2015年03月04日

ライフル銃初心者教習の新制度。

2015.2.28.ライフル銃の初心者教習を受けて来ました。筆者は散弾銃歴45年&ライフル銃歴25年の経験者で且つ現役ですが、実はライフル銃の更新手続きが遅れてしまい初心者講習を受け直す事になってしまったのです。手続き自体は3月3日には全て終了し、また元通りに運用出来る様になりました。

教習費用42000円、もったいないですね。しかし教官から面白い情報を仕入れて来ました。
ライフル銃の初心者教習と経験者技能講習の新制度のお話です。
それによりますと下記の様になるらしく、生活安全課の担当の話にも「まだ詳細は来ていないが大きく変わる様です」と言っていましたから多分本当だと思います。

  1.ライフル銃初心者教習と経験者技能講習の新制度。
新基準は2015年9月から適用 されるらしいです。
初心者教習は合格基準が 大幅に緩和 され、現在の散弾銃 (25発撃ってトラップ2枚で合格) 並みの 50mから100m用的紙の直径約33cmに5発撃って1発以上命中で合格 だけではなく経験者技能講習も同じ基準 が適用されるらしいです。
更にライフル所持に必要な 経験年数が5年程度 に短縮されるらしいです。

現基準のライフル銃の場合は直径16.5cmの的紙に50mから20発撃って膝撃ちで40点以上が合格となり、合格者はスラグ射撃等でかなり練習を積んでいても半分前後となります。初心者はライフル銃を撃った事が無いのですから、取りあえず安全な銃の取り扱いが出来ればそれで合格で妥当であり、取りあえず良い方向だと言えばそうなります。

  2.所持目的は狩猟only、更にライフル銃を必要とする理由が必要。
ライフル銃所持を目指しておられる人で条件を満たす人は、もう数カ月待ってから担当官に確認を入れて下さい。憧れのライフル銃がグンと身近になりました。
但し今後も今までと変わらない事も幾つかあります。

それは 所持目的が狩猟に限られ、ライフル銃を無制限に認める訳ではなく、所持するにはそれを 必要とする理由 が必要な事です。
因みに我が愛知県の見解では県内の狩猟にライフル銃は不要と見ており、これは変わらないと思いますから、ライフル銃の必要性を具体的に説明しなくてはなりません。

  3.必要とする理由のベストは北海道のエゾ鹿猟。
ライフル銃を使った狩猟が住所地の近くですでに多数確立している地域は問題無いですし、北海道に住んでおられる人なら何の苦労もありません。
しかしそうでない地域に住んでおられる人にとって最も ベストなライフル銃を必要とする理由は北海道のエゾ鹿猟 をやりたいであり、これは過去も現在も今後も変わりません。

エゾ鹿猟に付きましても昔はやりたいと言うだけで許可を出してくれましたが、取得しても行かない人が続出し、何時しか「1度行ったらね」に変わりました。
それも取得すればこちらのモノとその後2度と行かない人も多く、昨今では意思が本物である事を示す為に 事前に2~3度の実績を積まないと通り難い と聞いております。

取得してからも毎年の銃検査で実績をしつこく尋ねられます。その為に北海道の狩猟登録を欠かさず、行った事にする為に安売り札幌ツアー等に参加する人もいると聞いています。
北海道に狩猟登録する人は2000人強いますが、何割かは実績稼ぎの登録と言われています。
筆者が言うのも何ですが、取りあえず実績を付ける為にも、その後に実績を残す為にもウィークエンド土日だけの7万円の短期ツアー を承る事も出来ますのでご利用下さい。

更にその後に予定が変わったとしてもいけなくはなく、射撃コースに転向される方法も所持銃が射撃銃として規格 (口径6.5mm以下等々) を満たしている銘柄に限られますが、これも偽りの狩猟実績でごまかし続けるよりは良いと思います。
しかしこれも一般的ではなく、仮にそう言う目的で通ったとしても公式射撃場が関東と関西に1つずつしか無く、年に2回以上の出場が最低ノルマとなりますから、短期北海道遠征とコスト的にそれほど変わりません。

  4.実際に鹿を捕獲する為の必要精度。
新制度による教習射撃では50mで33cmに5発撃って1発当ればOKとなりますが、その程度の腕前では鹿の捕獲は絶望的です。仮に鹿が50mに居たとしても(可能性はかなり薄い)心臓等の急所の直径は15cm程度、これをに命中させる腕前が無くては捕獲は不可能です。多くの鹿は100~150mに多く、大物はその行動パターン上もう少し遠くになり、150mで急所に確実に当る為には150mで10cmに当られる能力が必要になります。

筆者見解は初心者には新基準で良いと思いますが、それを仮所持免許とし、1年以内に旧基準精度を満たす腕前になって正式所持になり、3年毎に旧基準で技能チェックを受けるのが妥当だと思います。実際にエゾ鹿猟をしているならば旧基準でも自動的に楽勝合格です。

