2023年01月26日

ランニング射撃。

 ランニング射撃:通常の射撃技術では動的には命中させられません。
通常のライフル銃は肉眼で見て、精密照準を必要とし、その肉眼で見ている映像は多少古い虚像であり、実体を伴っていないからです。実体は肉眼では見えず、実体は虚像よりももう少し先に進んでいます。

実体は見えている虚像よりも0.4秒前後先の位置にあり、その時間は射手の反射時間により変わりますが、間違いないのはつい先程までは間違いなく目視の位置にいた事実です。

結論的に言えば、虚像をスイングで追尾すれば、相対的に虚像遅れ問題は無くなり、虚像を追い越す時に引き金を引けば、必要なのは弾の飛行時間分のリードだけとなります。引き金を引く決断をしても実際に弾が出るのはもう少し後となり、その間にスイングが進んだオーバー分がリードとなります。

一定リズムで追越す時に引き金を引けば、そのオーバースイングによるりードは速度と距離に比例し、結論としてリードを毎回変えたり考えたりする必要が無くなる、ます。

これがスイング射撃の大きなメリットとなり、ランニング射撃は1度マスターすれば、原理的に良く当たります。これはショットガンのスイング射撃と全く同じ考え方です。しかし、通常のショットガン射撃は99%引き止まり射撃をしており、その引き止まり分のリードを追加しなくてはならなくなり、そのリードは諸条件により著しく変わり、通常の引き止まり射撃では低速近距離時を除いて、リード合わせが困難となります。

ライフル銃に於けるランニング射撃でもケンさんの初期のランニング射撃では引き止まりが残っており、射程は50m、1頭捕獲に5発強を要しました。

しかしフリンチング達成後は、発射直前に身構える事が無くなり、照準は微動する事なく発射が可能となり、ワンホール射撃が達成されました。

そして相前後してスイング時の引き止まりもなくなり、ランニング射撃の射程は落差無視の直撃射撃と同じ200mまで延長され、命中率も1.4発に1頭となりました。

言葉を変えますと走る鹿の急所直撃率は約70%となり、射撃距離は余り関係しなくなり、散弾銃の飛鳥射撃も概ね同率までに向上しました。エゾ鹿猟に於ける最大戦果は5頭の機会が無く、9項のボス争いの3頭のまとめ捕獲でした。

そしてもう1つの記録は2007年1月には超ビッグフィーバーに出会え、朝夕5頭ずつ捕獲が5日連続で続き、5日間に50頭の捕獲となり、この間に憧れだった5発5中が3度記録されました。この時の50頭捕獲は止矢も含めて70発で達成され、1.4発/頭となりました。

5発5中はこの時に3度達成、マグレではない事を証明出来た為、以後のまとめ捕獲は回収が大変な為、通常2頭に留めました。また相前後して300m遠射もマグレでない事を証明出来たので、以後は 余程の大物でない限り、同様に遠射する事を控える様になりました。

 遠射記録:半委託では2016年、ナミビアで380mのクドウに射撃、この時は何時まで待っても弾着音が返って来ず、失中したかと思われました。思ったよりも遠距離だったらしく、予定より大幅に遅れ大きな弾着音、クドウはその場に沈みました。

大人気のクドウは撃たれた経験を多数持ち、300m以遠でも、ブッシュからブッシュに駆け足、ケンさんは380mの「待ってたホイ射撃」で捕獲しました。

全依託の遠射記録では、540mと言うのがありますが、こちらは初弾命中ではありません。400mより遥かな遠方で超大物2頭が睨み合っていました。

取り敢えず落差1m補正で初弾発射、弾着は不明でした。こで落差2mで2発目を発射、これも弾着不明でした。余りにも遠方からの射撃で、獲物は全く逃げません。3発目は更に1m追加、落差3mで発射、これは足元に着弾しました。

もう1m落差補正を追加すれば、ショルダー急所の即倒ポイントにヒットする事が分かりました。4発目発射、着弾まで非常に長い時間を要しましたが、完璧な即倒即死でした。

ライバルオスは何が何だけ分からず、キョロキョロしていますが、逃げません。ならば同じ諸元で撃てば、隣も即倒出来る筈です。5発目発射、2頭目も1頭目と同様に即倒即死出来ました。
射撃距離の540mは落差から逆算した数値ですが、2頭続けての即倒はマグレではなく、ケンさんの記録としています。

  .超大物のトリプル捕獲
 1頭目捕獲
白崎牧場奥の牧草地の中央で、3頭がボス争いの為に睨み合っているのが、1㎞程手前から見えました。射程150mの所で下車、短いアプローチの後、銃を構えますと、発射直前に走り出しました。

「スナップスイングショット」バリエーションの「ムービングスタート射撃」に切り替え、1発で即倒、この時の走り出しより他の2頭はやや早く走りだし、すでに200mを超えていた為、急いで車に戻り、アクセル全開で残る2頭を追い掛けました。

 2頭目捕獲
300m程追い掛けると鹿より前に出られた為、車を急停止、銃を持って飛び出し、「スナップスイング」の「ランニングショット」、距離は概ね150m、これも1発で即倒しました。

3頭目は途中から多少違う方向に走った為、またもやすでに200mを超えており、急いで車に乗り、追い掛けます。

 3頭目捕獲
前方には走破不能のギャップがあり、大きく遠廻りをしなければなりません。2㎞ほど走るとやがて走って逃げる鹿が見えました。鹿は間もなく森に突入しますが、その直前にやや高い所があり、ケンさんの予測では鹿はここで立ち止まって振り返ると思います。

その予測地点の250m手前に合わせて車を止め下車、その丘のトップに照準を合わせ、待っていると鹿は予想通りの場所で立ち止まり振り返りました。間髪を容れず「待ってたホイ射撃」、鹿は1発で即倒でした。
こうしてボス争い3頭はそれぞれ違う射撃方法でしたが、全て捕獲出来ました。
ランニング射撃。
そんな事で3頭のトロフィーを計測してみますと、1頭目&2頭目は、超大物に僅かに届かない79㎝であり、3頭目は大きく見えたのですが、角長75㎝でした。

この頃になりますとランニング射撃も外す気がしなくなり、夢は超大物雄のランニング射撃の5発5中ですが、残念ながら機会には恵まれずでした。

後述11項の1998年のモンゴル丘の失中記録の様に、超大物まとめ捕獲の機会はあったと思われますが、その頃はまだH&Kのランニング射撃も50mの近距離&小物限定であり、その頃のランニング射撃は3発被弾のショットガン効果で捕獲していました。
ランニング射撃。
ランニング射撃と共に、「待ってたホイ射撃」は極めて多くの場所で使えました。写真はファンシューティングの2007年取材陣の到着日の朝、ケンさんの捕獲1051頭中の2番目の記録である87㎝が捕獲されましたが、これも200m先の「待ってたホイ射撃」でした。
ランニング射撃。
写真は2009年ナミビアのクドウも380mの「待ってたホイ射撃」でした。その他にもたくさんの大物を捕獲する事が出来ました。恐らく「待ってたホイ射撃」は全ての草食獣に対し使えると思います。




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Posted by little-ken  at 09:54 │ハンティング銃と弾