2016年04月13日

ライフル銃の欠点-3:動的射撃。

従来の考え方ではライフル銃の照準には相当な精密さが必要であり、それには相当に時間を要し、目標が完全に止まっていてもそれなりの難易度ですから、移動していたら不可能であると考えられていました。

拙者も当初は走っている場合は難しいと思い、まずは100m以下の歩いている鹿を従来法で撃ってみました。弾着までに鹿が多少は移動する事は分かっていますが、距離が100mなら弾の飛行時間は0.1秒程度、その間に鹿が歩く距離は10~20cm程度ですからどんなに悪くてもケツより前に当たる筈です。

ところが撃ってビックリ、着弾は鹿のケツの少し後方であり、誰が何度やっても同じ結果でした。心臓狙ってケツの後方と言う事は鹿の移動速度から逆算すると1秒強と言う事になります。

これはどう考えても信じ難いのですが、誰が何度撃っても同じでしたからこれは避けがたい事実、これに対処しなければ解決は出来ません。つまり肉眼で見ているのは虚像であり、見えていない真の像とは約1秒ずれている事で考えを発展させなければならないのです。

そしてこれは見えない目標を撃つのですから従来の視力に頼った照準を辞めなければならない事を意味し、真の位置は心の中で推測する以外に方法はないと言う結論になります。ライフルスコープは見て撃たないのですからもはや単なる照準補助具と言う事になります。

拙者、その考えで弾薬約2000発と3年間で約100日の実戦でランニングショットの色々を試しました。その結果として得られた極意は獲物を1度追尾し、安定追尾後はそのままスイングを加速し、以後は見ないままで追い越した頃合いで撃つと言う、手法になりました。

銃はH&Kのオートで実戦100日から300頭程を捕獲し、約100頭が走っている鹿ですが、この時の射撃距離は100m程度、1頭を捕獲するのに末期でも5発強を必要としました。

その後に銃をボルトアクションのサコー75バーミンターに替えましたが、僅か1年で予想外の事が幾つも起こりました。まずランニング射撃の射程距離が200mまで延長され、それでいながら1頭捕獲に必要な弾数が約半分の2.7発になりました。

距離が2倍で命中率が2倍と言う事は4倍の向上率になりますからこれは驚きです。更に驚きはそれに留まらず、連射速度が自動銃の時よりも多少速かったのですから、もうセミオート銃の存在意味すらが無くなります。
ライフル銃の欠点-3:動的射撃。
    80cm級の超大物の群れ、中央が1番デカく、次は最後尾、最後に先頭を撃ちます。

その後の約10年間実戦300日でサコー75は約800頭を捕獲、300頭以上が走る鹿です。長い間の憧れであった5連射5頭捕獲も2度達成し、これで移動目標射撃は達成したと判断し、以後は回収が大変ですから1度に捕獲するのは2頭以下に留めました。

遠射最高記録は600mの2頭連続、300mでは5度連続で成功、これで遠射も目標達成と判断し、以後はこれも回収が大変ですから遠射はしなくなりました。1度出会った鹿はかなりの率で数日以内に再び出会える事が分かった為もあります。

ランニング射撃の秘訣は見ている映像が虚像であり1秒古い事を理解し、従来の肉眼照準の考え方を捨て、スイングを絶対に止めずに目標を追い越す頃合いを見ないで撃つ事です。
遠射の秘訣は銃を持たずに全依託射撃とし、銃だけに撃たせる様にすれば必ず命中します。

海外で試しましたが、この移動射撃法は飛んでいる鳥や飛び立ちの鳥に対しても有効でした。これが一般のハンターに出来なかった原因は肉眼に頼る従来の射撃方法や見える映像がリアルタイムの実像ではないと言う従来の考え方を捨て切れなかった事が原因です。

次いでですから空中の空き缶撃ちも解説しましょう。
ピストルの場合はホルスターに入れている状態からの抜き撃ちになります。
空き缶が投げられてから銃を抜き、セーフティーを外しながら照準して発射します。

拙者はこれを玩具のエアガンで練習し、当たる様になってからは海外の実銃でも試しました。ショットガンもライフル銃でも同様に海外で試しましたが、どの銃でもよく当たりました。先に抜いて或いは肩付けしたりして、準備していると当たりません。

実はこれにも秘訣がありまして、この撃ち方は移動標的撃ちではなく、単に止まっている空中標的として撃つのです。つまり投げた空き缶の空中弾道コースを読み、その上死点ポイントに向かってそのタイミング良くスナップショットをするだけなのです。




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Posted by little-ken  at 15:06 │ハンティング射撃ランニング射撃