散弾銃も同様に実戦で使えるを前提としますとノーマルクレーの命中率50%前後がそれになります。現状は散弾銃もせっかく始めても3年まで生き残る確率は20%程度、これはやはり命中率がネックになっていると思われます。50%に大きく届かない様な命中率では射撃場に行っても恥をかきに行くだけ、また狩猟の実戦でも獲れっこありませんので出掛ける気がしません。と言う事はまもなく実績不足になる事が見え見え、数年で辞めてしまうのです。

ライフル銃でも同様の事が言えます。射撃場で恥をかかずに且つ実戦でも捕獲の可能性があると言う事になりますとそれは50mで10cmを達成しなければなりません。
取得したばかりのまだ熱い時期に射撃場通いで実戦に耐えられるMin基準をクリアする、これがどちらの銃であっても3年後の生存率に大きく影響すると筆者は考えます。

 5.初心者教習の内容。
各施設に於いて使用する機材はまちまちです。筆者の今回はレミントン700 SPSの口径 308の1倍のドットサイトでした。
因みに筆者の今回の成績は慣れない銃と照準器(普段は6倍のスコープサイト)であるとは言え、黒点の中央寄りにまとめる事は出来ないばかりか2発はゼロ点、結果的に2倍以上余裕の楽勝合格レベルですが82点と不本意な結果、これでは100mの鹿の捕獲は危ない事になりますが、愛銃で行った先頃の技能講習では150点前後と多少マシになっております。
ライフル銃初心者教習の新制度。

  6.ライフルの所持の必要事項。
ライフル銃所持を目指す人の為に必要事項をまとめました。ライフル銃の所持は簡単になりましたが、当局は相変わらず必要性の無い銃の許可は降ろしません。この辺を勘違いされない様にお願い致します。なお所持要件を満たす頃になりましたら、所轄に事前に相談に行くと手続きがスムーズに行きます。

1.装薬銃の所定の経験年数が必要。
従来は継続10年以上(全く連続していなくても継続とみなされる場合もある)が必要でした。今度からはこれが5年程度になるらしいです。1部に10年以上の狩猟経験が必要と謳われています。そう言う指導はあるかも知れませんが、本来そう言う項目はありません。
詳しくは次項をご覧下さい。

2.狩猟免許が必要。
ライフル銃の用途は「狩猟」に限られますから当然狩猟免許は絶対に不可欠です。
ライフル銃の狩猟を今度から始めると言う理由もいけなくはありませんが、通りが良くありません。「エゾ鹿猟に行きたい」の例の様にやる気が本物を示す為にもその方面の複数実績があった方が良いと思います。

3.ライフル銃が必要な理由がある事。
ライフル銃で狩猟が出来るのは熊類&鹿類&猪類の3種だけ、これら以外の狩猟は違法です。またこれら3種の狩猟でも猟場の地形によってMax.40~50mであれば散弾銃の方が圧倒的に有利ですから、そう言う目的の狩猟ではライフル銃の許可は戴けません。ヒグマ猟だけはライフル銃の必要性になりますが一般的でなく、猪猟は近射only、本州鹿も特殊な猟場で無いと近射only、エゾ鹿猟を目的にする事が1番素直に通る理由になります。

4.狩猟実績が出せる事。
散弾銃の様に射撃&狩猟の複合目的であれば各1回ずつの実績でもいけなくはありません。
狩猟onlyのライフル銃では射撃は安全な狩猟の為には不可欠な練習ですが実績にはならず、拘りのライフル銃ですから原則として2回の狩猟実績が必要です。

内容的には単独猟でも法的な問題はありません。捕獲出来なかった事も問題はありません。
しかし本当に行っているのであれば捕獲ゼロが続く事は不自然です。捕獲が無かった時は特に本当に行った事を証明出来る資料を添えて具体的に説明出来なくてはなりません。

実績が何かの理由で1年無い事は余り問題になりませんが、2年続けてない事は非常に拙くなり、かなり厳しい追及を受けます。そして次の年にきちんとした実績が出せないと更新が認められなくなり、普通はこの前後で銃所持を諦める人が多いです。
なお実績不足で銃を手離しますと3年間は再申請出来ません。

銃の数が多い人はアレ用&コレ用と用途の違う銃を持っておられると思いますが、そう言う人は更に狩猟に強い拘りを持っていると解釈されます。この場合、各銃に対して2回以上の狩猟実績が必要です。尚プロハンターや上級射撃選手はスペア銃の所持も認められます。

射撃場に複数の銃を持ち込んでまとめて練習する事は問題ありませんが、狩猟に複数の銃を持ち込む事はきちんとした保管設備のある所に、複数日の出猟する場合を除いて認められ難くなります。(宿や車に銃を置いて離れる事は違法になります。)









Posted by little-ken  at 15:31