多く、射程距離がライフルの極限に近くなる事もあり、出来れば300mの遠射が出来れば心強いです。

エゾ鹿大物やアフリカ猟でもいるのは100m前後ですから、その距離で50㎜を当てられる射撃技術は最低限 マスターしたい処です。大物は後述の経緯でどんどん射撃距離が長くなります。

 5-2.ペナルティープレッシャー:エゾ鹿猟では基本的に狩猟税を支払い保険に加入すれば、発砲は自己判断、そして撃ち放題&失中放題であり、失中しても未回収になっても特別な料金は発生せず、単に残念だったと言うだけですが、海外猟では狩猟制度その物が全て違います。

動物1頭を政府から買い取る形であり、発砲は公認ガイドの指示が必要で、発砲すればその権利は消滅します。射程距離は100m前後からですが、大物は後述の経緯でかなりの遠射となります。

ナミビア猟の先のエリアでは失中は無料、未回収再チャレンジでも動物代金をもう1度支払えば可能ですが、普及獲物で料金は1000㌦~  2000㌦です。人間の心は下記の様に、対戦する前から相手がデカいと負けてしまう、情けないモノなのです。

 5-3.迫力負け問題:通常の本州鹿や日本猪は射手の人間と同サイズ前後ですから、対戦前から迫力負けする事はありません。しかし目指すべくアフリカの大物は少なくも人間より数倍の体重があります。

エゾ鹿の場合ですと初期には体重100kg程度の中型未満の3段角で、殆どの生徒が迫力負けを起こしました。これを自然に乗り越えるのに5~10チャンス強を要し、これをマスターしても、20%更に大きくなると再発します。目指すアフリカの大型アンテロープは300㎏以上、迫力負け対策は非常に重要です。

エゾ鹿超大物猟も同様と言えますが、本州猟では獲れないのはグループや猟犬の至らなさもありますが、エゾ鹿猟で獲れないのは100%本人が至らないからと言えます。

この「迫力負け」や、猛獣対戦時の「恐怖負け」も、難度の高い射撃をペナルティー覚悟で撃つ海外猟は人間の心を大きく育ててくれます。

これをマスターしなければアフリカ猟への道は無いのか?  
ご安心下さい。もう少し難度の低いアフリカ猟もあり、後述で紹介します。

ヒグマ対戦に関してケンさんは幸い6戦6勝を体験しましたが、内4頭は立ち止まっておらず、普通射撃では対応出来ません。スナップショットやスナップスイング射撃の技術が必要です。

アフリカの猛獣猟では安全確保の支援係が付き、普通射撃でも大丈夫と言えますが、ケンさんは無支援で15m出会い頭のヒグマ280kgや100m先を走る450㎏のヒグマと勝負して勝ちました。

 5-4.必要な射撃精度:本州猟では20m射撃で胴体に被弾されば、合格射撃と言えるのですが、本格的な猟の入門であるエゾ鹿猟では100~150mで直径15㎝の急所にヒットさせなければ意味はありません。

50mで14㎝の的を撃つ旧技能講習ではこの差がはっきり表れ、本州では70%以上が不合格でしたが、北海道では90%以上が合格でした。射程距離が1桁長くなる上に、更に高精度な急所のヒットさせる射撃精度が必要になる、これが本当の大物猟に必要な射撃精度になります。

従ってエゾ鹿の超大物クラスを複数捕獲したハンターなら、その経験でアフリカ猟にも充分に対応出来ますが、本州猟経験だけのハンターの場合、それまでの経験は全く役に立ちませんので、そのままではエゾ鹿猟にもアフリカ猟にも対応出来ません。まずはエゾ鹿猟で実戦射撃の技量を付けなければなりません。

使用銃に付きましては市販ボルトアクション銃のハンターモデルには300mの実用精度があり、スナップショットやスナップスイング射撃もスコープ専用銃であれば対応可能です。

口径は308のStdで十分、弾頭はアフリカでも銅弾頭を使います。銅弾頭は骨をも砕きますから前足軸線上の背骨との交点が狙い目です。ここをヒットすればパワー不足は起こらず、必ずその場に即倒します

 5-5.アフリカのクドウ猟のドギュメント:クドゥは最もアフリカらしい人気NO.1のアンテロープです。
最大の特徴はやはりスパイラル状になった巨大な角と、ボデーに7本前後入っている美しい立ての細白線です。銃はエゾ鹿用の308で大丈夫です。

射撃距離が長くなりますので使い慣れた愛銃が良いと思います。
愛銃の持ち込みには日本政府の1時輸出の許可が必要になり、中継空港でも審査があります。

狩猟は超人気のクドウの話を中心に進めます。クドウ1頭を1750㌦で政府から買い取る感じになります。発砲には有資格のガイドの許可が必要です。クドウのデビューは5才から、その頃の角長は1m強です。

それまではガイドが撃たせません。射撃距離は運が良ければ100m、多くが150~200m、2脚の立ち撃ちです。極めて舐めて掛かれない射撃です。予め150m射場で類似の練習をしておく事をお奨めします。

このエリアでの失中は無料、再チヤレンジ出来ますが、未回収はクドウ代金1750㌦が再度必要になります。しかし肺に被弾させれば2日間掛けて、かなりの確率で追跡し回収してくれます。

クドウの肉代はガイドの副収入ですから当日回収出来ないとその分のペナルティーが発生する事もあります。

これで生き延びたクドウはもう200m以内にはいなくなり、以降は300mクラスに生息する様になります。当面は失中リスクを恐れて誰も撃ちませんから、角は月に約1㎝成長し、数年すればビッグトロフィーの300m射撃にチャレンジするハンターも現れます。ケンさんの初回対戦のクドウがこの300mでした。

これで生き延びると以降は400m以遠に生息する様になり、通常のハンティングライフルでは無理となります。それでトロフィーは更に大きく成長しますが、野性のフィールドでは8歳を超えると成長は鈍化し、10数才で寿命を迎えます。

ケンさんが2016年に勝負を挑んだのはこの最難関のクラスでした。

クドウのトロフィー級の大物勝負はこの様に半端でない1750㌦が掛かったガチの勝負となります。
クドウは400m前後の距離でも照準をさせない様に、ブッシュからブッシュに小走りで駆け抜け、通常の射撃技術で言う照準時間は全く与えてもらえません。

エゾ鹿猟の150m級で使っているアバウト早撃ち用の照準時間すら不足する程です。エゾ鹿猟用で使える技術があるとすれば、鹿が丘のトップ等で止まって振り向く場所を正確に予測する「待ってたホイ射撃」位ですが、あれは主に200m級のテクニックです。

事前調査でいる事が分かっているボスブルですが、2日間捜索しても出会えません。
それが本日PMは出撃後僅か30分もしない内に出会えました。雌を5頭連れています。

アプローチを開始しました。クドウは200m先を例によってブッシュからブッシュへと全速で走り続け、射撃チャンスは全くありません。

4回目のアプローチは250mで、クドゥの頭だけが概ねブッシュから丸見えになっており、トロフィーに傷が付くといけないのでネック狙いで撃ちました。

しかし弾はブッシュに喰われたのか、或いは「そっと撃つ」と言うおまじないを忘れて失中したのか不明ですがミスショット、幸いクドゥの逃げる真剣度は低い様です。

念の為に少し追跡しますがやはり被弾の兆候は皆無です。クドゥは5km先の山に向かって逃げましたので山裾を横切ると予測し、車で先回りし山の中腹から見下ろすと言う作戦をガイドは取りました。 

ガイドはもっと先に進んでいるかも知れないともっぱら先方向を見ていましたが、ここはケンさんの感が冴え、概ね真横300m付近でメスクドゥ1匹を発見しました。今までの行動からエゾ鹿との共通点も多かったからです。

更によく見ますとブッシュの陰には、先ほど射撃ミスしたボスブルも隠れています。照準を試みますが、発見された事が解かったボスブルは300m強でブッシュからブッシュへと速足で駆け抜け、全く立ち止まらないので照準不可能です。

しかし少し先にやや開けた場所があり、クドウはここで立ち止まって振り返るだろうと思いました。
エゾ鹿なら必ずそうするからです。

ケンさんは初の試みですが、車の側面に依り掛かった半委託射撃で、そこに予め照準を合わせた「待ってたホイ」で遠射をやろうと決めました。果たして、クドウは予想通りの場所に立ち止まって振り返えろうとしています。

射撃距離は350m強、照準は前足軸線上の背中の線、これで心臓高さに着弾すると読み、照準微調整の後、直ちに発射しました。もちろん今度は「そっと撃つ」と言うおまじないを忘れずに撃てました。

引き金は非常に良い感触で落ち、絶対に当たると確信しました。
しかし予定よりも遥かに長い時間が過ぎても弾着音が返って来ません。やがて大幅に遅れましたが、大きな弾着音が返りました。

クドゥは激しい被弾ショックを示し、非常に走り辛そうに逃げて行きました。ガイドのダニーはこの時点でもう絶対に逃げられないと判断したらしく、 「グッドショット、コングラチュレーション」と握手を求めて来ました。

