2016年04月10日
ライフル銃の欠点、その1.
散弾銃の射程距離が弾種を問わず50mが限界である事を考えますと、ライフル銃は300m前後までを狙撃出来ると言う素晴らしい利点(スコープを運用すると言う前提でそれなりの射撃術があった場合)があります。
しかし一方で大きな欠点もあり、50m以内の射撃が多い本州猟には不向き不要であるばかりか、ライフル銃の欠陥が大きく出て来ます。
その欠陥は銃自体にあるのではなく鉛弾側にあり、近射時により多く現れます。
つまり近距離ライフル射撃はそれなりの対策をしない限り全く不向きなのです。
ライフル弾は非力と言われる308でも弾頭の種類を問わず12mmの生鉄板や大物エゾ鹿の胴体を貫通可能な程の素晴らしい威力です。
しかし1㎜の鉄板を数cm毎に置きますと、1枚目は貫通、2枚目も大きく変形し何とか貫通しますが、3枚目はほぼ無傷です。
また実戦面では木の葉1枚を満足に貫通する事が出来ません。マグナムですと15mmの鉄板を貫通しますが、やはり木の葉1枚に手古摺ります。
中距離射撃以遠では後述の様に命中時に弾頭が大きく変形し、且つ適度に鉛が飛散する特性は威力増の点から非常に好ましいのですが、近距離ではこれが過剰に働いてしまうのです。
どう言う事かと申しますと、弾頭は命中した瞬間に運動エネルギーが熱エネルギーに代わります。
弾芯の鉛は発射時にはかなり高温ですが、それ故に近距離命中時にはそれが木の葉1枚であっても爆発的に飛散してしまい、以後は弾頭の意味をなさなくなってしまうからです。
高初速弾と近距離射撃の組み合わせ時にその欠陥は著しく現れ、例え正しく急所に命中しても内部の心臓等まで届かず、本州鹿等を50m程度で撃って半矢になるパターンが典型的なこれになります。
そんな弾頭ですから骨に当れば結果はもっと悲惨であり、鉛部分は全て飛散し弾頭の威力はそこで完全に失われてしまいます。
ところが200m以遠になりますと話は大きく変わり、そう言う弊害は骨に当たらない限り無くなり、命中時には適度な鉛飛散と大きく変形しダメージを大きくするライフル弾マッシュルーム効果を遺憾なく発揮します。
結論的に申しますと、鉛ライフル弾にはこうした重大な欠陥があり、後述の対策をしない限り近距離猟には全く使えないと言う事です。
近距離射撃が主体の本州猟全般にはメリットよりもデメリットの方が大きく、更にブッシュが多い所を逃げる猪猟には百害あって一利無しなのです。
なお鉛弾頭であっても重量低速弾やラウンドノーズ型の重量弾を使えばこの欠点は軽減されますが、遠射性能が多少落ちます。
最も良い方法はA型フレーム構造の上下2つの部屋に分かれている物を使えば表面爆発時や骨に当っても鉛飛散は上半分に留まり、下半分はその後も弾頭の能力を持って深部に到達します。
また純銅製の弾頭は表面爆発による飛散を根本的に防止する目的で開発された弾頭であり、エゾ鹿やそれを超える巨大獲物に対しても遠射性能を殆ど落とさず、鉛弾では絶対に出来ない肩甲骨&背骨を撃ち抜く回収率の高い射撃法や近距離射撃にも適しています。
アフリカ猟では未回収時に数千ドルの高額ペナルティーが発生しますが、拙者が鉛弾規制のないアフリカに於いても銅弾を使用する理由もまさにここにあります。
写真左はライフル近距離射撃の典型的な欠陥の鉛が全量飛散後の銅ジャケット。
写真右はアフリカで940㎏のエランドのショルダーを撃ち抜いたA型フレーム弾。
