2023年09月18日
銃 と 狩猟。、銃は魔法の道具ではない。大物猟には迫力負け。
銃は他の武器や狩猟道具に比べ、圧倒的に優れた性能を持っています。
近年の市販ライフル銃は300mの遠射能力があり、走る鹿等に命中させられる能力がありますが、射手の能力は、後述フリンチングの為、非常に低い能力に制限されてしまいます。
銃所持には高いハードルがあります。折角この高いハードルを越えて銃所持に至ったハンターやシューターも80%以上が3年以内に辞めてしまいます。
世間一般には銃があれば、捕獲は多少の慣れだけで楽勝可能と言う感がありますが、銃は後述の様に魔法の道具ではなく、命中させるには高い技術と心の余裕が必要です。心がマイナス状態の時の射撃は命中しないのです。
新規銃所持者も銃があれば、そして多少の慣れを積めば、獲物は獲れる、標的には当てられると思っていたのが、狩猟も射撃もそんなに甘い物ではなく、射撃は当たらず、狩猟は捕獲以前の段階である、出会いがほぼ皆無、それで80%以上が定着出来ないのが現状でした。
しかしケンさんのスクールに来た初心者は、ここで全員が捕獲を体験出来、70~80%が生き残っていると思われます。またクレー射撃の団体のリーダーもクラブでは70~80%が生き残っていると言います。従って最初の1年目に適切な指導を受ける機会があれば、生き残れるのではないでしょうか。
1.銃は魔法の道具ではない。
銃には反動があり、この反動を体が上手く受け様と発射直前に硬くなり(フリンチングと言います)、その結果として動的では追尾中の銃のスイングが止まってしまい、散弾銃でもライフル銃でもリード合せが至難の業となり、散弾銃の場合は実質近距離(30m以下)、低速(30㎞以下/h)限定となります。
そして静的のライフル銃(サボットスラグ銃)では照準が微妙にズレ、ライフル銃等は射程100m以下に限定、ワンホール射撃や、遠射は絶望的不可能となり、動的射撃は実質対応不可能となります。
ケンさんも一般的な例に漏れず、初期の1983年には50mで40㎝角の的紙から、時に外れてしまいました。急所は15㎝ですから50mの実戦能力すらが無かった事になります。
その後は射撃場通いを繰り返し、5年後に50mの能力が得られ、10年後の1993年にエゾ鹿猟を 始めた1993年には辛うじて100mの能力になり、その後更に5年で150mとなり、以後も少しずつ延長されました。
2002年にフリンチングを克服、ワンホール射撃達成、そして2006年に300m達成となりました。
フリンチングは生体の自衛反応ですから、99.99%がそれに陥ります。
エゾ鹿の習性上から大物ほど長距離射撃を要しますが、射撃場通いで得られる能力は100m程度の射撃能力に留まり、並のハンターの150m能力が無く、鹿は撃たれない150m前後にいます。
それ以上の距離には特別な能力を必要とします。市販銃と市販弾薬の組合せは、150mで弾痕が競り合う程の精度がありますが、この精度が出せる射手は1000人に1人程しかおりません。
フリンチングを乗り越えられれば、誰もがこの栄誉を手中に出来ますが、銃の発射には反動が伴わないと、体を騙す超難事業を要し、その達成者は1000人に1人程しかいないのが現状です。
2.狩猟の最大の問題点は、獲物に会えない事です。
銃の射撃技術は仮に上達しても、野性鳥獣が撃たれるまで待ってくれる筈がありません。
実際の野性鳥獣は五感を駆使し、ハンターを避けますから、出会う事すら容易ではありません。
良い先輩がいれば、或いは腕の良いガイドにお願いすれば、出会いは得られますが、新人がネット知識だけで自分で何とかしようとしても、どうにもならないのが現状です。
出会うと言っても遠くに姿を見掛けるのではなく、3項の様に銃は思ったより遥かに短射程ですから、これより短い距離で出会い、且つ照準時間を貰えなければ、出会いとは言えません。
3.散弾銃の射程距離。