結果はやはりと言うべきか、被弾現場から20mの所にうずくまっていました。
そっと横に回って100mからネックに止め矢を撃ってゲームセットとなった次第です。
被弾場所はボデー下端で両前足被弾骨折、心臓高さ付近と思っておりましたのでちょっとガッカリでした。

つまり射撃距離を350m強と読んだのですが、実際は350mよりかなり遠かった様で、その結果として着弾落差も予想外に大きくなり、また弾着音も予想外に遅かったのだと分かりました。

後刻落差から逆算した処、射撃距離は380mと判明、年齢は8~9歳、角長138㎝、体重450kgでした。追跡中からガイドのダニーがビッグブルと興奮していましたが、ダニーによれば彼のエリアでも歴代NO.1の事です。

ナミビア歴代25位のゴールドメダル級のトロフィーでした。この様に超人気のクドウのビッグトロフィー級は、現在のハンティングライフルの性能からすれば限界をやや超えた程度と言えます。

後刻剥製屋で多数のクドウを見ても、巻数の多い年齢的に立派な物はあっても、長さ的には同等以下、太さ的にはケンさんのクドゥが大幅に勝りました。

 5-6.ファームの狩猟とランチの狩猟:ケンさんが狩猟を行ったのはファーム(牛の牧場)の天然物です。メスや小物は撃たれないのですが、群れの中に対象年齢のオスが居れば撃たれますので、天然物は多少の狩猟圧をすでに受けており、北海道のエゾ鹿よりかなり難度が上がります。

クドウは5歳でデビューした初年度中に、殆どがトロフィーになってしまうそうです。
このファームの天然物の猟とは違う、別の場所で養殖された動物を撃つランチ猟と言うのがあります。

これはファームよりも1桁大規模にハンターを集めており、現在のアフリカ猟は90%がこのランチ猟となります。養殖専門のファームから動物を購入し、これを私有地に放牧し、これと勝負させます。

極僅かですが生き残りの大物もいます。放牧されたクドウは撃たれた経験がありませんから、100m前後からたっぷり照準時間を掛けた射撃が可能です。但し5歳のデビューボーイばかりでビッグトロフィーはこの中に居ません。

お金次第で狩猟経験のないビッグトロフィー級の養殖クドウとも勝負出来ますが、実戦味が劣ると言えば劣ります。

 5-7.他の猟法と他の狩猟動物:普通は狙う動物を絞ってその動物に会いに行くのですが、水飲み場の近くに設けたブラインドで静かに待ち、来た動物を撃つと言う狩猟方法もあります。

インパラやオリックス等多数が生息する場合は、この方法でビッグトロフィーは狙えませんが50~100mで射撃 出来ますし、歩かなくても済みます。

他の狩猟動物の場合はクドウほど人気が無い為、射撃難度はかなり下がり、距離も100~200mになり、エゾ鹿猟の難度に近付いて来ますが、狩猟環境は後述の様に激変していますから、今後は分かりません。

尚アフリカやナミビア猟の人気は超ウナギ上り、2008年頃の資料によれば象も犀も5000㌦程度でしたが、2016年度の価格ではこれらは最早プライスレスとなりました。

ハンター数は動物の価格上昇以上に増え、1部の動物 価格は10倍以上となり、多数生息する普及動物の価格も2倍の価格となり、その方向は今後も変わらなさそうと 言うより、今後はもっと価格上昇が大幅に加速する事でしょう。

アフリカ猟には3度行きました。1回目2009年は同じ飛行機に銃を持った他のハンターは我々だけでしたが、2回目2013年は他に3組、3回目2016年は何と他に12組も乗っておりました。

更にナミビア便自体が他に2便/日も増便され、他の2便にも同様のハンターがいたとすれば、1日に来るハンターが40組に増え、とんでもない数になりました。更に銃を持ち込まない中国系成金ハンターもこれらとは別におり、最近はこちらの方が多いとも聞きます。

本格的な狩猟経験のない、中国人達に簡単に獲れるほどアフリカ猟は甘くなく、支援射撃付はまだしも、代理 射撃も多いらしく、憧れの狩猟がそれだったのかと思うと、悲しく思います。

かつての日本人もそうでしたが、2000年頃、東京の歯科医グループの根室猟をガイドしました。銃は300mで3発ワンホールのキングクラフト製でしたが、腕は50mが怪しげ、この腕でアフリカ猟5種を成功させたそうですから、似た様な物と言えました。

こんな人達がかつて射撃場で自慢話を披露していたのです。
ナミビアに来るハンターがどうしてこんなに急増したのか?  
それは南アフリカの動物が尽きたからです。

数十倍のハンターが来れば動物が大幅に不足し、南アフリカの動物は10年で概ね尽きました。ハンターはその頃より遥かに絶対数が増えており、ナミビアの動物が尽きるのも時間の問題であり、ケンさんは10年持たないだろうと見ています。勿論その前に庶民には手が届かない高価格になるだろうと思います。

世界的に見ればポーラーベア猟は絶望的となり、ムース猟もそれに近付きつつあり、エルクは養殖物が多くなりました。アフリカ猟やエゾ鹿猟だけが狩猟の全てではありませんが、ケンさん達の年代ではアフリカ猟は少年の頃からの憧れでした。

何時かはアフリカのクドウと勝負したい、それが夢でした。
コロナ明けの数年が庶民に取って手が届く、最後のチャンスと思われます。ぜひクドウの夢を実現させて下さい。

15年前までは象も犀も撃てた、それも信じられない程安く撃てた、そう思うと残念です。ただその頃は航空券が高かったり、便が無かったりで行く事自体が大変でした。結論としてビッグ5は逃しましたが、概ね希望が叶えられたのですから、良い時期に生まれて来たと感謝しなければならないと言えます。

また幸い趣味のレベルを守りながら、健康と暇とお金の3つを達成出来た事をケンさんは非常に嬉しく思います。

夢は叶う様な方向をキープしたまま待機していれば、何時かタナボタ的に叶えるチャンスが廻って来るモノです。しかし準備をしていなければ、そのタナボタは他の人の所に行ってしまいます。

日頃から準備を怠らなければ、タナボタは必ずキャッチ出来ますので、何時かはクドゥの夢を手が届く価格の内に叶えて下さい。

仕事を完全卒業してからと思っていてはなりません。手が届かない高価格問題以外にも、その頃にはお金と暇は何とかなっても、過半の場合、肝心の健康が揃わなくなってしまいます。そう言う友人達を多数見て来ました。
  


Posted by little-ken  at 18:39海外狩猟ハンティング

2019年01月11日

男のロマン(アフリカ猟)は200万円?

アフリカ猟はハンターたる者の一生の憧れです。
筆者も少年の頃にアフリカ猟を知り、何時かは必ずアフリカ猟に行くと心に決めました。
それが実現したのは40数年後の2009年の事になりました。
この時にその方面の業者のカラクリを垣間見る事が出来ました。

その昔、日本にも「シンワールド」と言う海外狩猟手配会社がありました。
ここのやり方は日本人に商習慣や狩猟制度の違いを説明するのは不可能とし、かなりの現地追加費用が避けられませんとだけの説明でした。1990年代末期にアフリカ猟に行った歯科医の話では、1式100万円の価格に対し日本式撃ち放題の結果、現地請求は約200万円となり、剥製代(全身剥製)や送料等を含めて全合計では約400万円になったそうです。
彼はアフリカ猟に先立ち、450万円でキングクラフトのカスタムライフルを購入したそうです。

これには後刻、更に酷いイカサマがある事が解かりました。それは日本での1式金額100万円の内40万円程度は現地に支払われる筈ですが、どの道、現地追加金額は日本式撃ち放題をすれば膨大になる為、現地支払いは全く行っていなかったと言う事が解かりました。

それは2000年に筆者がアラスカのカリブー猟を「シンワールド」に120万円で申し込んだのですが、現地には全く予約金すら支払われていなく、結果的に狩猟は出来ず、120万円の全額が無駄になった事がありました。その過程で現地の日本人手配会社のA&Pの社長に会う事が出来、社長からそう言う話を聞き、こう言った経緯が分かった次第でした。

また2009年に筆者がナミビア行を検討する際、現地日本人会社数社にハンティングの見積りをお願いした所、2社から回答があり、1式は200万円と400万円でした。
一方ネットの直接現地価格は60万円でした。余りの違いに50~100万円をブったくられる位のつもりで現地業者の所に行きました。

やはりと言うか現地請求は40万円程ありましたが、話し合いの結果、これも殆どがなくなり、飛行機代とトロフィー代(袋角だけ)&送料や飛行機代を含めた全合計は85万円程度に収まりました。

2009年は現地見積り400万円が僅か85万円(80%レス)で行けたのですから、驚きの大成功でした。その価格も今は毎年10%程度のインフレで、その頃に比べて2倍以上になっています。
先の90年代末期の100万円もこれも2009年の85万円を年代逆算しますと50万円以下ですから1式100万円自体がすでに酷いぶっ掛けでした。

と言う事で憧れのアフリカ猟はぶっ掛け放題と言う感じがしない訳でもありませんが、現地業者の中には極めて真面目な業者もいます。筆者が何回も利用した現地ガイドは間違いなく信頼に値します。