写真3の左は走る400㎏のヒグマの大腿骨と骨盤を100mから砕いたもの、
右は10mの至近距離から280㎏のヒグマの心臓を撃ち抜いたバーンズ銅弾です。
しかし一方で大きな欠点もあり、50m以内の射撃が多い本州猟には不向き不要であるばかりか、ライフル銃の欠陥が大きく出て来ます。
その欠陥は銃自体にあるのではなく鉛弾側にあり、近射時により多く現れます。
つまり近距離ライフル射撃はそれなりの対策をしない限り全く不向きなのです。
ライフル弾は非力と言われる308でも弾頭の種類を問わず12mmの生鉄板や大物エゾ鹿の胴体を貫通可能な程の素晴らしい威力です。
しかし1㎜の鉄板を数cm毎に置きますと、1枚目は貫通、2枚目も大きく変形し何とか貫通しますが、3枚目はほぼ無傷です。
また実戦面では木の葉1枚を満足に貫通する事が出来ません。マグナムですと15mmの鉄板を貫通しますが、やはり木の葉1枚に手古摺ります。
中距離射撃以遠では後述の様に命中時に弾頭が大きく変形し、且つ適度に鉛が飛散する特性は威力増の点から非常に好ましいのですが、近距離ではこれが過剰に働いてしまうのです。
どう言う事かと申しますと、弾頭は命中した瞬間に運動エネルギーが熱エネルギーに代わります。
弾芯の鉛は発射時にはかなり高温ですが、それ故に近距離命中時にはそれが木の葉1枚であっても爆発的に飛散してしまい、以後は弾頭の意味をなさなくなってしまうからです。
高初速弾と近距離射撃の組み合わせ時にその欠陥は著しく現れ、例え正しく急所に命中しても内部の心臓等まで届かず、本州鹿等を50m程度で撃って半矢になるパターンが典型的なこれになります。
そんな弾頭ですから骨に当れば結果はもっと悲惨であり、鉛部分は全て飛散し弾頭の威力はそこで完全に失われてしまいます。
ところが200m以遠になりますと話は大きく変わり、そう言う弊害は骨に当たらない限り無くなり、命中時には適度な鉛飛散と大きく変形しダメージを大きくするライフル弾マッシュルーム効果を遺憾なく発揮します。
結論的に申しますと、鉛ライフル弾にはこうした重大な欠陥があり、後述の対策をしない限り近距離猟には全く使えないと言う事です。
近距離射撃が主体の本州猟全般にはメリットよりもデメリットの方が大きく、更にブッシュが多い所を逃げる猪猟には百害あって一利無しなのです。
なお鉛弾頭であっても重量低速弾やラウンドノーズ型の重量弾を使えばこの欠点は軽減されますが、遠射性能が多少落ちます。
最も良い方法はA型フレーム構造の上下2つの部屋に分かれている物を使えば表面爆発時や骨に当っても鉛飛散は上半分に留まり、下半分はその後も弾頭の能力を持って深部に到達します。
また純銅製の弾頭は表面爆発による飛散を根本的に防止する目的で開発された弾頭であり、エゾ鹿やそれを超える巨大獲物に対しても遠射性能を殆ど落とさず、鉛弾では絶対に出来ない肩甲骨&背骨を撃ち抜く回収率の高い射撃法や近距離射撃にも適しています。
アフリカ猟では未回収時に数千ドルの高額ペナルティーが発生しますが、拙者が鉛弾規制のないアフリカに於いても銅弾を使用する理由もまさにここにあります。
写真左はライフル近距離射撃の典型的な欠陥の鉛が全量飛散後の銅ジャケット。
写真右はアフリカで940㎏のエランドのショルダーを撃ち抜いたA型フレーム弾。
写真3の左は走る400㎏のヒグマの大腿骨と骨盤を100mから砕いたもの、
右は10mの至近距離から280㎏のヒグマの心臓を撃ち抜いたバーンズ銅弾です。