引き止まり射撃の散弾銃は散弾射程能力本来の3/5の30m以内、しかも対象は低速以下に限られます。リードは目標の速度や距離によって大幅に変化し、引止まりによってリードは3倍となり、結果として対応不可となり、散弾銃とはこんなにも命中しないのかのレベルに留まります。
そんな彼らは、少しでもヒット率を上げ様と、散弾バラマキ範囲の広いインプシリンダーチョークを使います。その為に後述ショットガン効果が得られる、3粒被弾撃墜の散弾密度をキープ出来ず、ヒットしても多くは撃墜出来ず、逃げられます。
ところがフリンチング対策を完了し、引き止まりが無くなりますと、スイング射撃では高難度であったリード設定が自動調整となり射程50mが可能となります。
その為に散弾バラマキ範囲の狭いフル チョークを運用する事が出来、小粒弾運用と併用すると、3粒被弾撃墜のショットガン効果を利用出来る様になり、撃墜率は1桁以上向上します。ケンさんはこの類稀な後者になれました。
尚、ショットガン効果とは3粒以上の被弾条件を満たせば、1粒にエネルギーには概ね無関係に即死撃墜出来る特殊効果です。この3粒特殊効果は、何と未熟な頃のライフル銃のランニング射撃で 3発目被弾と同時に即倒する事から発見しました。
当時はまだ胴体にヒットさせる程度の能力しか 無かったのですが、その後のランニング射撃では200mまでの急所直撃ヒットが可能となりました。
4.大物戦には「迫力負け」対策が必要です。
多くのハンターが目標とするのがエゾ鹿の角長80㎝クラスの超大物、ビッグトロフィークラスです。
狩猟経験豊富な超大物は遠距離に出現し、これだけでも超高難度な射撃を要します。
ところが銃を向けると数秒で走り出し、或いは撃つ前からすでに走っている事も多く、非常に難しい対戦相手です。遠距離射撃であるのに、早撃ちを要し、照準には2~3秒しか時間を貰えません。
この悪条件下で確実に急所を撃ち抜かないと、撃たれ強い超大物は未回収になってしまいます。
そして勝負には更に射手対獲物の対格差から生じる、「迫力負け」を生じ、5~10回対戦で自動的に乗り越えられますが、20%大きくなると再発し、超大物戦には「クラス4」が必要になります。
クラス1:3段角エゾ鹿オスだけで「迫力負け」が起こります。
クラス2:中型エゾ鹿になりますと「迫力負けが再発」します。
クラス3:角長70㎝の大物戦になりますと「再び再発」します。
クラス4:角長80㎝超大物戦はクラス3の能力を持っていても、残念ながらまた「再発」します。加えて超大物は8歳以上、鹿の野性寿命が8年である事から、「生息数が極端に減少」、直接対戦から乗り越える為の経験を積む事が難しくなり、イメージトレーニングを要します。
迫力負けが至らないと、足が地に着かない射撃となり、失中してしまいます。数回これを繰り返しますと、急所付近に命中させられる様にはなりますが、撃たれ強い超大物は確実に急所ヒットしない限り、逃げられ未回収になってしまいます。ケンさんもこの超大物未回収には永らく泣かされました。
対処法はどんなに焦っていても速やかな銃の操作が間違いなく出来る様に体と心を訓練しておき、更に10項のショルダーの急所を素速くヒットさせる事です。
正しくヒットすれば即死しますが、少しズレた時は即倒しても、10~30秒後に起き上がり遁走します。走られますと普通的には手に負えなくなりますので、倒れている10~30秒間に胴体にもう1発(急所でなくても良い)を撃ち込む事で、ゲームセットとなります。
走られたとしても「ランニング射撃技術」(1万人に1人)があれば、対処可能です。
それが無い場合は次に止まる場所を予測した150~200mの「待ってたホイ射撃早撃ち」です。早撃ち対策は1ホール射撃技術(1000人に1人)をマスターすれば、1桁大きい急所なら、早撃ちが容易となります。どちらの射撃も実は絶望的高難度となります。
近年の市販ライフル銃は300mの遠射能力があり、走る鹿等に命中させられる能力がありますが、射手の能力は、後述フリンチングの為、非常に低い能力に制限されてしまいます。