これをそのまま皆さんに紹介する事は可能です。
    http://trophytracking.com/
ここと独自に直接契約をする、それが究極の安さとなりますが、しかし日本とは余りに狩猟制度が違い商習慣も違い、海外猟未経験の人が行けばNZの日本人ガイド相手でもトラブルが起こるのですから、白人相手では最早トラブルは必須となります。

それでは良い方法はないのかと言う事になりますが、今後数年内であれば筆者が一緒に手配し、一緒にナミビアまで行く事は不可能ではありませんが、それには実費60万円程を要し、銃やトロフィーの輸出入まで行いますと1式の実費は100万円近くになります。
しかしそれでもプロの業者を入れるより超大幅に安く行けるのは先の説明の通りです。

では夢のアフリカ猟は今なら幾らなのか? 勝負の内容で多少変わりますが、4動物で2016年現地支払いは8千㌦程度、今なら推定1万㌦程度です。チップ10%、飛行機は25万円程度、剥製はスケルトンで梱包輸送費まで入れて20万円程度、猟の手配と筆者同行で60万円程度、銃やトロフィーの輸出入手続きに30万円程度、合計は255万円、夢のアフリカ猟は自分で出来る事は自分で行う等々に+多少節約すれば200万円、高いと思えばそうですが、一生の夢が200万円なら安いとも言えます。

猟の手配と同行に60万円程度を要するのは大きなデメリットと言えますが、考え方によってはそれを上廻る大きなメリットも得られます。
1つ目は筆者同行なら絶対に吹っ掛けられる事が無く、所定の注意を守れば予定通りの予算に必ず収まります。巷の見積り価格と比較すればその差は軽く200万円です。
2つ目はトロフィー級との勝負はレピーターにならなければ不可能ですが、筆者同行ならレピーター扱い、トロフィー級狙いならアフリカ猟1回分100~200万円の節約になります。
3つ目は筆者が申し込めばレピーター扱いで10%レスの適用が受けられます。

アフリカ猟の概要ですが、銃も弾も下記の様にエゾ鹿猟用がそのまま使えます。
筆者の愛銃:サコー75バーミンター改、口径308。
        愛銃の1時輸出入は事前申請すれば可能です。
筆者使用弾:現地購入の市販弾でバーンズ銅弾頭165grの物。現地購入がお奨めです。
        愛用の弾は事前申請すれば持ち出せますが、余っても持ち帰れません。
射撃方法 :携帯3脚(ガイドが準備)使用の立ち撃ち200mです。
        ちょっと練習が必要です。
臨時出費 :射撃ミスで最大動物代の費用が発生します。
        何時もの様に撃てれば必ず命中します。
弾頭の選択:骨に当たっても威力を失わない銅弾頭は非常に有利です。


  写真左:エランド、体重940kg、角長99cm、150mからウォーキング射撃。
  写真右:クドウ、体重450kg、角長137cm、380mからの半依託射撃。  
  背景:ゼブラ、体重350kg、150mからの普通射撃。
  写真右端:ヒグマ250kg、50mランニング射撃。

  


Posted by little-ken  at 15:03海外狩猟

2018年12月20日

世界の狩猟。

私がNO.1ガイドと思っている鶴居村の小山氏ですが、何かあった様でHPもブログも検索出来なくなりました。そうなりますと私ももう遠くない時期にガイドを卒業ですから極めて短い期間ですが、私がNO.1ガイドと言う事になります。
北海道でNO.1と言う事は日本中でも世界中でもその順位は特に変わりません。
皆さんが楽しまれている北海道は世界の超ダントツの鹿猟場なのです。
まだエゾ鹿猟を体験した事のない人は是非1度は体験してみましょう。

世界の平均値はガイド付で実戦5日掛けて1頭に少し足りないのが平均値です。
無ガイド時の世界標準は海外の1シーズンは多くが1カ月ですが、休暇1か月を丸々使っても1シーズンに捕獲出来る人は大目に見て20%程度です。

確実に捕獲する手段として知られているのは山奥に秘密の牧草畑を作り、そこに待ち場の小屋を常設する事ですが、1シーズンに僅か数頭を捕獲する為に掛ける手間暇とお金は相当な物になります。

お金を掛けない手法は木の上に吹き曝しの足場だけの簡易待ち場を作り、ひたすら鹿が通るのを待つのが一般的な手法です。スクールのD生徒の留学先は米国の右上のカナダに近いメーン州、ここはシーズンが1か月、毎週週末にはしっかり通って4年目にオスのホワイトテール鹿を捕獲し、田舎町のニュースに載った程です。

本州鹿の巻狩りの平均は0.05頭/日人とかなり低率ですが、世界の平均値も同じ計算で行きますと海外の無ガイド時は日本の約半分の0.025頭/日人、1頭の捕獲には40日も通わなければならないのです。ガイドを付ければ0.2頭/日人と10倍近くになりますが、スクールでは毎日軽く1頭の捕獲、2頭捕獲もかつての平均値です。

海外のガンショーや銃メーカーの取材、銃雑誌等々から仕入れた情報をまとめますと海外の狩猟とはかなり本格的で獲れる感じがするのですが、日本より遥かに獲れない狩猟を楽しんでいる、そう言う程度なのです。
皆さんが生まれたのが日本で本当に良かったですね。
更に言えばリトルケンスクールの生徒になれば更に凄い体験が出来ます。
なにせ出会いが1日5回、3段角率70%、大物率20%、超大物5%が待っているのです。

小山氏に関する情報をお持ちの方、連絡頂ければ幸いです。


  


Posted by little-ken  at 17:55海外狩猟EHG5205近況

2018年06月06日

アフリカ猟ベストプライス。

海外大物猟はハンターたる者の憧れですが、かなり高額な料金が掛かります。
一口に1式200万円が必要ですが、安価な方法をお話します。

アフリカ猟では近年は200万円程度が必要になりますが、これを100万円で行ける方法があります。
行く先は筆者の使ったナミビアのハンティングガイドのエリアです。

2018年パッケージ価格 6400ドル http://trophytracking.com
動物は下記4種、更に8日間(全日程は12日間)の宿-案内-食事-送迎-獲物捕獲時の処理費-税金が含まれ、ペナルティー、チップ、剥製関係、飛行機代、銃のレンタル代が含まれていません。
動物はヌー又はゼブラ、オリックス、スプリングボック、レッドハートビーストの4種が含まれています。動物の入れ替えも一覧表価格の差額で可能です。

飛行機代は往復で20万円強、銃レンタルと弾代で200ドル程度、チップは600ドルです。
ペナルティー関係では失中は無料ですが、未回収は獲物代が必要になります。
しかし未回収時はそれで終わりにして、再チャレンジをしなければ追加費用は発生しません。
記念は捕獲写真だけとし、剥製関係は作らなければこれも追加費用は発生しません。


これを1㌦110円で計算し、飛行機20万円としますと、全費用は99.2万円となり、幾つ成功するかは腕と運次第、失中は無料ですから気楽です。胴体前半に命中すればガイドはまず回収してくれます。興味にある人は直接現地に問い合わせて下さい。
筆者の案内を希望される場合は30万円+が必要です。手配も希望される場合は更に30万円が必要です。
愛銃の持ち込みも可能です。輸出入の申請に要3万円です。弾は現地購入の方が安いです。

NZ猟では50万円の手法もありますが、大物猟ではありません。



  


Posted by little-ken  at 17:08海外狩猟

2017年10月05日

ナミビアのサファリ映画

ナミビアのサファリ映画のお知らせです。
TOHOシネマズ 六本木ヒルズ で10月下旬公開、1500円です。皆さんぜひ見て下さい。
      http://2016.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=141
       2018年1月より、全国各地でも公開される予定です。お楽しみに。





ナミビアハンティングに行きたくなった人は200万円を用意して下さい。一緒に行きましょう。
毎年10%価格が上がっています。
2009年の時は100万円でしたが、2018年は200万円、2019年は220万円位です。

ナミビア行きに付きましては下にもう少し詳しく出ています。
     http://admin.militaryblog.jp/admin/entry/edit/entry_id/869711
  


Posted by little-ken  at 17:40海外狩猟

2017年08月21日

映画サファリ

ナミビアのサファリ映画です。オーストリア人が作りました。
私は出演していないのですが、縁あって少しお手伝いをする事になりました。
詳しくはガイドをどうぞ。
TOHOシネマズ 六本木ヒルズ で10月下旬公開、1500円です。皆さんぜひ見て下さい。
全国各地でも公開される予定です。お楽しみに。

http://2016.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=141



そして行きたくなった人は200万円を用意して下さい。一緒に行きましょう。
毎年10%価格が上がっています。
2009年の時は100万円でしたが、2018年は200万円、2019年は220万円位です。

ナミビア行きに付きましては下にもう少し詳しく出ています。
  


Posted by little-ken  at 15:20海外狩猟

2017年08月07日

2018年ナミビア猟の募集。

アフリカ猟は大物猟ハンターに取って「一生の憧れ」です。
昨今では通常のマイナーツアーの3倍程度と、庶民でも参加が可能な価格帯となり、好機到来
と言えます。ただ世界中の人が憧れ、近年は訪れるハンターもかなり多くなり、以前程イージー
射撃ではなくなりつつあります。そうなりますと出来れば早目の方が良さそうです。


