2016年05月20日

ライフル銃は魔法の道具ではありません。

10年間待ちに待った憧れのライフル銃の取得、これで道具的にはもうバッチリです。
しかしライフル銃は魔法の銃ではなく射撃技術(腕)が伴わなければこれを生かす事は出来ません。憧れや尊敬の対象になるのはライフル銃を使いこなしたその腕であり、ライフル銃ではないのです。

旧技能講習で70%が不合格になったのもその1つの証明、使えないライフル銃が尊敬の対象になる筈がありません。筆者も多くの平均的ライフルハンターの腕前がかなりお粗末である事は知っていたつもりですが、それは100mの実戦能力が怪しげ程度に思っていました。
しかし旧技能講習の結果は70%のライフルハンターが50mの実戦能力すら持っていない事が証明され、まさかこれほどまでに酷いとは思ってもいませんでした。

筆者もその30年ほど昔ですが、初めてライフル銃を所持し実射した時、従来から使っているノーマルスラグ銃と精度的に殆ど変わらないを実感し、びっくりした事があります。
しかし後年になって、腕が向上した暁にはノーマルスラグとは比較にならない精度を発揮する事が出来ました。

昨シーズンのR生徒もお粗末の見本その物です。
R生徒はサコー85バーミンターですから、道具的には筆者と全く同じです。ところが結果は更にその前年のサボットスラグの時と何ら変わらない結果、相変わらず殆どを外しまくり、僅かに捕獲成功した3頭のエゾ鹿もクリーンヒットには程遠い物ばかりでした。

考えれば腕が変わらなければ結果が変わらないのも当たり前の事なのです。
サボットスラグ銃とライフル銃の精度の違いはほんの僅か、100m程度の精度差を半径で言えば、弾頭の直径である約15mm分が大きくなった程度です。

R生徒は一昨年の失敗の殆どが自らの射撃技術に欠陥があるとは思っておらず、ライフル銃を入手するだけで解決出来ると思っていたのですからお粗末です。
筆者の教えから一体何を学んで来たのでしょう。空しくなります。
ライフル銃は魔法の道具ではありません。
  R生徒より半年遅れてK生徒も憧れのライフル銃を取得、こちらはハンターモデルです。
ライフル銃は魔法の道具ではありません。
  こちらは順調な仕上がりで、100m 5発が17mmにまとまり、100mでこの位上にして
  おけば200m強までは直撃可能、最近は200m越の出現が多くなった超大物との勝負も
  大丈夫です。また憧れの300mも落差僅かで当てられ、これらがライフルの醍醐味です。


ライフル銃の精度を発揮させる為には、まず射手が関与せず銃だけに撃たせる射撃技術をマスターしなくてはなりません。サコーは100ヤード(90m)で1/2インチ(13mm)が出せますから、K生徒の射撃結果よりも更にもう少し期待できます。

そして動物は動く物と書くのですから、止まっている時しか撃てない通常射撃であれば、早く撃たなければ逃げられてしまいます。その為には発砲準備動作を並列進行させなければなりません。

また最終的な憧れの超大物は射手より体格が2倍以上ありますから、迫力負けする事なく撃てる様にならなければなりません。これには失中が高額有料である海外猟の体験が早道かも知れません。

更に遠射で遠いなあと不安に思う事なく、また落差補正はこれで万全だろうかの不安なく、当たって当然と言う信念で撃たなければ当たりません。心にそう言う不安や捕獲とか当てようとかの邪念が残っていては当たる射撃も外れてしまいます。

つまり結果的に言えば、力を抜いてそっと撃つ、発砲準備の時間を目標1/10に短縮する、獲物のサイズに圧倒される事なく平常心で撃つ、心に邪念を持たずに撃つ、これらの集合体がライフル銃を魔法の銃に替え、成功を自動的に引き寄せてくれると言う事になります。

その為には多くの実戦を体験する事が1番の対策法です。
筆者もその昔は獲れないハンターの側で悩んでいたのですが、皆さんより2桁ほど多くの実戦経験に恵まれ、そこからたくさんの失敗をして多くを勉ぶ事が出来、その結果が累計1200頭余、角長80cm越え30頭、ヒグマ6頭、ランニング射撃300頭越と言う成果になりました。

まずは実戦経験量を一桁アップしてみましょう。必ずそこから新しい道が開けます。
スクールの角長80cm越えの超大物捕獲成功は迫力負けに先天性の免疫を持つS生徒を除き、誰1人として複数成功しておらず、成功3例はまだマグレレベルに留まっております。

そのマグレが起こるまでの確率は年数で2~7年、実戦累計で6~27日、平均すると5.5年と19.3日で達成、つまり20日の実戦出撃さえすればきっとそこから何かを得られる事になります。
数回に分けて20日を1年ですれば2年目にはきっと何かに開眼される事でしょう。

その辺でヨシとするハンティングも勿論アリですが、男に生まれたのですから出来れば超大物5頭捕獲の本物のエース、更にはヒグマ捕獲もマグレの1頭位はしてみたいものですが、それらの全てはたった20日の実戦出撃から生まれます。







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Posted by little-ken  at 11:13 │ハンティングライフル所持