銃所持には高いハードルがあります。折角この高いハードルを越えて銃所持に至ったハンターやシューターも80%以上が3年以内に辞めてしまいます。
世間一般には銃があれば、捕獲は多少の慣れだけで楽勝可能と言う感がありますが、銃は後述の様に魔法の道具ではなく、命中させるには高い技術と心の余裕が必要です。心がマイナス状態の時の射撃は命中しないのです。
新規銃所持者も銃があれば、そして多少の慣れを積めば、獲物は獲れる、標的には当てられると思っていたのが、狩猟も射撃もそんなに甘い物ではなく、射撃は当たらず、狩猟は捕獲以前の段階である、出会いがほぼ皆無、それで80%以上が定着出来ないのが現状でした。
しかしケンさんのスクールに来た初心者は、ここで全員が捕獲を体験出来、70~80%が生き残っていると思われます。またクレー射撃の団体のリーダーもクラブでは70~80%が生き残っていると言います。従って最初の1年目に適切な指導を受ける機会があれば、生き残れるのではないでしょうか。
1.銃は魔法の道具ではない。
銃には反動があり、この反動を体が上手く受け様と発射直前に硬くなり(フリンチングと言います)、その結果として動的では追尾中の銃のスイングが止まってしまい、散弾銃でもライフル銃でもリード合せが至難の業となり、散弾銃の場合は実質近距離(30m以下)、低速(30㎞以下/h)限定となります。
そして静的のライフル銃(サボットスラグ銃)では照準が微妙にズレ、ライフル銃等は射程100m以下に限定、ワンホール射撃や、遠射は絶望的不可能となり、動的射撃は実質対応不可能となります。
ケンさんも一般的な例に漏れず、初期の1983年には50mで40㎝角の的紙から、時に外れてしまいました。急所は15㎝ですから50mの実戦能力すらが無かった事になります。
その後は射撃場通いを繰り返し、5年後に50mの能力が得られ、10年後の1993年にエゾ鹿猟を 始めた1993年には辛うじて100mの能力になり、その後更に5年で150mとなり、以後も少しずつ延長されました。
2002年にフリンチングを克服、ワンホール射撃達成、そして2006年に300m達成となりました。
フリンチングは生体の自衛反応ですから、99.99%がそれに陥ります。
エゾ鹿の習性上から大物ほど長距離射撃を要しますが、射撃場通いで得られる能力は100m程度の射撃能力に留まり、並のハンターの150m能力が無く、鹿は撃たれない150m前後にいます。
それ以上の距離には特別な能力を必要とします。市販銃と市販弾薬の組合せは、150mで弾痕が競り合う程の精度がありますが、この精度が出せる射手は1000人に1人程しかおりません。
フリンチングを乗り越えられれば、誰もがこの栄誉を手中に出来ますが、銃の発射には反動が伴わないと、体を騙す超難事業を要し、その達成者は1000人に1人程しかいないのが現状です。
2.狩猟の最大の問題点は、獲物に会えない事です。
銃の射撃技術は仮に上達しても、野性鳥獣が撃たれるまで待ってくれる筈がありません。
実際の野性鳥獣は五感を駆使し、ハンターを避けますから、出会う事すら容易ではありません。
良い先輩がいれば、或いは腕の良いガイドにお願いすれば、出会いは得られますが、新人がネット知識だけで自分で何とかしようとしても、どうにもならないのが現状です。
出会うと言っても遠くに姿を見掛けるのではなく、3項の様に銃は思ったより遥かに短射程ですから、これより短い距離で出会い、且つ照準時間を貰えなければ、出会いとは言えません。
3.散弾銃の射程距離。
引き止まり射撃の散弾銃は散弾射程能力本来の3/5の30m以内、しかも対象は低速以下に限られます。リードは目標の速度や距離によって大幅に変化し、引止まりによってリードは3倍となり、結果として対応不可となり、散弾銃とはこんなにも命中しないのかのレベルに留まります。
そんな彼らは、少しでもヒット率を上げ様と、散弾バラマキ範囲の広いインプシリンダーチョークを使います。その為に後述ショットガン効果が得られる、3粒被弾撃墜の散弾密度をキープ出来ず、ヒットしても多くは撃墜出来ず、逃げられます。