  基本的には
アフリカ猟にはどんな大物にも迫力負けしない「平静な心」、高額ペナルティーにも動じない
不動の心」、高度な「300mの射撃能力」、高齢になると難しくなる「10km以上を歩ける体力」、
そして遊びに休暇と高額なお金を使わない日本人には最も高いハードルになる
連続12日間の休暇」と「全費用200万円」、等々が必要です。

  写真は3回分の成果です。大物トロフィー級は300m越の一瞬を狙う射撃となります。

その事前修行にはエゾ鹿の超大物対戦が最も適していると思います。
「平静な心」と「不動の心」はエゾ鹿超大物捕獲で概ね達成出来ますが、平均で19日目の
32頭目となります。出来ればこれを複数以上を経験してから臨む、つまりアフリカ猟の40日前
からが準備が理想的です。

そして修行40日をヒグマ出没の時期に被せれば、捕獲率は0.05頭/日ですからヒグマも十分
な可能性があります。7日ⅹ6年の間に エゾ鹿超大物複数 と ヒグマチャレンジ も出来るのです
から一石三鳥 と言えます。
この一石三鳥は素晴らしいアイデアだと思いますが、しかし筆者の年齢を考えると7年先までは
責任を持てません。これはたぶん貴方にとっても類似条件かと思います。

  夢を叶える奥の手
それだけ準備周到をした出撃が望ましいのですが、「一生の夢のアフリカ猟」にはまだ奥の手
があります。アフリカ猟の基本は1項の説明通りですが、多少のペナルティーが何だ、獲物が
少々小物であっても、予定の半分しか捕獲出来なくても、全戦全敗でない限り、夢のアフリカ猟
には行くべきだと思います。
奥の手は、ビッグトロフィー級を諦め、また獲りたい種類の希望条件も緩め、出会った獲物が
高額過ぎず、また体格が中型以上なら何でも撃つと言う手法です。
(動物価格はクドウ2000ドル、他の小物は500~800ドル程度))

トラック荷台特設シートから、或いは水場のタワー待ち場から等々、殆ど歩く必要はなく
射程距離も50~100m、照準時間も長くもらえますから 遠射や早撃ち能力無しでも問題は
なく、またインパラやスプリングボックは中型 エゾ鹿より小さく、エゾ鹿猟経験者なら
迫力負けも起こらず、アフリカ猟は十分手が届き ます

上記写真は2016年に筆者が行った時の実際の出会いです。写真内白文字は下記の通り。
左から水場50mのインパラ800ドル、同水場100mのオリックス900ドル、車両から50mの
ウォーターバック3400ドル、同50m の スプリングボック600ドル。
状況が良ければクドゥは無理と思いますが、どんどん高額な大物にも枠を広げて行きましょう。
愛銃持込みは僅かな追加費用で可能、無傷の失中は無料、愛銃なら何時もの様に安心です。


  募集要項
募集対象:2017年度EHG5205の紋別解禁猟参加者及び同等以上のEHG生徒だけが対象。
時     :2018年6月~7月の連続12日間。現地実猟6日間。
行先   :ナミビア共和国、アウトジョ―地区(エトーシャ国立公園の隣)。
対象動物:クドゥ、オリックス、そして下記小物から2種程度。獲れた状況と料金次第。
       インパラ、スプリングボック、ブレスボック、イボイノシシ、レッドハートビースト等々。
       ファームに住む各種の純野性動物が対象です。

費用   :全1式で約200万円前後
       これでも一般相場の75%レス、ドル相場等によって変動します。
狩猟方法:車両に乗って動物を探し、徒歩で風下から隠密接近、
       150~250mで2脚立撃ちがメイン。
捕獲確率:運と腕と経験次第ですが、筆者の場合で90%弱、16回射撃して2回がペナルティー。
トロフィー:現地でスケルトン加工し、個人輸入します。(剥製は追加料金で可。)

ナミビア猟は2016年が最後のつもりでした。
しかし初めて訪れた奥地の猟場はかなり魅力的、ここならもう1度訪れたいと思いました。
しかし、筆者は概ね普及価格ゲームは全て消化してしまいましたので、従来の様な強い 
意志はもうありません。どなたかの一生の夢が叶うのであれば、2018ツアーは行われ、
そうでなければ行われず、2019年以降は全額スポンサーでも付かない限り、腰を上げる事
はまずありません。

最後の機会に奥の手を使い、75%レスの費用でアフリカ猟の夢を達成して下さい。
宜しければ詳しい資料を送ります。


申し込みや質問 は下記からどうぞ。お待ちしています。
            http://ehg5205.militaryblog.jp/blogmessage
  


Posted by little-ken  at 14:45海外狩猟

2017年05月10日

アフリカのトロフィー。

2016年6月のナミビアのトロフィーがやっと出来上がりました。

       左からクドゥ、オリックス、インパラ、ブレスボックです。



またその内に行くかも知れませんが、如何ですか? 写真のパターンですと全日程が12日、
1式はかつてのシンワールドに比べれば半額弱ですが、それでも約200万円+未回収の
ペナルティーがあればその分、クドウですと約2000ドル/回、そしてチップが全体の10%前後
です。撃つ獲物を少なく或いは安い物にすればもう少し安く収まります。時期は6~7月です。


  


Posted by little-ken  at 17:36海外狩猟

2017年03月01日

NZハンティング&フィッシング

今回は多少テーマを変えてNZの北島のオポノミと言う場所で、バードハンティングとビッグゲーム
フィッシングに行って来ました。


結果的にフィッシング2日では1.52mのキングフィッシュ(ヒラマサ)、1.32mのハプカ(スズキ)
を始めとし、キング2匹、ハプカ3匹、1.05mのブルーノーズ、1.2m前後のバラクーダ6匹、
70cm前後のマダイ2匹、1~1.5mのサメ7匹、その他少々で合計24匹が釣れました。

ダックハンティングでは特別解禁日2日間の猟を行い、初日は28羽、過去2回は共に20羽程度
であったからかなりの記録更新である。片付けの最中にまた2回の侵入があり4羽追加、合計で
32羽となった。使用弾は約85発であった。

2日目は更に進化し37羽となった。片付けの最中に更に10羽追加、合計で47羽と目標の50羽
寸前までに迫った。尚使用弾数は逆に減少し、約80発であったから素晴らしい。

  4羽侵入、パラダイスは急降下で侵入する事が多く、他の鴨に比べて侵入速度がかなり速い
  ので十分言引き寄せないとダブル以上は期待出来ない。
  高度2m以下、距離20m以下まで引き寄せ、スナップスイングショットに入る。右の1羽はその
  瞬間に逃避を開始、後方の2羽も方向を変え始めた。
  右写真の鴨は風前の灯火、筆者の5連射から逃げる事はかなり難しい。



  撃墜の瞬間、銃はレミントン11-87セミオート、28㌅フルチョーク、弾は4号35g。
  右写真は2日目の片付け直前の37羽時点の物。


2日合計では165発から79羽となった。特別解禁日のお陰である。
命中率に格段の進歩が見られた2日目であったが5連射で5羽撃墜は1度も達成出来なかった。
5連射4羽撃墜は3度達成、ダブルトやリプルはそれほど珍しい出来事ではなくなった。

本当はカナダガン猟の1日が予定されていたのであるが、トーモロコシの刈り入れが遅れており、
適地がなく今回は見送られました。



  1.52m、43kgのキングフィッシュ、ファイト時間は約25分であった。
  キングは他に1.28mで28kgの物が上がった。
  右写真は132cm、28kgのハプカである。ファイト時間は22分であった。
  ハプカは他に16cmと105cmの物が上がった。

  

  外道の代表がこのバラクーダ、1.1~1.3mの物が6匹上がった。
  105cmのブルーノーズと言うメダイの類も1匹上がった。
  右写真は嬉しい外道である大型マダイ、と言ってもこちらではスモールに分類される
  70cmが2匹、嬉しく無い外道としては1.0~1.5mのサメが7匹も上がった。


キング43kgは非常に重くm1人では元上げられない。冒頭の写真も手伝ってもらって持ち
上がった一瞬を撮影した物である。キングのヒットは数ある物の、初期の30秒前後までに
70%がバラけてしまう。1度は30秒でハリスを切られてしまった。

キングの釣り方は3種、25㎝の活きたアジ、バラクーダ等の切り身を200g程度付けた物、
そして300mのメタルジグである。
結果としては活きたアジが1番のヒット率ではあるが、1度も取り込めなかった。

次が魚の切り身、そして最後がメタルジグであるが、ジグが1番取り込み率が高く、結果と
してキング2匹は共に子のメタルジグで上げた。
水深は100m程度、ヒットした深さは70mと50mであった。


一方のハプカは深さ300mの深海である。魚の切り身200gを付け、光が差し込まない深さ
ですからケミカルライトを付けて魚を寄せます。ヒット率は高く、バラけも少ないのですが、
根にも持ち込まれない様にかなりのファイトが必要です。

冒頭の大型の鳥はアホードリですが、他にもイルカ、シャチ、アザラシの出迎えがありました。
今回の総費用は一人でチャーターした為やや割高で約67万円(レピーター価格)でした。
複数人で行けばかなり安く上がります。

今回はhttp://www.huntingaotearoa.jp/ を利用しました。
他にも各種ハンティング、射撃、フィッシングが可能で、対象のよって費用は異なりますが、
最少価格は1式30万円程度がスタート価格になります。船代その物は1000㌦/日です。
フィッシングでは素潜りで伊勢エビ漁やアワビ漁も可能と思います。


宜しければ世界中のビッグゲームフィッシングをシェアで釣りまくりましょう。

           ご意見や希望等々、こちらへ連絡して下さい。
           http://ehg5205.militaryblog.jp/blogmessage










  


Posted by little-ken  at 11:51海外狩猟ハンティング

2016年09月08日

NZ大物フィッシング&ビッグバードハンティング。

NZは釣りと猟のパラダイスです。
1m大幅越えのキングフィッシュ(ヒラマサ)釣りと特別解禁日のダック猟にご一緒しませんか? 
釣れる率はやや低いのですが、ハプカ(巨大スズキ)も1m以下と言う事なく、90cm前後が
珍しくないと言う巨大マダイも狙えます。
ダック猟は銃や狩猟の経験が無くてもそれなりに楽しめます。

  キングフィッシュの1m以下は法律で要リリース、あわよくば1.5m越も期待できます。
  またハプカは写真のサイズを遥かに超えた超巨大2m越もいるとかです。
  2014年筆者と89cmの真鯛です。他に82cmが釣れました。



  定員:私を含めて3名。
  場所:NZ(ニュージーランド)北島の北部。
  日程:2月末頃の全行程7日で釣りと猟が各々2日ずつ、
      道具類はエサや弾含む無料、手ブラOKです。
      もちろん愛用の竿や銃の持ち込みも可能ですが、別途費用が必要です。
  費用:往復の航空券を含めますと実費負担が2人時で約50~60万円。
      現地飲食分は各自持ちですが、朝夕の食事はスーパーの食材でガイドが調理して
      くれますから非常に安価です。

ダック猟はその名もパラダイスダック(大型カモで日本では希少種のツクシガモ類)のデコイ猟を
1日と、巨大なカナダガン猟1日を予定しています。
使うのは散弾銃、到着日にクレー射撃を練習、散弾が1m弱に広がって飛ぶのですから、命中
を保証する事は出来ませんが、初回でも余程の恐銃症でない限り、必ずある程度は当たります
からご安心下さい。

     パラダイスダックはNZの固有種、カルガモの1.5倍程度、茶色がメス。
     定数は25羽ですが、実質撃ち放題に近いです。
     カナダガン、翼を広げると2m弱、白鳥に次ぐ大型鳥類です。
     狩猟鳥の中では最大、強敵です。


パラダイスダック猟は特別解禁日に猟を行う為、難易度は低く数も多い為、銃や狩猟の経験が
無くてもクレーが当たればたぶん撃墜も可能と思います。
カナダガン猟の難易度は高い物の巨大なガンが目前を飛ぶ姿だけでも感動モノです。

これぞ超大物フィッシング、これぞビッグバードハンティング、どちらも日本ではあり得ない体験
となり、間違いなく一生の思い出となります。

普通のNZ観光1週間10~20名の団体旅行が35~45万円、それに対し我々の為だけに
マンツーマン以上で全力でサポート、それでも少額差で収まるのも筆者と現地ガイドが10数年来
の友人であり実費だけで済むからです。通常は下記の様な価格です。

海外大物釣手配会社B社のキングフィッシュ釣りは2名時道具込みで約50万円、
同様に海外猟手配会社A社のパラダイスダック猟は2名時こちらも道具込みで約50万円、
この二つを合わせて道具込み45万円ですから今回が如何に安いかがお分かり頂けるかと思います。ぜひこの機会をご利用下さい。

日程を延長(500㌦/日)し、他の鳥類や中~小型獣類猟や大型鹿猟も可能ですが、大型鹿類は
高額でかなり難易度も高くMin.3日の延長が必要です。

    ポッサム200ドル、 ラビット200ドル、 ワラビー(小型のカンガルー)300ドル、

    エルク4000ドル、 黒猪1500ドル、 ターキー200ドル、 ピーコック200ドル。
    その他各種もありますが、夜撃ちのポッサム猟を除き難易度が高く、他のゲームは
    七面鳥もクジャクも上級狩猟者向きの強敵です。



    垂直旋回は地面が直角位置に見え、ループは地面が逆さまに見えます。
    グライダーは牽引飛行機を使う本格派です。視界抜群の全席搭乗です。


同様に延長して観光追加も可能です。またNZはエアースポーツのパラダイスでもあります。
WW2の戦闘機やグライダー(500~2000ドル)を操縦体験する事も可能ですが、天候絡みで
長目の日程が必要です。(飛行ライセンスは不要です。)
本格的なハンティングを含めてあまり多くを欲張らず、またの機会に再度訪れた方が良さそうです。







  


Posted by little-ken  at 14:31海外狩猟

2016年07月14日

アフリカ猟のビッグ5。

アフリカ猟はハンターたる者の夢、筆者もその夢を一生を掛けて追い求めて来ましたが、予算に低い上限があり3回の遠征で実現出来たのは下記の様にほんの触り程度の12種類です。

この3回で使ったお金の総額は約400万円、多いと見るか少ないと見るかは各人の考え方によりますが、多くの人が300万円前後に車に乗っていますからそれ程ではないと言えばそうなります。
また筆者はその点では20年前の車に今だ乗り続け、車検整備等のメンテナンスも全て自分で行って来ましたので、車1台分以上の節約をして来たと言い切れます。

           筆者が捕獲したアフリカの12種類の野生動物。

1970年の少し前から日本にもガンブームが起こり、狩猟熱が急速に高まりハンターが急増しました。山に行けばどの沢にも先客がすでにおり、カモ撃ちの有名猟場では2mに一人のハンターが空に向けて散弾銃を撃っていました。

その狩猟の中でも究極の憧れを紹介しようと多くの出版社や放送局が先を争ってアフリカ猟を取材しました。当時の狩猟はステータスシンボル的な部分もあり、著名な政治家や実業家も多数が参加していました。そのため猟友会の総会には市長や警察署長本人が必ず出席していた程で、これは1980年頃まで続きました。

大物ハンターのバイブルと化している大藪晴彦の「ザ-ビッグゲーム」もそんな時期に数年掛けてスポンサー丸抱えの狩猟が行われ、それが1979年に集英社から出版されました。
大藪晴彦は1935年生まれ、筆者は1950年、もう20~30年早く生まれたかったです。

ビッグゲーム出版より少し前の事と思いますが、日曜日の18時から似た様な名前の世界の大物猟を紹介したテレビ番組がありました。5~10人程度のプロハンターの誰かが世界中の何処かで大物と勝負しその内容を紹介する内容でした。
その影響は筆者の心に深く刻み込まれ、何時かはアフリカ猟が確立したのはその頃です。そして30年以上の時が流れ、筆者のアフリカ猟は2009年に実現し、2013年、2016年と追加されました。

ハンターの究極の夢は巨大で危険なアフリカのビッグ5を仕留める事です。
その5つとは象、犀、ライオン、豹、そしてバッファローです。多くのハンターがこれに挑み、1部のハンターは返り討ちに会っています。

WW2前後まではアフリカにはとてつもない数の大型野生動物がいました。イギリスはWW2に備えてアフリカの草食動物を食料にしようと計画し、同時にアフリカ全体を広大な牧場にしようと開発を進め、ベラボーな数のライオンを駆除したそうです。
この頃であれば行くのは大変でしたが、動物に不足はありません。

しかし現在のビッグ5はバッファローを除き、全てが希少動物になってしまい、特に犀の捕獲の道はもう無い物と思っておりました。
ところが今回のロッジにあったカタログに南アフリカのスタンバーガーサファリと言う会社ではまだビッグ5が可能である旨が書かれていました。 http://www.stanburger.com/ 

これによりますとガイド代だけで21000ドル(約230万円)、ゲーム代に付きましてはたくさん生息する野性のバッファローが17300ドル(約190万円)、それ以外はお問い合わせ下さいになっており、たぶん一ケタ以上の高額、犀はプライスレスに近いです。

但しバッファローを扱うファームはたくさんあり、安い所なら5000ドル位、豹は養殖物なら意外と安い所もあり、また家畜ファームでは害獣その物の扱いを受けており、チーターと共に5000ドル前後の所もあります。
また象も場所によっては害獣扱いを受けており、ノントロフィークラスなら15000ドルと言う表示の所もありました。

我々には無縁の世界ですが、ビッグ5がまだ可能である事が読者諸君の将来の目標になればと思います。
  


Posted by little-ken  at 14:31海外狩猟

2016年06月24日

ナミビア猟2016

アフリカ猟はハンターたる者の一生の夢、筆者のナミビア猟は2009 & 2013年に続いて今回で3回目、この2回はトロフィートラッキング社 http://trophytracking.com/ が料金システムの超明快さとトロフィーサイズが非常に良好なのでここを利用しています。

  1.ナミビアの猟。
ナミビアのハンティングは殆どがファームとランチで、どちらも有資格のガイド付が条件です。国立公園の増え過ぎも非定期で公開募集はありますが極少量です。