ところがフリンチング対策を完了し、引き止まりが無くなりますと、スイング射撃では高難度であったリード設定が自動調整となり射程50mが可能となります。
その為に散弾バラマキ範囲の狭いフル チョークを運用する事が出来、小粒弾運用と併用すると、3粒被弾撃墜のショットガン効果を利用出来る様になり、撃墜率は1桁以上向上します。ケンさんはこの類稀な後者になれました。
尚、ショットガン効果とは3粒以上の被弾条件を満たせば、1粒にエネルギーには概ね無関係に即死撃墜出来る特殊効果です。この3粒特殊効果は、何と未熟な頃のライフル銃のランニング射撃で 3発目被弾と同時に即倒する事から発見しました。
当時はまだ胴体にヒットさせる程度の能力しか 無かったのですが、その後のランニング射撃では200mまでの急所直撃ヒットが可能となりました。
4.大物戦には「迫力負け」対策が必要です。
多くのハンターが目標とするのがエゾ鹿の角長80㎝クラスの超大物、ビッグトロフィークラスです。
狩猟経験豊富な超大物は遠距離に出現し、これだけでも超高難度な射撃を要します。
ところが銃を向けると数秒で走り出し、或いは撃つ前からすでに走っている事も多く、非常に難しい対戦相手です。遠距離射撃であるのに、早撃ちを要し、照準には2~3秒しか時間を貰えません。
この悪条件下で確実に急所を撃ち抜かないと、撃たれ強い超大物は未回収になってしまいます。
そして勝負には更に射手対獲物の対格差から生じる、「迫力負け」を生じ、5~10回対戦で自動的に乗り越えられますが、20%大きくなると再発し、超大物戦には「クラス4」が必要になります。
クラス1:3段角エゾ鹿オスだけで「迫力負け」が起こります。
クラス2:中型エゾ鹿になりますと「迫力負けが再発」します。
クラス3:角長70㎝の大物戦になりますと「再び再発」します。
クラス4:角長80㎝超大物戦はクラス3の能力を持っていても、残念ながらまた「再発」します。加えて超大物は8歳以上、鹿の野性寿命が8年である事から、「生息数が極端に減少」、直接対戦から乗り越える為の経験を積む事が難しくなり、イメージトレーニングを要します。
迫力負けが至らないと、足が地に着かない射撃となり、失中してしまいます。数回これを繰り返しますと、急所付近に命中させられる様にはなりますが、撃たれ強い超大物は確実に急所ヒットしない限り、逃げられ未回収になってしまいます。ケンさんもこの超大物未回収には永らく泣かされました。
対処法はどんなに焦っていても速やかな銃の操作が間違いなく出来る様に体と心を訓練しておき、更に10項のショルダーの急所を素速くヒットさせる事です。
正しくヒットすれば即死しますが、少しズレた時は即倒しても、10~30秒後に起き上がり遁走します。走られますと普通的には手に負えなくなりますので、倒れている10~30秒間に胴体にもう1発(急所でなくても良い)を撃ち込む事で、ゲームセットとなります。
走られたとしても「ランニング射撃技術」(1万人に1人)があれば、対処可能です。
それが無い場合は次に止まる場所を予測した150~200mの「待ってたホイ射撃早撃ち」です。早撃ち対策は1ホール射撃技術(1000人に1人)をマスターすれば、1桁大きい急所なら、早撃ちが容易となります。どちらの射撃も実は絶望的高難度となります。
50年間で分かった事、その6:実射練習からは100mが限界。
50年間で分かった事、その5:スコープ専用銃のスナップショットは画期的だった。
50年間で分かった事、その4:ショットガン効果。
50年間で分かった事、その3、マグナム効果は皆無だった。
50年間で分かった事、その1。
50年間で分かった事。
50年間で分かった事、その5:スコープ専用銃のスナップショットは画期的だった。
50年間で分かった事、その4:ショットガン効果。
50年間で分かった事、その3、マグナム効果は皆無だった。
50年間で分かった事、その1。
50年間で分かった事。