日本はガイドレスOK、他人の土地でも撃てる、撃ち放題&失中未回収放題ですが、根本的に制度や構造が違い、ガイド付、獲物は事前契約、1つの獲物に撃てるのは1回だけ、失中も未回収も有料です。

ファームは牛の放牧を行っている牧場ですが、ファーム猟はここに自然生息する野生動物と勝負ですから、単に入場制限されているだけの猟場です。

今回のファームはガイドのダニー本人及び親族が所有するファームと更に提携している物であり、その合計は50km四方の中の過半を占めています。1つのエリアも数km四方の大きさですが、多くは牛の為の柵で野生動物には無関係と言えます。

ファーム猟はオーナーのゲストハウスで宿泊し、Max.4~6人、ハンティングカー2台の受け入れが限界です。勝負は自然状態ですから決して舐めて掛かれません。
また今後ハンター数が多くなればますます狩猟条件が厳しくなる方向にあります。

   余りデラックスでは無いロッジですが十分な設備です。枕元にはチーターの剥製、
    その右下には2013年の時の筆者の写真がありました。


一方のランチと言うのは大規模な牧場を言いますが、ここでは大掛かりな狩猟をしている牧場を指します。小さなホテル並の数十人が宿泊出来る大型ロッジを持ち、客に狩猟をさせています。

エリアはもちろんかなり広いのですが、自然繁殖ではとても追い付かず、他所で育った野生動物を市場から購入、或いは提携業者が養殖した人工物を、特定エリアに放獣して撃たせています。ナミビアに於けるランチの数は数十程度です。

そう言う構造でランチはファームと違い撃たれ慣れしていませんから比較的簡単に獲れます。筆者はそれでは面白くありませんから自然猟のファームに拘っています。

ランチでは獲物の大きさもお金次第と言う事になり、ファームより手が掛かっていますから当然ですが高額です。ランチの数はそれほど多くありません。

  2.日程。
 1日目:6/6 名古屋発16:10 → ホンコン&ヨハネスブルグ経由
 2日目:6/7 ウイントフック着10:30、ゴバビスの猟場まで車移動約3時間、
         到着後試射、そして今回は夕方ブレスボック猟捕獲成功。
 3日目:6/8 AMはインパラ猟で捕獲成功、PMはクドゥ&オリックス猟で不成功。
 4日目:6/9 アウトジョーの猟場に丸1日掛けて移動。
 5日目:6/10 クドゥ&オリックス猟、AMブルーワイルドビースト捕獲、PMクドゥ捕獲。
 6日目:6/11 オリックス猟、AMブラックワイルドビースト捕獲、
 7日目:6/12 オリックス猟、AMタワー待猟で不成功、PMオリックス捕獲。
 8日目:6/13 AM近隣フォトハンティング、PMはナマズ釣り
 9日目:6/14 エトーシャ国立公園ツアー。
 10日目:6/15 ウイントフックまで移動&土産物購入。
 11日目:6/16 ウイントフック発11:15→ヨハネスブルグ香港経由
 12日目:6/17名古屋着21:10

  3.捕獲ドギュメント。
今回は有料4種類&無料2種類の合計6種類のゲームと対戦しました。
もちろんそれぞれの対戦には思い出深い物がありますが、ここでは紙面の関係で最も印象深く、且つ読書にも興味があるクドゥ猟オリックス猟を紹介致します。

3-1.オリックス猟。
オリックス猟は750ドル、1m近い直線の角が特徴の見栄えのする動物で、アフリカ猟で人気NO.2です。アフリカだけの動物ではなくアラビア半島方面にも生息し、南アフリカではゲムズボックとも呼ばれています。アフリカ猟を語る時には無くてはならない動物で、人気も非常に高いのですが、なぜか他のゲームに比べて非常に安い価格で助かります。

オリックス自体はたくさん生息し、数日間で群れも離れオスもたくさん見ましたが希望のサイズは見当たりません。そこで何時もの場所60km (車で30分)離れた新しいエリアに行き、本日は初の試みとして水飲場に隣接するタワーの待ち撃ち猟にチャレンジしました。
水飲み場には30~60分毎に何かが水を飲みにやって来ます。結果的に大物はこちらの殺気を感じてか、30分間もブッシュの影に隠れたまま姿を出さず当方の敗戦に終わりました。

PMは従来通りの車のパトロールに戻りましたが、タワーで勝負出来なかった大物はまだ水を飲んでいない筈、そこで数km離れた近くの幾つかの水場周辺を探す事になりました。
流石ダニー、予想よりも遥かに簡単に再開出来ました。オリックスブルは後述のナマズ池の水を狙っていました。池はピーク時直径1.5kmにもなり広い池、その中程にいます。

距離はまだ800m位ありますが、偶然通り掛かった様なふりをして円弧状を描いて接近します。オリックスは速足で遠去かろうとしますが、この対応に経験が無いのか、意外に簡単に全く障害物の無い場所で200m強までアプローチも成功、オリックスはどうして良いのか分からなくなった感じで立ち止まっています。例の特設荷台シートから静止状態の心臓狙いで撃ちました。もちろん例のおまじないも忘れません。

良い感じに引き金は落ち、妥当な時間に良い弾着音があり、即座に倒れるか、或いは10秒程度で倒れるかと期待したのですが、そうは行かず200m先の森まで走り切られました。
森に入るとゆっくり歩きになり、やがて立ち止まったかの様に見え、そして見えなくなりました。果たして現場に行きますと木陰にオリックスは倒れていました。
どうせ倒れるならもっと早く倒れてくれればと思いますが、要は射撃が今一つなのです。

  お陰様でオリックスは3度目、1回目は角長90cmのメス推定体重は200kg程度、
  実はオリックスは雌の方が長い角を持っています。2回目は角長90cm変わらずでしたが、
  太さ がまるで違うオスで体重は250kgでした。そして3回目の今回は角長97cm体重
  320kg、後述のクドゥと同様に何処に出しても恥ずかしくない内容となりました。



3-2.クドゥ猟:クドゥは1650ドル、アフリカ猟の対象としては最もアフリカらしい人気NO.1のゲームです。最大の特徴はやはりスパイラル状になった巨大な角とボデーに7本前後入っている美しい立ての細白線です。

今回のクドゥは大物ボス狙いですから中型以下は対象外です。クドゥは他の動物に行動範囲が比べて広く出会いの難易度は高く、且つ良い個体は生息数非常に少数です。この2日間で3回の出会いがありましたが全て希望サイズには至らずでした。

ところがあれほど居なかったデカいボスブルですが、本日PMは出撃後僅か30分もしない内に出会い、アプローチを開始しました。雌を5頭連れたボスブル、ブルとはオスの成獣です。

クドウはハンターを嘲笑うかの様に200m先のブッシュからブッシュへと小走りに走り射撃チャンスがありません。何時もこうしてハンターを撒いている様です。

やっと4回目には立ち止まりましたが、丸見えはクドゥの頭だけで距離は250m、ネック狙いで撃ちましたが、例の「そっと撃つ」おまじないを忘れ失中、クドゥは逃げて行きます。

クドゥは5km先の山に向かって逃げましたので山裾を横切ると予測し、車で先回りし山の中腹から見下ろすと言う作戦をとりました。 果たして・・作戦は当たり、概ね予想通りの付近に居ました。筆者はガイドより先に真横300mでメスクドゥ1匹を発見しました。

周りを見ますと射撃ミスしたボスブルもおり、先の群れである事は間違いありません。
再度アプローチし射撃を試みますが、やはり250m強でブッシュからブッシュへと小走りに走り照準が付けられません。やっと300m強のブッシュの影で立ち止まりました。

  300m先のクドゥ、捕獲したクドゥではありませんが、こうしてブッシュからブッシュへ
  速足で駆け抜けます。実際の捕獲現場ではもう少しブッシュが濃く、更に悪い条件です。
  もし300mでこの写真状態で3秒間止まってくれればかなり良いチャンスと言えます。


今度は急所も見えています。前足軸線上の背中線を狙って心臓高に当たる様に発射、「そっと撃つ」と言うおまじないを忘れずに撃てました。射撃はじっくり狙っている時間はなく速射です。

引き金は良い感触で落ち当たると確信、やがて想像したよりも遥かに遅れましたが良い弾着音があり、クドゥは激しい被弾ショックを示し、非常に走り辛そうに逃げて行きました。

ガイドのダニーはこの時点でもう絶対に逃げられないと判断し、「グッドショット、コングラチュレーション」と握手を求めて来ました。

現場に行くとクドゥは20m先に座り込んででいました。被弾場所は心臓高さ付近と思っておりましたが、実物を見てちょっとがっかり、ボデー下端で両前足に被弾骨折、その結果歩けなくなったと言う事でした。

つまり射撃距離を300m強と読んだのですが、実際は350m以上だった様で、その結果として着弾落差も予想外に大きくなり、また弾着音も予想外に遅かったのだと思います。

ボスブルクドゥのサイズは? スパイラル角長は137cm(先回115cm)、体重450kg(同380kg)でした。年齢8歳とスパイラル具合はほぼ同じですが、太さも長さもまるで格が違います。

ダニーによればこの数年の彼のエリアではNO.1サイズとの事です。また先回の380kgは今回と比べますとかなりのリップサービスを感じました。

今回は的が大きかったので遠いと言う不安感は全く発生しなかった事、且つおまじないも忘れずに引き金を引けた事、その2つから引き金が落ちた瞬間に当たって当然と確信出来ました。射撃に際しての不安感が全く無かった事が成功への何よりの要因だと思います。

しかし結果として落差は予想より遥かに大きく、幸い左右方向はズレずに両前足を骨折させましたから良かった物の、全くの冷や汗状態の射撃でした。大物前足を2本とも骨折出来たのは骨に命中時にも鉛が飛散しない銅弾VOR-TX-168grのお陰です。

そこで実際の落差から疑問に思った射撃距離を逆算してみました。
結果的には狙った背中線から約65cm下がった所に着弾、愛銃は200ヤードゼロイン仕様、これは400ヤードで63cm下がり、撃ちおろし15度で修正すると実射撃距離はなんと414ヤード、379mと言う計算結果になりました。

おかげ様で今回の目的は達成ですが、射撃条件が厳しくなったのには参ります。
今でもノーマルサイズ狙いならもう少し射撃条件は良くなるとの事ですが、これではもうライフル銃の限界性能に近くなって来ました。

  角長は137cm(先回115cm)、450kg(同380kg)、お陰様で文句無のボスブルです。

  4.初~中級者でもある程度の成果が期待出来るタワー待撃ち。
クドゥビッグトロフィー猟は前記の様に非常に難易度の高い猟で一般的ではありません。そこで初~中級者でも可能な水辺のタワー猟を紹介します。

水辺から100m、高さ8mの狭いタワーの中の4時間待で、オリックス単独が3回、オリックスペア2頭が1回、そしてインパラ単独が1回でした。殆どが無警戒であり、これなら初~中級者でも射撃は可能です。

この手法で獲物の種類を予め余り特定せず、またビッグトロフィーも要求せず、水を飲みに来た個体が貧弱でなく且つ高額でなければ撃つと言う手法なら、初~中級者でもある程度の成果が期待出来ると思います。今回は写真の様な他エリアであれば文句無のトロフィー級が何回もやって来ました。


  写真上:水辺から100mのタワー、ここでじっと獲物を待ちます。かなり要辛抱です。
  写真左:水飲み場に現れたグッドサイズのインパラ、これで良ければ650ドルで撃てます。
  写真右:同上のメスのオリックス、グッドサイズです。同上で今なら750ドルで撃てます。
       ただしこれらはまだ余り撃たれてないのでこれが可能になるのであって、ハンター
       急増の現状では何時までこの状態が保てるかは不明です。

  5.今回の総評。
今回は毎回多少あったペナルティーが発生しなかった事が幸いでした。
また直前には円高が進行し、10%安く行ける様になりこれも幸いでした。

狩猟内容では小物2頭は1発で決まりましたが、ヌーに対しては2回共が大追跡の後に止め矢になり、これは全く戴けません。

オリックスはグッドサイズに対し、やや不満足ですが1発で決まりました。
クドゥに至りましては本当にビッグサイズに会える事が出来、250mからのネックショットをミスりましたが、幸い380mの遠射が決まり、非常に嬉しく思います。

日程が2日余りましたので1日は近くの池でナマズ釣りと何時ものエリアでのフォトハンティング、フィッシングはあわよくばですが1mのナマズとの事です。
もう1日は200ドルの追加でエトーシャ国立公園ドライブと決まりました。

支払いは現地契約分5920ドル、エトーシャ追加分200ドル、弾が64ドルの2箱で128ドル、当方の計算と寸分違わず信頼のおける請求書でした。

これは初回訪問者の場合ですと、これに飛行機代、手配代、保険代、4種のスケルトン加工輸送代、標準的なチップ額を加えると2016年価格で約160万円になります。ナミビアの大物ハンターは2009年に比べると10倍以上に増加しており、毎年約20%値上がりしています。

そして問題のチップですが、合計で通常の2~3倍に当たる1500ドルにしました。
ヌー2頭無料分、クドゥビッグブル、オリックスブル、その他プラスマイナスで各々には色々ありますが、更に次回に皆さんが来られた時の為に備えた投資500ドルが含まれています。

これで次回に筆者と行けば例え初回参加者でも、半レピーター扱いとなり料金的には変わりませんが、次回にはその金額以上の大幅に有利なサービスを得られ、こちらはそれに対してまた更なるチップで応えます。彼らのチップの世界はそう言う世界なのです

ビッグトロフィーは本来レピーター専用なのですが、希望すればチャンスを下さる事でしょう。ただし失中しても無料ではなくチップになります。ビッグトロフィーを目指す人はこれで100万円以上の出費を省略出来る大きなチャンスです。ぜひチャレンジして下さい。

  6.最後に。
アフリカ猟に対するロマンとそれを追及する為の現実をまとめて来ました。
夢を実現させる為には幾つかのハードルがございますが、頑張って夢を実現させましょう。

1.長期日程12日間が必要で、それに耐えられる健康や健脚が必要です。
かなりキツイ往復6日間の移動をこなし、実猟は6日間、かなり強行軍ですからそれに耐えられる健康が必要です。

またアプローチは隠密徒歩接近が主流、1日10km程度を速足で歩ける健脚が必要です。
脚力の弱いハンターには車両からの射撃を多くなる様に配慮は多少可能です。

2.費用約200万円が必要です。
夢のアフリカ猟としては抜群に安い160万円(毎年20%上がっている)ですが、それでもペナルティーやトロフィー関係も含めると総額では2016年レベルで200万円の予算が必要です。(ペナルティーを支払ったらそのゲームは諦めるのであれば費用の増額はありません。)

夢の実現にはお金の問題も避けて通れません。かつて国内にあった海外狩猟手配会社「シンワールド」によりますと20年前当時の今回と類似内容のアフリカ猟1式が200万円、現換算なら400万円です。これだけの大金を投資しても良い獲物に出会えるかは別問題です。

グッドトロフィーはエリアの質とガイドの腕と、そして何よりもガイドとの(チップの)信頼関係が避けて通れない道となります。

シンワールドのシステムはかなり妙で平均的に同額程度の現地追加料金が更に発生したと聞きますから、現在価格で総額800万円ととんでもない金額になります。今回の業者ではその様な心配は皆無です。

前記のシンワールドの現地高額追加料金もそう言う後述の海外猟の料金システムを知らなくて(理解させる事が余りに大変だから書いてあるだけで説明しない)、後刻の平均的な請求書は当時の金額で200万円もその辺に問題があったのかも知れません。

3.高度な射撃技術が必要です。
グッドトロフィーは普通のハンターが撃てない、200m以遠の3脚立撃ちの早撃ちや、ブッシュ超のハイリスク射撃が必要です。アフリカ猟を目指すハンターは急速に増えており、普通の腕のハンターで撃てる様な獲物はもはや少なくなって来ました。

射撃技術にかなりの精進期間が必要です。許される射撃は各ゲーム毎の1発のみ、ミスれば高額ペナルティーが発生しますから、絶対に当たると言う強い信念とそれを裏付ける技術が必要となります。

4.早い話が暇と健康とお金、そして長期のやる気が必要なのです。
人生に於いて暇と健康とお金の3つ全てが揃う事は稀です。
アフリカ猟のロマンはそう言う類稀なハンター、或いはそうなれる様に長年に渡り努力を続けたハンターしか到達出来ないのです。

また射撃技術、迫力負け対策、未回収恐怖症対策、これらの育成にもかなり長期間が必要です。アフリカ猟のロマンにはそう言う類稀なやる気を長期保持が出来る人だけしか到達出来ないのです。皆さん、頑張って何時の日にか夢のアフリカ猟を実現させましょう。

しかし、これらがとても叶わないと思われる普通クラスのハンターも夢のアフリカ猟を諦める必要はありません。タワー待ち射撃等なら、まだ十分可能です。

これらを楽しみながら、更なる大物撃ちの雰囲気だけでも味わって下さい。
更にタワー待ち射撃には本州鹿巻狩りの待ち技術が生かせます。

5.ハンティングパックは他の一般的な大自然旅行に比べてリーズナブルです。
12日間で1式が160万円(2016年価格、毎年20%上がっている)は高いと言えばそうですが、大手海外旅行社JTBの大自然パックツアーを見ますと10~20人の団体ツアーであるにも拘らず、12日間前後の物は100万円以上、9日前後の物で85万円前後になります。

一方こちらのハンティングパックツアーは一般の大自然パックツアーの1.5倍強になりますが、僅か1~2人のハンターの為に大勢の人がフルサポートしてくれ、しかも大きなお土産付(ビッグトロフィーの数々)と言う満足度の非常に高いコースになります。

高額なゲームを選択せず、失中と未回数を各々1回出したら諦めるつもりで行けば費用はチップが少し多目になるだけで予想外に膨らむ心配は無用、当初の予算に収まります。

  今回は無料2種と有料4種の捕獲に成功、更に82cmのナマズ釣りが出来ました。
  行くなら早目の方が安くて良いチャンスが得られ易いと思います。


  7.海外猟は銃や狩猟の資格のない人でも出来ますが・・・
今回の2016のナミビア遠征には一人の狩猟未経験者の参加希望がありました。
本州巻き狩りで数度本州鹿に向けて射撃したのみで捕獲経験は全くなく、また50m以遠の射撃をした事もない、そんな若者でした。

折角の希望者ですから何とかして出費も抑えて獲らせて上げ様と思いました。費用的には対象を1番イージーな且つ最安価に近いブレスボック等の1種類だけに絞れば手配料を別にしてアフリカ猟が60万円位で可能になり、大手旅行社の大自然ツアーより安くなります。

かつて国内にあった海外狩猟手配会社「シンワールド」によりますと20年前当時の今回と類似内容のアフリカ猟の1式価格が200万円、現在に換算すれば400万円でした。
その会社のシステムはかなりイカサマ擬きであり、平均的に同額程度の現地追加料金が更に発生したと聞きますから、総額は現価格換算で800万円ととんでもない金額になります。

それはさて置き、元々ドシロートを連れて行けばどれだけ足を引っ張られるか分かった物ではありませんが、その新人は自分の未熟が如何に迷惑をかけ如何に足を引っ張るかは棚に上げ参加させて戴くのではなく、少しでもお金を出せばお客様だと言う態度でした。

エゾ鹿スクールに於いても初期は少しでも安いハンティングガイドとして始めました。ところが同じ問題が複数起き、それで料金を2.5倍に上げ、まじめにエゾシカ猟を学びたいと言うハンターだけを受け入れる、今のスクールと言う形に落ち着きました。

実費負担価格だけで、超大変なのを覚悟で連れて行ってやろうと言う、こちらの親心が分かっていないのであれば無理して連れて行く価値はありません。

海外猟が銃や狩猟の資格や経験無しに楽しめると言うのはある意味ではその通りなのですが、実際は決して甘い物ではなく、参加してほんのおさわり程度の雰囲気を楽しむまでが限界であり、実際の捕獲には 腕 と 運 と 度胸 と 努力 と 根性 が必要です。

初~中級者でも可能性のあるアフリカ猟は4項のタワー猟だけです。
これならガイドの指示を守って本当にじっとしていれば、2時間以内に獲物が100mに現れ、それを射撃出来ます。但し100mで直径15cmの急所に当てられなければ倒れず、拡大解釈直径50cm程度の胴体前半部に当たらなければ捕獲出来ませんから、結局は100mの実戦射撃の経験がなければ捕獲出来ずに雰囲気のみを味わう事で終わります。

本州猟では100mを超える射撃は殆どあり得ませんから、やはりエゾ鹿猟経験は海外猟で必要なミニマム条件の一つになります。

  8.海外猟失敗の紹介。
今まで多くの場をお借りして海外猟の素晴らしさと共に、海外狩猟制度の違いを説いてまいりました。筆者の海外猟の記事を見て海外猟に憧れている読者からの参加希望の申し出もたくさんありました。しかし制度の違いへの理解は予想を超える難解だった様です。

問合せ者に正しく理解して頂くのに相当な時間を費やし、そしてその結果がそんなにも悪条件で大変だと言う事がやっと理解されると後述の稀な一人を除き全員が辞退しました。

2000年に営業を終了したシンワールドもそう言う海外猟の料金システムを事前に正しく理解させる事が余りにも大変で、且つ理解すれば殆どが辞退、だから営業方針として難解文書を配布するのみで説明はしない、その結果として現地追加請求がベラボーな金額になったのだと思います。

その稀な一人は元海外旅行添乗員、筆者と日程が少し合わなかった為にすれ違いで同じガイドの所に単独で強行されました。行先はアフリカではなくニュージーランド、目的はエゾ鹿より遥かに巨大な赤鹿猟です。

英語力には問題は無いのですが海外の狩猟制度に精通していなかった為、現地ガイドが獲らせてやろうと、ノーリスクの300mの大物チャンスをくれたのですが、その意図が分からずに未回収リスクのみをビビッて発砲チャンスを見送ってしまいました。
短日程で他に良い出会いが無いまま終了、結果的には総額50万円近くを浪費し、主目的を全く達成出来ずに終わりました。

2回目の遠征は本人都合が適正時期を外れて遅過ぎ、角の大きな鹿は角が落ちるのが早いので筆者は辞めた方が良い旨を説明し、案内を拒否しましたが単独で強行されました。
やはりと言うか予想通り良い獲物には出会えず、結果は並のエゾ鹿大物程度の角長78cmの貧果に終わりました。筆者の2010年度は角長99cmでしたが、せめて角長95cmは欲しかったです。

目的はエゾ鹿より遥かに巨大な赤鹿だった筈、その程度の小物では総額100万円に見合う物ではなく、NZまで行く価値は全くありません。

筆者には問題のない現地ガイドも他のハンターには酷い事をするのかと言えばそうではなく、それ位にも狩猟制度が違うので上手く行かない事が多いのです。
海外猟の現地ガイドが日本の狩猟に精通している筈もありませんから、上辺知識だけではなく日本の狩猟との違いをよく知った中間案内人が不可欠なのです。


  


Posted by little-ken  at 09:14海外狩猟EHG5205近況ハンティング

2016年05月03日

アフリカ猟に備えて

射撃練習に行ってきました。余り射撃は上手い方ではありませんが、本日は銃の機嫌が良かった様です。150mテーブル撃ちです。

1マスは0.5インチ(12.7mm)、4発目までは40mmに収まっていたのですが、5発目は完全なミスショット、これで90mmになってしまいました。

オレンジ部分の直径は153mm、急所の150mmと同じですから、ミスショットでもこれを外さない様にするなら回収率はほぼ100%です。
もちろん後述のお呪いを忘れるとこれ程は纏まりません。 毎シーズン猟期が過ぎてからの初射撃はあまり当たらないのですが、珍しく良く纏まっています。

銃は何時ものサコー75バーミンター改、弾は80円/発の当たらない事で超有名なロシア308弾、その中でも更に当たらない方の緑のパーカライジングに140grのソフトポイント弾の方です。 弾頭を上級精度を持つバーンズに替えればこれ位は当たるのですが、当たらない弾頭のままでこれだけ良く纏まったのは初めてです。


  並みの精度の弾(ウインFMJ工場弾120円/発)で撃てば愛銃は150m 5発が19mmです。



銃は当たるに越した事はありませんが、エゾ鹿猟も含めて実戦ではこれ位に当たれば十分ですから、拙者はこの安売り弾で弾頭を銅に挿げ替え100円/発で勝負しています。実戦に於ける必要精度は50mで50mm以下、150mで150mm以下を出せれば特に問題はありません。

失中は精度不足が原因になる事は無く、何か重大なミスを犯したした結果が失中を招きます。 従いまして、精度追及は決していけなくはありませんが、それよりもココ1番に重大なミスを犯さない射撃が出来る様にイメージトレーニングをする、これが実戦で成功する秘訣です。
肝心要の時に150m 150mmが出せなければならないのですから、ベスト記録よりも最悪時にもこれを大きく超えないミスをしない腕前の方が重要です。

当日射撃場はガラ空きで静岡県からブローニングAボルトの青年が一人だけ、彼は150mにチャレンジしましたが、150m用の60cm角の的紙には10発撃っても1発しか当たりませんでした。
いくら失中に精度は関係ないとは言う物のそれは程度問題、これでは50mでも実戦能力も殆ど無い事になります。




射撃の極意は 「持たず」 「握らず」 「当てず」 「引かず」 そして 「そっと撃つ」 の5つです

実戦では「そっと撃つ」のお呪いを、獲物を前にした時に心の中で3回呟きます。手前事ですが、これを忘れなかった時は筆者の回収率は100%ですが、お呪いを忘れると60~70%程度に落ちてしまいます。


実戦では更に必要な事があります。
本州猟では殆どあり得ませんが、北海道では射手の体格より獲物(100~150㎏)の方が遥かにデカく、「迫力負け」を起こしてしまいます。
これに陥りますと例外なく本州猟の大ベテランであっても大物を前にすると足が地に着かない射撃になってしまいます。

北海道に遠征するのに地元猟でよく練習してからと言うハンターがいますが、この迫力負けは北海道に行かなければ体験出来ないのですから、正解は「まずは北海道に行く」になります。

また海外猟では撃ち放題失中放題の国内猟とは制度が全く違います。
最も違うのは失中や未回収でも数千ドルの高額料金が発生しますから、その射撃の1発には旅費やガイド代まで入れると更にその数倍が掛かる事になります。
しかしビビって撃った射撃は当たりません

因みに射程距離は150m前後、2脚を使用した立撃ちは半端な難易度ではありませんが、そんな中で「迫力負け」に加えてこの「高額プレッシャー」も乗り越えなくては成功はあり得ません。

男のロマンは「遠くて高い所」にあるのです。
高くて遠いから「ロマン」なのかも知れません。
高くては技術的や心身的に高いの意味ですが、金額で行きますと手配料まで入れるとノーミスでも160万円、200万円位の用意が必要で、こちらも高いです。
遠くてには極めるには遠い道程の意味ですが、今回のは往復2日ずつに現地で8日間の猟、合計して日程は12日間、こちらも遠いですね。


  


Posted by little-ken  at 15:32海外狩猟射撃